魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 4
“殺人マシーン”という単語を聞いた直後、はやて達のT‐900を見つめる視線が鋭くなる。
「大丈夫だ。プログラムは書き換えてある。俺達を襲う事は無い」
「けどあたしを殺すとか言いやがったぞ?」
「人間にあるように機械にも防衛本能があるんや」
「Peaceにあるまじき行為をした…。申し訳ありませんでした」
「べ、別に…!シャ、シャマルを助けようと…しただけだし…!」
照れ臭そうにする姿は、実に面白く彼女の性格を知るに事足りた。
「あの…調べて思ったんですけど、あんな精巧な内部と皮膚……スカイネットとはどんな軍隊なんですか?」
「軍隊ではない、あれはAI…自我を持ったコンピューターだ」
「AI…?」
「スカイネットは元々、惑星の危機を救う為に開発されたシステムだった。だが稼働した直後に凄まじい速さで自我に目覚め、人間を攻撃し始めた。独自の技術で多数のターミネーターを投入し、人類滅亡を企てている…」
「そんな事が…?」
「人間が悪いのか…そうでないのか…今はどうでも良くなっている…」
急に静けさに包まれる。それでも尚、T‐900は無表情を貫いていた。
「一方的な質問で悪いですけど…」
申し訳なさそうに言うはやてに、レイルは気にせず見つめる。
「何を介してこの世界に来たか…教えて頂きます?」
「……移転装置と言えば分かるだろうか?俺達の世界ではポピュラーなんだが、その装置の動力が未知な物だった。そして搭乗して今に至るという事だ」
それを聞いて、はやては目を閉じ念話を繋げる。
《なるほど……次元震の理由がやっと分かった。これでハリー大隊長に良い手土産が出来た》
《はい、この事例に対して頭を悩ませていらしたので…》
《しかし、クラウスの魔力との接点はありませんね》
《焦る必要はあらへん。ゆっくりと追究していけばええ》
《だな》
《はいです》
念話を聞き取れる訳も無く、不意に沈黙したはやて達に疑問を抱く。
T‐900の視界がサーモグラフィーに表示されると、はやて達の頭部に何かの反応を示す動きがあった。
『UNKNOWN』と疎らに表示され、それ以上の表記変化は無かった。
(何かをしている…?)
詮索を止め、表示を戻す。
「さて、こっちの質問も答えてもらおうか…」
「どうぞ」
「時空管理局とは何だ?」
作品名:魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 4 作家名:神威