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モン・トレゾール -私の宝物-

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4



「あ〜〜。七人の小人達って、白雪姫を見つけた時、こんな心境になったんだろうなぁ」

アパートに戻ったのは日付が変わってからだった。
一日の疲れをシャワーで癒して眠ろうと思っていたアムロは、自分のベッドの上で長い手足を極力縮込めて寝るクワトロの姿にため息をついた。
しかし、小さなベッドに窮屈そうに体を収めながらも幸せそうに寝息を立てている身元不明の男の顔を見てしまうと、叩き起こすのも不憫になる。
アムロはクローゼットの上から予備の毛布とクッションを降ろすと、シャワーを浴びてからそれに包まって、部屋の隅で体を休めた。

同じ部屋に人の気配がする事が、どこか落ち着くという不可思議な感情を抱きながら、アムロは数時間の眠りについた。


 翌朝

アムロは包み込まれる暖かさにホッと息を吐いた。

春とはいえ、朝方はまだ冷え込んでいる。
極力出費を抑えたいアムロは、暖房を入れない。その為に、毎朝忍び込む冷気に体を震わせて起床するのが常だ。
それが今朝はすごく暖かくて気持ち良い感触の中で目覚めを迎えたのだ。

「……ん……」
アムロがその温もりへと擦り寄ると、それは更にアムロを深く抱え込んだ。

“え〜〜?なぁにぃ〜〜?”

ぼんやりとした頭を必死で起こし重い瞼を開けると、目の前には白い上質な革張りのソファーのような壁があった。アムロは無意識にその白いものに指を這わせた。
するとそれはピクリと蠢く。

「えっ?!」

アムロは一気に覚醒した。
慌ててその温もりから離れようとしたが、背中と腰に廻された物に動きを妨げられる。
仕方なくもそもそと顔を上げると、目の前に金色が広がった。
金色の髪に同色の眉毛と長い睫毛。すっと通った鼻梁にうっすらと開いた肉付の薄いピンク色の唇。
自分を抱え込んでいるのは昨日拾ってしまった男、クワトロだった。
アムロは半裸のクワトロの腕に抱きしめられて、ベッドの中に居たのだ。

「なっ!なっ!!」

アムロは驚きのあまり言葉が出ない。
金縛り状態の体をブルブルと震わせていると、金色の睫毛がピクンと動き、その下から青空が姿を見せた。
そしてそれはアムロを認めると、パサリと音がしそうな瞬きをしてから笑みに細められた。

「おはよう、アムロ」
寝起きの少し掠れ気味なバリトンが男の口から発せられた途端、アムロの金縛りは唐突に解けた。

「いっやぁ――――っ!!」

ドゲシッ

派手な音と共に男の姿がベッド上から消え、ドスンッと重たい物が落ちる音が床からした。
アムロが思いっきり男の腹を蹴り、胸を押したのだった。
「グゥッ!」
ベッドの脇から苦鳴が漏れたが、そんな事に同情する余裕はアムロには無い。
「何っ?何すんのよ!あんたわぁ― !!何で私がベッドであんたに抱かれて寝てるの?!夕べは…夕べは…」

怒りと恥ずかしさにワタワタしているアムロを尻目に、クワトロは蹴り落とされた床から起き上がると胡座をかいた。

「君が床に寝ているのを夜中に見かけてね。女性が体を冷やすべきではないと思ったので抱き上げて一緒に眠ったのだよ。そもそもこのベッドは君のものだろう?君が寝る事になんの不思議もないと思うのだが?」

乱れた金髪を掻きあげて額を露わにすると、クワトロは事も無げに告げた。そしてベッドの端に両腕を乗せると、その上にあごを預け、上目遣いでアムロの顔を見詰めた。顔を真っ赤にして上掛けを手繰り寄せて身体を隠し、ブルブルと震えているアムロが可愛らしく見えて、構いたくて仕方が無い。
「それにこの部屋は些か寒かったので、君を抱いて眠ったら快適だった。暖かさも柔らかさも…ね」

そう言うとクワトロはウインクをして見せた。
それがあまりに様になっているので、露わになったクワトロの顔に既視感を覚えていたアムロだったが、文句を言いかけた口をパクパクとさせるしか出来なくなった。