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魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 4

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「わ、悪りぃ…!」

「でも、嬉しかったです…」

「……!」

「リインの事…名前で呼んでくれて…」

「ばッ…!……あ、当たり前だろ!…お前は…あ、あたしの……友達だから…」

「ふふ…ですね!」

その二人の様子を見ていたレイルが、肩の力を抜いて深々と座り込んだ。

「はぁ……気が付いたか…良かった……無事のようだな、ツヴァイ」

「はいです!……それと、私の事はリインと呼んでください。何だかこそばゆくて…」

「お、そうか。じゃ、リイン…無事で良かった」

「お気遣い感謝です、レイルさん!」

レイルの人間らしい言動に、アギトは彼に対する態度を後悔していた。

任務の為なら犠牲をいとわない非情な人間だと決めつけていただけに、それが重く伸しかかる。

アギトはリインの下を離れ、ゆっくりと浮遊しながらレイルに近付いていった。

「……あ…あの、さ…」

「……?」

「さっきは……その…悪かったな…あんなに怒ったりして…」

「…ん?……ああ、別に気にしちゃあいない。……ええと…?」

「アギト…」

「…アギトの言った事は間違いじゃない…俺が戦場慣れし過ぎておかしくなっただけだ」

「………」

急に黙り込んだアギトを疑問に思い正面を向くと、彼女はぽかんとした表情(かお)で自分を見つめていた。

「ど、どうした…?」

「…ぷッ、アーッハッハッハッハッハーッ!!……アンタ、その返し…ぷふッ、面白いなッ!!」

「………は?」

「何か…考えるの馬鹿馬鹿しくなっちまったッ!!……今からアンタの事を、“兄貴”と呼ばせてもらうぜ!!」

「お、おい…!?」

「宜しくな、レイルの“兄貴”!!」

ニヤニヤ笑うアギトを見て、レイルは呆気に取られて言葉を失う。

「兄貴…?」

「…覚えなくていい……忘れろ…」

「……はい」

和やかな雰囲気に包まれる中、車は前に進む。

やがて大通りを抜けると、海原を一望出来る通りに辿り着いた。特に車の行き来は少なくスムーズに走行している。

「此処は……ヴァイス、向かっている場所はまさか…?」

「はい、旧“六課隊舎”です」

一年前に起ち上げた機動六課の隊舎は、解散後も解体される事無く残っている。解体の話も出ていたが、当時本局勤めだったハリー=レイヴンの懇願によって解体は免れた。

「“旧”…?」

「一年前に私達が配属してた部隊の隊舎で、半年前に解散して今は隊舎だけが残ってるんや」

「その隊舎に隠れるのか?…しかし…!」

「大事ない。私が結界を設置した。これなら敵から身を隠せる」

その低い男性の声を聞いてレイルは疑問を覚えた。何故なら声を出した人が、人ではなく獣だったからだ。

「犬が…喋った……!」

「犬じゃないんよ。この子はザフィーラ、私達の家族の一員や。ワンちゃんにも見えるんやけど狼の人獣なんよ」

「主…」

「冗談や冗談ッ!」

優しくザフィーラの頭を撫でる。

「それも驚きだが…」

レイルの視線がふと、窓際に座るエリオとキャロに向けられる。その視線にエリオ達は困惑してしまう。

「貴方達も管理局に配属しているのですか?」

「は、はい…」