絶対に笑ってはいけない宇宙警備隊24時 帰還編
夜のダークマター
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カチャ
メビウス「皆さ〜ん、お久しぶりです!」
“ジョニー小東”の攻撃(?)により、絶望に沈んでいた五人の前に現れたのは、久しぶりの登場のメビウスだった。
ゼロ「メビウス、お前今までどこにいたんだ?」
メビウス「さぁ?そしてヒマか?」
ジャンボット「お前は何を言っているんだ…」
メビウス「それより皆さん!晩御飯の時間ですよ?」
そう言ってメビウスが引っ張って来たのは、晩御飯らしき物五品だった。
らしき、というのは、五品すべてに蓋がしてあり、中身が見えなくなっていたためだった。
グレンファイヤー「おぉ、ちゃんと五品あんのか〜」
ミラーナイト「ということは、誰かがハブられることはない…って解釈でいいのかなぁ?」
ナイス「ミラーナイトさん、それカ◯ザですよ…」
メビウス「さぁ、皆さん召し上がってください!」
五人「よっしゃ〜」
メビウスの一言に、五人は今すぐにでも食い付きそうになった。しかし…
メビウス「…ってそんなに甘くいくと思ったら、大間違いだ!」
五人「…だと思った…」
メビウスのドスの効いた宣言は、五人に対してウケなかった。しかしメビウスは気にせず続ける。
メビウス「今からゲームを始めます!勝った順から料理を選んでいただきます!」
グレンファイヤー「結局こうなんのかよ…」
ゼロ「でもいいじゃねぇか、全員食べられるんだしよ」
ジャンボット「それもそうだが…」
という訳で、五人はゲームの準備を始めた。
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メビウス「それでは、ゲームの説明をしましょう!」
五人「ハイハイ…」
メビウス「ルールは簡単です。そのゲームには、三つの攻撃手段があります!“岩”“刃”“突風”です!」
五人「…?」
メビウス「岩は刃に勝ち、刃は突風に勝ち、突風は岩に勝ちます!」
やたらと迫真の表情で語るメビウス。しかしゲームの正体はもう読者諸兄にはお分かりだろう。
ゼロ「なぁメビウス、もしかしなくてもそのゲームってのは…」
メビウス「そうです!かつて大昔の戦争の終結の切っ掛けにもなった神聖な遊び…“邪無拳”です!!」
ゼロ「何じゃそりゃぁぁぁ!」
四人「フフフ…www」
メビウスのボケにゼロはキレ、他の四人は小笑いした。
デデーン
『ミラーナイト グレンファイヤー ジャンボット ナイス OUT』
スパン!×3ドガシャ!!
ゼロ「なーにじゃんけんごときでスケールでかくなっちゃってんの!?なんかあたかも何処かの拳法みたいになってるし!」
メビウス「ダメだぁぁぁッ!!」
五人「!?」
ゼロのマシンガンのようなツッコミに、今度はメビウスがキレた。
メビウス「邪無拳舐めんじゃねーぞ!?3つの力を心に感じ、3つの力を手にすることって教科書に書いてあったよね!?」
ゼロ「なーに獣拳みたいな説明やってんの!?相対する二つの流派でもなんかよ!?」
メビウス「ありますよ!」
ゼロ「あんのかよ!?」
メビウスの即答に、思わずずっこけそうになるゼロ。一方の四人は黙ってゼロとメビウスのやり取りを観賞していた。
メビウス「“最初はグー派”と“最初はシーサー派”ですよ!!」
ゼロ「オイ!ガレ◯ジ◯ールが含まれてんぞ!?あの二人流派作ったんかい!?」
メビウス「あの二人は、伝説的な邪無拳の使い手として世界的にも有名な方々です!!」
ゼロ「少年マンガでよくある超えるべき壁みたいな設定だぞ!?なにおいしいポジション手に入れてんのあの二人!?」
メビウス「同時にゴリさんは、腕毛神拳の使い手でもあるんです!!」
ゼロ「ゴリ、ボー◯ボの世界に進出かよー!!」
四人「アッハハハwww」
デデーン
『ミラーナイト グレンファイヤー ジャンボット ナイス OUT』
ゼロ「てめえらも笑ってないでツッコメよ!!」
ゼロとメビウスのやり取りを、最早観客と化して見ていた四人にゼロが噛みついた。
グレンファイヤー「お前のツッコミがおもしれんだよwww」
ジャンボット「まるでマンガを見ている気分だwww」
ナイス「同意見www」
ミラーナイト「スマソwww」
ゼロ「もういいよ!てめえら尻でも叩かれてろ!」
スパン!×3ドガシャ!!
メビウス「ちなみに私は…“最初はグー派”です。だからシーサー派とは敵対関係に…」
ゼロ「結局争いかよ!」
メビウス「でもグー派にも心強い方々がいます!赤竜拳の使い手でもある天火星 亮さんが…」
ゼロ「ダ◯レンジャーじゃねぇかよ!あれか?ゴーマと戦っているのか?ギョーザ作って!」
メビウス「な、何故それを…!」
ゼロ「正解なのかよ!」
メビウス「まさか、貴方は伝説の邪無拳マスター!?」
ゼロ「マスターになった覚えなんかねぇよ!!」
メビウス「さぁ、他の皆さんもマスターを見習って邪無拳を!」
ゼロ「無理矢理まとめやがったよ!つーか投げやりだよ!」
ゼロとメビウスのやり取りは、無理矢理幕引きとなった。
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五人「最初はグー…」
五人「じゃんけんぽい!」・
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グレンファイヤー「よっしゃあ!俺はコレをいただくぜ?」
ミラーナイト「じゃあ…コレにしよう」
ジャンボット「私はコレだ」
ナイス「我輩はコレナリよ」
ゼロ「ちっ…ビリかよ…」
メビウスが去ってから、五人は晩飯を賭けた邪無拳…もとい、じゃんけんを始めた。結果はグレンファイヤーが一番乗りで、ミラーナイト、ジャンボット、ナイスと抜けていき、ゼロはビリという結末だった。
グレンファイヤー「おいおい、伝説的な邪無拳マスターはどうした?」
先ほどまで繰り広げられていた、ゼロとメビウスのやり取りを聞いていたグレンファイヤーは、早速ゼロをいじり始めた。
ゼロ「だから俺はマスターじゃねぇっつうの!」
ナイス「とにかく、どんな料理なんですかね〜♪」
ミラーナイト「何も起きなければいいけど…」
自分達の席に座り、ゲッチュした料理を見つめる五人。ナイスに至っては口元からよだれを垂らす始末だった。
グレンファイヤー「んじゃ、先に俺から開けさせてもらうぜ?」
そう言う時点で、既に蓋を半分開けているグレンファイヤー。
わき出た湯気に益々テンションが上がり、グレンファイヤーは勢いよく蓋を開けた。
だが……
グレンファイヤー「ぎやぁぁぁ!!」
突然事務室内に、グレンファイヤーの悲鳴が響きわたった。
ジャンボット「なんだなんだ?どうしたのだ?」
悲鳴で鼓膜が破れそうになった四人だが、すぐにグレンファイヤーの下へ急行する。
ナイス「あっ」
そして、すぐに異変に気が付いた。
ミラーナイト「そ、それって…」
グレンファイヤー「あ、あぁ…そうだ…」
憔悴したグレンファイヤーの声、料理には“目玉焼き”と書かれた小さな立て札が刺さっていた。しかし、目玉は目玉でも……
ゼロ「ガンQかよッ!?」
ガンQのでかい目玉が丸焼きになった、“目玉焼き”だった…
五人「……」
余りにも凄惨な光景に、五人は黙ってしまった。
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ジャンボット「ちょっと待て…まさか他の料理も!?」
作品名:絶対に笑ってはいけない宇宙警備隊24時 帰還編 作家名:バルタン星の人