魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 4
はやての落ち込む姿を見て、シグナムはレヴァンティンを下ろした。
「……分かった」
すると、T‐900がショットガンのスライドを動かし敵に向け構えた。
「急いで出口へ…!!」
放たれる弾丸。
弾は敵の右肩に当たり、後ろに弾く。
(実弾じゃない…)
撃った感覚以上に、紫色に光る弾丸に違和感を覚えた。
しかし今は問い詰める暇は無い。“盾”として、彼等を守らなくてはならない。
スライドを上下し、撃つ。
左肩に直撃――それでも敵は歩みをやめない。
(威力が低い……)
「走れッ!!」
レイルもまたマシンガンで応戦する。当然魔力弾である。
「はやて、走れるか?」
ヴィータの言葉に、無言で首を縦に動かす。
開いた自動ドアへ走り出し外を抜けると、突然黒の大型バンが全速力で到着しブレーキを掛けながら背を向け止まった。
その観音開きのドアが開く。
「皆さん、早く乗ってくださいッ!!」
「急げッ!!」
そこには制服を来たエリオとキャロ、オオカミ形態のザフィーラが乗っていた。
「エリオ!!キャロ!!ザフィーラ!!」
「どうして此処に…!?」
「話は後だ、乗れ!!」
はやてを先頭に、バンへと入っていく。
「ヴァイス、お前だったか…」
「はい、異変を感じたと旦那が……チビ共はバイクの回収の時に一緒に…」
銃声が鳴り響く現場に、周りは騒然となる。
レイルも撃ち続け、弾切れと知るとバンの手前に乗り屈む。
「行ってくれッ!!」
「えっ…!?でもまだ……!?」
「行けッ!!」
赤の他人に命令される不快感に舌打ちをし、アクセルを踏んだ。
T‐900の横を、バンがすれ違う。
すれ違い様に素早くバンの天井横に掴み、ショットガンを回転させて装填する。
「アイツ、追いかけてくるぞ!!」
アギトの目に映る“シグナム”の姿――。
最早意味の無いカモフラージュをした敵は、弾痕を付けたまま走り出す。
ぶら下がった体勢で撃ち、相手の腹部に命中する。
よろついて尚、走り続ける。
銃を回転して撃つ、そして着弾――その繰り返しは長く続いた。
そして弾が額に当たると、敵は力が抜けたように仰向けに倒れた。
もう一度回転させ銃口を敵に向ける。
敵が見えなくなるまで構え続け、そして安全を確認した所でT‐900は後ろから中に入った。
路上に倒れる敵。
刹那、あちらこちらにある弾痕がみるみる内に逆行し始めた。
遂には傷1つ無い状態へと戻る。
何事も無かったかのように静かに立ち上がり、何処かへと消えていった。
作品名:魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 4 作家名:神威