絶対に笑ってはいけない宇宙警備隊24時 帰還編
この隊員証、一見すると普通のモノで、開けるとちょうど名前の主の顔写真が見えるのだが、引き出しに入っていたジャンボットの“だけ”顔写真が何故かグリッドマンになっているのだ!
グレンファイヤー「どうだ?何か仕掛けはあったか?」
自分の隊員証に何も仕掛けがないことを確認し、グレンファイヤーは他の四人に問い掛けた。
ゼロ「俺にはなかったな」
ミラーナイト「同じく…」
ナイス「右に同じッス」
ジャンボット「………」
三人は特に何も変わっていないことを報告したが、ジャンボットだけが黙っている。そう、彼は見てしまったのだ。グリッドマンの顔写真を…
ナイス「どうしたんですか?………フッフフフwww」
沈黙しているジャンボットが気になったのか、ナイスが背後からヒョイと覗き、顔写真を見た直後に笑ってしまった。
デデーン
『ナイス OUT』
スパン!
ナイス「イダッ!」
ゼロ「おぉ、クリーンヒット」
グレンファイヤー「おいおい、何かあったのか?」
グレンファイヤーの問い掛けに、ジャンボットは黙ってナイス以外の三人に顔写真を見せた。
ゼロ「誰だコイツ?」
ミラーナイト「さぁ…」
グレンファイヤー「とりあえずお前の顔写真だけ別人になっていたのか?」
ジャンボット「そうだ…」
グリッドマンを知らない三人の反応は、あまりにも冷やかだった…
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グレンファイヤー「残るはゼロだな」
ゼロ「よし!さっさと開けて終わりにしてやるぜっ!!」
トリのゼロは、勢いよく引き出しを開放した。
そして入っていたのは……
ゼロ「はい来たリモコン!」
テレビのリモコンだった。
グレンファイヤー「勘弁してくれよ…」
ミラーナイト「嫌な予感しかしない…」
ジャンボット「全くだ」
ナイス「さっきもありましたからね…」
リモコンを見るなり表情が曇る四人。
ゼロ「ポチッとな」
だがゼロは、あっさりとリモコンでテレビをつけた。
四人「オイィッ!?」
四人が絶叫するのも無理はない。
ゼロ「面白そうじゃないか?」
グレンファイヤー「そんな問題かよっ!?」
軽く考えていたゼロだったが、この後、まさかの映像トラップに、五人の尻は大きなダメージを負うことに……
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“絶対に笑ってはいけない宇宙警備隊24時”!ここまでの3つの出来事!!
1つ!
鬼ごっこが終了し、五人は再び笑ってはいけないを再開された!
2つ!!
疲れた五人の前に、容赦なく仕掛けが襲い掛かる!!
そして3つ!!!
引き出しの中から現れた怪しいテレビのリモコンを、ゼロが押してしまった!!!
カウント・ザ・ヒット!!現在、五人が尻をしばかれた回数は…(鬼ごっこ中にうけた罰を除く)
ゼロ:51回
グレンファイヤー:54回
ミラーナイト:39回
ジャンボット:41回
ナイス:45回(※80達から受けた45回を加えるとダントツトップ)
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ピッ
ジャンボット「この愚か者ォォ!何故リモコンを押したァ!?」
リモコンでテレビの電源を点けたゼロに向かって、ジャンボットが何処かのボスみたいな怒号をあげた。
ゼロ「面白そうだったから…て言うか興味津々?」
それに対してゼロはまた何処かのボケを使ったので、ジャンボットの怒りを更に強める結果になった。
ナイス「あの〜、始まりましたよ…?」
申し訳なさそうに言うナイス指差す先には、何かの番組がスタートしていた。
『我が宇宙警備隊では、単に全宇宙の平和の為に戦うのではなく、怪獣や宇宙人たちのお悩み解決にも力を注いでおります。それが、宇宙警備隊相談センターです。今回は、相談センターに所属する隊員、“ジョニー小東”の活躍を見てみましょう!』
映像で紹介された、“ジョニー小東”とは、ウルトラマンジョーニアスのことである。しかし出身地が違うせいか、ナイス以外の四人はまったく気にしていなかった。
グレンファイヤー「……何だこりゃ?」
ミラーナイト「油断しない方がいいと思うよ?」
想像していたのと違い、かなりのほほんとした映像に、グレンファイヤーは唖然としていたが、ミラーナイトは警戒心を強める。
結果として、ミラーナイトの考えはまことに正しいことになる。
映像が切り替わり、電話が置いてある座席に座るジョニー小東ことジョーニアス。
プルルル…
電話が鳴り、すぐに手に取るジョーニアス。
ジョーニアス『はい、こちら宇宙警備隊相談センターです』
丁寧な口調で挨拶するジョーニアス。
ネルドランド『あの…防衛軍の電磁シールドに引っ掛かっちゃったんですけど……』
相談の内容を聞き、暫し考え込むジョーニアス。
ジョーニアス『はいげ、源氏シールドですね?』
ゼロ「ブーッ!」
グレンファイヤー「プッハハハwww」
予想外の間違いに、二人が吹き出してしまった。
デデーン
『ゼロ グレンファイヤー OUT』
二人が罰を受けている間に映像は一時停止した。
スパン!×2
ジャンボット「何者だ彼は?」
ナイス「まさか…おバカキャラ?」
ミラーナイト「その可能性が高いよ…」
一方、笑わなかった三人は、このトラップの中身を分析していた。
グレンファイヤー「お前らよく平気だな…」
痛みが残る尻をさすりながら、うずくまっていたグレンファイヤーとゼロが立ち上がる。
ジャンボット「ツボに入らなかっただけだ」
ジャンボットはグレンファイヤーの問いに淡々と答えた。
しかし止まっていた映像トラップはそんな会話を遮るように再生を再開させた。
ジョーニアス『はいげ、源氏シールドですね?』
ゼロ「ここからか……」
ゼロとグレンファイヤーは必死に笑いを堪えた。
ネルドランド『違うよ!電磁シールドだよ!』
ジョーニアス『て、点字シールド?』
グレンファイヤー「……」
ゼロ「耐えろ…耐えろよ…」
最早凄まじい間違いで、普通なら爆笑していてもおかしくない。しかし、今は笑ったら某地獄の兄弟から因縁をつけられるよりも、痛い目に会うことになっている。
五人は感情を封じ込めることが、これ程にまで辛いことだと言うことをスタート時から思い知らせられていた。
ネルドランド『だ・か・ら!電磁シールド!』
ジョーニアス『え、A・Tフィールド?』
五人「フッフフフwww」
まさかの斜め上からの奇襲に、五人は堪えることが出来なかった。
デデーン
『全員 OUT』
スパン!×4ドガシャ!!
ジャンボット「ぐ…まさか…エ〇ァからとは…」
ナイス「逃げちゃダメだ…逃げちゃダメだ…」
グレンファイヤー「止めろ…また笑いたくなるから」
ゼロ「あのバカ野郎…」
ミラーナイト「バ、バカヤロウ!!」
ナイス「プッw」
デデーン
『ナイス OUT』
スパン!
ナイス「ちょ、よりによって…」
ナイスには、予想外の事態だった。
普段はあまりボケをかまさないミラーナイトが、某アニメのキャラの台詞を喋ったからだった。
ミラーナイト「テヘペロ♪」
ゼロ「フッw」
再び発したボケに、今度はゼロが吹き出した。
デデーン
『ゼロ OUT』
スパン!
作品名:絶対に笑ってはいけない宇宙警備隊24時 帰還編 作家名:バルタン星の人