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バルタン星の人
バルタン星の人
novelistID. 38562
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絶対に笑ってはいけない宇宙警備隊24時 鬼ごっこ編

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鬼ごっこの空夢





グレンファイヤー「おーい、ゼロ〜?起きろ〜」

ラゴン(♀)ちゃん事件から1分後、口から泡を吹いて気絶しているゼロを、グレンファイヤーがゼロの身体を揺する。

ゼロ「…此処は、天国か?」

やがてゼロは目覚め、開口一番にこんなことを言った。

グレンファイヤー「此処は地獄だ、いろんな意味でな」

ミラーナイト「それにしても…随分長いキスだったね」

ゼロ「ッ!?」

ミラーナイトの言葉を聞いた途端、四つんばいになってうずくまるゼロ。

ゼロ「うえ〜…気持ち悪い気持ち悪い……」

グレンファイヤー「おいゼロ、ウルトラマンが戻すなんて国際問題だぞ?」

ナイス「そうですよ?」

プレッシャー星人「銀〇くらいやぞ?」

吐き気を催すゼロに向かって、グレンファイヤー等三人がしゃがみながら吐かないように促す。

ゼロ「…言っとくがあの野郎…律儀に舌まで入れて来たからな…」

四人「ッ!!」

ゼロの言葉に想像してしまったのか、今度は四人がうずくまって口元を押さえる。

四人「気持ち悪い気持ち悪い……」

ゼロ「…わかるだろ?」

ゼロは四人に向かって、同情の言葉を投げ掛けた。



ゼロ「もう来るなアイツ…来たらぶっ飛ばしてやる…」

五人は鬼への警戒心を怠ることなく、談笑を続けていた。

ピンポ〜ン♪

五人「ちょ!?」

普通のチャイムだが、それでも五人はお立ち台との距離を遠ざける。

しかし五人はあることに気が付いた。

ジャンボット「おーい、逃げるな。私だ」

現れたのは鬼ではなく、ジャンボットだったことに。

五人「ジャンボット!?」

五人はジャンボットの姿を確認すると、急いで彼の下へ駆け寄る。

ゼロ「直ったのか?」

ジャンボット「ああ、素晴らしい科学者のおかげでな」

グレンファイヤー「焼き鳥を直せるヤツなんかいたのかよ?」

ジャンボット「焼き鳥は止めろと言ったはずだ!」

ナイス「まぁとにかく、直ったからよかったじゃないッスか〜」

ナイスが冗談混じりにジャンボットのボディを軽く叩いた。

ジャンボット「!?」

すると突然、ジャンボットは叩かれた部分を押さえてうずくまった。

プレッシャー星人「どないしたん?」

ジャンボット「いや、あまりにも応急措置で修復されているから変に触らないでくれ…」

ジャンボットの言う通り、ボディのあちこちに裁縫で縫い付けられた後があり、なんだかぬいぐるみみたいになっている。

ミラーナイト「ずさん過ぎる…」

ミラーナイトがこう嘆いた直後だった。

?「ずさんとはなんだずさんとはぁ!」

六人「?」

急に腹の底から出してるような声が聞こえ、一同は声がした方向をみる。

グレンファイヤー「何だてめぇ?」

ヒカリ「私がジャンボットを修復した凶気のマッドサイエンティスト、ウルトラマンヒカリだっ!!フゥーハハハハハ!!」

白衣を身に纏い、高笑いをしながら厨二臭い自己紹介をしたのは、ウルトラマンヒカリだった。

ゼロ「そのネタは止めろッ!」

ボカッ!

ヒカリ「ぐふぅ!?」

ゼロがヒカリの自己紹介にヒステリックに反応し、ヒカリの顔面を思い切り殴った。殴られたヒカリはその場から倒された。

ヒカリ「…何故私は殴られたのだ……まさか、これも機関の陰謀…!」

ゼロ「いいから止めろぉぉぉ!!」

殴られても尚、厨二発言を繰り返すヒカリにゼロは更にもうそうウルトラセブンも納得のサッカーキックを繰り出した。

何故ゼロがこれ程までに反応するのか……それは中の人ネタだからである。



ジャンボット「…とまぁ、彼のおかげで私は無事に直ったというわけだ」

ヒカリ「フッ!未来ガジェットの力を使えば造作もないことさ……」

自らの修復の経緯を語るジャンボットの横で、カッコつけて左手を額に乗せるヒカリ。

ゼロ「……」

グレンファイヤー「ゼロ、抑えろよ?」

そんなヒカリを見て益々殴りたい衝動に駆られるゼロを、グレンファイヤーが何度かゼロの右手を押さえる。

ゼロ「スーパーハカーは黙ってろ」

グレンファイヤー「スーパーハッカーだろ…って何言わせてんだよ!?」

ゼロが振ったせいで、グレンファイヤーは思わず中の人ネタを使ってしまった。

ミラーナイト「まぁまぁ二人とも」

その間にミラーナイトが割って入り、二人をなだめる。

ヒカリ「ジャンボットはこれから地獄のミニゲーム…鬼ごっこに復帰だ!」

ヒカリがやたら誇張しながら、ジャンボットの復帰を宣言した。

ミラーナイト「ん?ということは……」

ミラーナイトの言葉を聞きゼロ、グレンファイヤー、ジャンボット、ナイスの四人は自然とプレッシャー星人に視線を向ける。

プレッシャー星人「な、なんやねん?」

対するプレッシャー星人は、何がなんだかわからず、困惑している。

ヒカリ「ジャンボットは復帰したことで、オカ〇イルの出番は終了だ!フゥーハハハハハ!!」

ケムール人「フォフォフォ…」

ヒカリが高笑いをした直後、彼の背後からケムール人がヌッと出てきた。

プレッシャー星人「なんやコイツは!?」

プレッシャー星人はケムール人の姿を見て、背中を向けて走って逃げ出した。

ケムール人「フォフォフォフォフォフォ」

一方ケムール人も、プレッシャー星人を笑い声のようなうめき声を上げながら走って追い掛けた。

プレッシャー星人「は、速っ!?」

プレッシャー星人は猛スピードで追い掛けてくるケムール人に恐怖した。

プレッシャー星人「た、助けてくれ〜!」

思わず近くにいる五人に助けを求める。しかし案の定五人は談笑をしながら聞こえないフリまでしていた。絶望にかられたプレッシャー星人はそのうち…走るのを止めた。

ケムール人「フォフォフォフォフォフォ…」

これ幸いとばかりにケムール人は頭部の触覚からプレッシャー星人に向けて液体を噴射した。

プレッシャー星人「か、身体が消える!?アカン!これはアカン!!」

もろに浴びたプレッシャー星人の身体は、頭から徐々に消えていった。

プレッシャー星人「うわあぁぁぁ……!」

やがて完全にプレッシャー星人は消滅してしまった。一方当の五人はというと……

ゼロ「あばよ!」

グレンファイヤー「もう来なくていいぞ?」

ミラーナイト「お疲れ様〜」

ジャンボット「私の代役乙」

ナイス「オカ〇イルとか頑張ってね〜」

呑気に手を振って別れを惜しんで(?)いた……



ジャンボット「それで、私がいない間にどんな鬼がきたんだ?」

あの後ケムール人とヒカリも退場し、鬼ごっこは再開した。
ジャンボットは自分が修理されている間に何があったのか四人に尋ねた。

ゼロ「…う…気持ち悪い……」

しかしゼロがあの悪夢を思い出して吐き気を催してしまい、同時に三人も気分が悪くなってきた。

ジャンボット「…敢えて聞かないことにしておこう」

ジャンボットはそんな四人を見て、空気を読んでこれ以上聞かないことにした。

プシュー!!

五人「こんな時に来んなァァァ!!」

神出鬼没、お立ち台から煙が噴射され、鬼が現れた。

ツルク星人「百鬼夜行をぶった斬る!」