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魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 4

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「うわぁ…!!助けてぇ…!!」

展示物が迫る。

その時、男の子の足下に蒼い道筋が現れた。

それは端から端へと伸び、中に文字が流れながら描かれている。

そして遠くから高速する回転音が聞こえ、男の子の元へ近づいていく。

「えっ…!?」

加速したまま男の子を抱き抱え、展示物は倒れた。

道の果てである窓に向かって、男の子を手で囲み突っ込む。

窓の外に新たな道が生まれ、窓が割れた場所から勢いよく人が出て来た。

下からは市民の驚きによりどよめきが起き、救出された男の子の母親はその光景を心配そうに見つめていた。

ブレーキを掛けながらターンをして止まると、ずっと目を閉じていた男の子の瞳が恐る恐る開く。

白のバリアジャケットに、頭にはリボン結びの同色の長いハチマキを付けた、ブルーのショートヘアをしたボーイッシュな少女が見えた。

彼の視線を感じて、少女も男の子を見つめる。

「よく頑張ったね、偉いよ。もう大丈夫だからね」

優しく微笑む少女――スバル=ナカジマの表情(かお)を見て安心したのか、男の子は泣きじゃくり彼女の胸に顔をうずめた。

「………」

ゆっくりと頭を撫でる。





一連の火災事故は、終息を迎える。

救助隊の迅速な行動により、最悪な事態だけは免れた。

炎も完全に消失し、現在は出火原因を調べる為ビルの中で検分を行っている。

男の子を救出したスバルは、彼を無事母親に引き渡した後、事後処理に勤しむ。

“お姉ちゃん、ありがとう!!”

母親に抱かれ手を振りながら言った男の子の言葉――。

疲れきった体が一気に吹き飛んだ感じがした。

「スバルさん…」

名前を呼ばれ、振り向く。

「メルシー司令」

スバルを呼んだのは、湾岸特別救助隊の司令――メルシー=ファルクスだった。

スバルはすかさず敬礼をする。

「ご苦労様です。貴女の活躍、しっかりと拝見しましたよ。流石は元機動六課のストライカー…素晴らしいです」

「ありがとうございます。“泣いている子は助ける”……これ、私の教導官の教えなんですよ」

楽しげに話すスバルを見て、メルシーは小さく鼻で笑う。

「よっぽど“高町”教導官の事が好きなんですね」

「はい!!………って、私なのはさんって言ってませんよ!?」

「そのような事はヴィータ三尉は言いませんから」