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バールのようなもの
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novelistID. 4983
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ノスが来たりてノスと書く

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独特の色調の中、映し出されたのは青空だった。
ぽつぽつと空に何か浮かんでいる。ピントが合う。凧だ。
カメラはゆっくり下に降りていって、一つの凧を捉えた。今、この部屋に置いてある洋凧だった。他の凧より一回りか二回り大きい。フラフラと低空を彷徨っている。
『不調だなあ、ノス号は』
カメラの近くから声がした。マイクとスピーカーを通して変調してはいるが、恐らく俺の声だろう。
『周りの小さいののほうが良く上がってるよ。だから言ったろー、小さいほうがいいって』
『だって、大たこあげ大会のすよ。一つくらい「大たこ」が無いと、おかしいだろわいよー』

もう一人の声。
特徴的な語尾。
「ノス」。

『だからその「大」ってのはさ、凧の大きさじゃないと思うんだよね……』
『あっ』
『どうした、ノス』
その声と同時に、ノス号が画面の上方へとフレームアウトした。
『すごい力で引かれてるのす、富樫くん!』
『風に乗ったんだ。大きい分、一度勢いがつくとすごいな!』
風の音が強くなる。二人はそれに掻き消されまいと大声で叫んでいる。
カメラがノス号を追い掛け、また画面の中心に捉えた。風を受けて翼をピンと張ったそれは他の凧を追い抜き、てっぺんでくるくる回っていた。
『やっぱり、大きいことはいいことのすね!富樫くん!』
『ああ、そーだなー!』