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バルタン星の人
バルタン星の人
novelistID. 38562
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絶対に笑ってはいけない宇宙警備隊24時 帰還編

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ミラーナイト「その可能性は大だね…」

ナイス「あわわわ…」

ゼロ「なんてこったい…」

席に戻った四人が、すぐさま自分たちの料理も疑うのも無理はなかった。

グレンファイヤー「…」

グレンファイヤーはまだ、目玉焼き(笑)を見つめて黙っている。

ゼロ「…おいナイス、お前から開けろ」

ナイス「えぇっ!?」

当然の流れである。(キー◯ン◯田風に)

ミラーナイト「ナイス、勇気を出すんだ!」

ジャンボット「キミが本当のヒーローになるチャンスだ!」

ナイス「だから何で!?何でボク!?」

リアクションが見たいからである。(キー◯ンry)

ゼロ「早くしろ!終わんねぇだろ!?」

ナイス「えぇぇ……」

三人に睨まれ、四面楚歌の状態に陥ったナイス。全身から変な汗を出しながら、おそるおそる自分の料理の蓋を開けようとした時だった。

バタッ

四人「へ?」

聞き覚えのない音が聞こえ、間抜けな声をあげた四人は一斉に音がした方向へ振り返った。

ミラーナイト「な…!」

ゼロ「グレンファイヤー!?」

そこには、椅子に座ったままうつ伏せで倒れているグレンファイヤーの姿が、そして彼の右手には“何か”が僅かに刺さっているフォーク。それが何であるか、四人は目玉焼き(笑)が少し欠けていることで知った。更にグレンファイヤーが何故倒れているのかも気が付いた、気が付いてしまった。

ジャンボット「まさか…口に入れるとは…」

ゼロ「こんなよくわからないヤツを…」

ミラーナイト「…南無三」

ナイス「タスケテーヒトガーシンダー!」

三人「…」

ナイス「Σ(゜д゜;)」

ナイスの不謹慎なギャグに、三人はこわいかおをし、ナイスの素早さはがくっと下がってしまった。

ゼロ「ナイス、今度こそ決まった…開けろ」

ナイス「は、はい…」

ナイスはもう、言い返すことができなかった。



ナイス「…開けます」

ナイスが再びおそるおそる蓋を開け始める。

三人「…」

ナイス「…あの〜、せめて何か言ってくださいよ…(泣)」

しかし三人はまだ黙っている。(グレンファイヤーは気絶中)

ナイス「(…もう、どうにでもなれ!!)」

三人が反応しないことでヤケクソになったナイスは、目を瞑って素早く蓋を開けた。もっとも、さきほどくらったこわいかおの影響で素早さはがくっと下がっているが。

ナイス「(…)」

蓋を開けた。しかしナイスは目を開けようとはしない。

三人「アッハハハ!!www」

デデーン

『ゼロ ミラーナイト ジャンボット OUT』

スパン!×2ドガシャ!!

ナイス「(!?)」

どうしようかと迷っていた時に、なんとさっきまでこわいかおをしていた三人が爆笑して罰を受けているではないか。しかも何やら旨そうなにおいがする。これに釣られたナイスは目を開けた。すると…

目の前に置いてあった料理には『ユリアンのLOVE!!オムライスですの!!』とアイタタな文字がケチャップでデカデカと描かれ、よく見ると『ユ◯キー、ユ◯キー、ユ◯キー、ユ◯キー、ユ◯キー…』と謎な単語の羅列もケチャップで隅に小さく描かれていたオムライスだった。

ナイス「プッハハハwww!!」

笑わずにはいられなかった。

デデーン

『ナイス OUT』

スパン!



ナイス「旨い!」

満面の笑みを浮かべたナイスは、あっという間にオムライスを平らげた。

ミラーナイト「どうやら、まだマトモな料理もあるみたいだね」

ジャンボット「だろうな…」

ゼロ「喉渇いたから水持ってくる…」

ナイス「あ、僕らのもお願いしま〜す」

ナイスの注文に渋々了承したゼロは、向かい側に置いてある水が入っているポットに向かった。

隣に積んであった紙コップを五つ取り、さぁ水を出そうとしたところで、ゼロはあることに気が付いた。

ゼロ「…!?」

ポットに貼ってあった紙に目がいった。その紙にはこう書かれていた。

『天然!ドリームギラス&レイロンスの体液入り!!』

ゼロ「(何じゃこりゃぁぁぁッ!!)」

心の中で大きな声をあげたゼロ。

ゼロ「(何だよコレ!ふざけてんのか!?)」

ゼロは『ウルトラマン列伝』の司会を担当している。そこではまだ見ぬ別世界のウルトラマンや怪獣たちも登場するため、ゼロはかなり勉強をしてきた。そのためこの貼り紙が一体どういう意味なのかもすぐさまわかった。

ゼロ「(嫌な予感しかしないんですけど!?ドリームギラスとかマジ勘弁してほしいんですけど!?)」

頭を抱えるゼロ。すでに一人の世界に入ってしまっている。

ゼロ「(ヤベェよ!飲んだら絶対マズイよ!もう何も怖くないとか言ったそばから頭食われるみたいな結末になるよコレ!)」

軽いパニックに陥ったゼロ。しかし、かつてやんちゃだった人物は、同時にあることを思い付いたのだった。

ゼロ「(待てよ、この水のことはまだ俺にしかわかっていないはずだ…そうだ!俺は飲まずにあいつらが飲んでどうなるかを見ればいいんだ!!)」

チラッと後ろを見るゼロ。幸いまだ気絶しているグレンファイヤーを除いた三人は談笑を始めている。
ここでゼロは“いける”と確信した。そして手早く水(?)を紙コップの中へと注ぎ、何事もなかったかのように持って行った。

ジャンボット「遅かったな」

ゼロ「いやな、水が中々出なくてな…」

ジャンボット「そうか…」

テキトーに誤魔化すゼロ。

ナイス「ゼロさん、次は貴方が開けてくださいよ〜」

自分が無事な料理にだったのをいいことに、調子に乗り出すナイス。

ゼロ「……」

それに対して、黙ってナイスを睨むゼロ。同時に“アイツはやくこの水(?)飲まねぇかな”とも思った。

ミラーナイト「心配ないよ、もう開けている」

三人「?」

不意に発したミラーナイトの声に、思わず三人が覗き込む。

其処には、ミラーナイトがすでに蓋を開けて料理を露にしていた。
見た感じは、普通の牛丼だった。

ナイス「な、なんだ〜ミラーナイトさんのも普通の料理じゃないですか〜」

ミラーナイト「うん。逆にあまり面白くないけどね…」


ジャンボット「よいではないか」

ゼロ「あぁ、とっとと食っちまえ」

ミラーナイト「じゃあ、お言葉に甘えて…いただきます」

ミラーナイトが箸で牛丼を一口。しばらく噛んでいたが、異変は突然起こった。

ミラーナイト「…!?おわぁぁぁぁぁぁ!!」

突如野獣のような咆哮が響いたかと思うと、ミラーナイトは椅子から倒れ、全身をピクピク痙攣させた後に気絶してしまった。

ゼロ「ミラーナイト!?」

ナイス「ちょっ、大丈夫ッスか!?」

ジャンボット「…ダメだ、気絶している…」

ゼロはすかさず、ミラーナイトが食べた牛丼に目をやる。そして自分の箸を取り出して、一口パクリと行った。

ゼロ「…!」

ゼロは、ある注意書を見つけた。其処には、“激辛!!タバスコ仕込み牛丼!!”と小さく書かれた文字が…

ゼロ「うわぁぁぁぁぁぁ!!」

読み終わったと同時に、ゼロの口内を辛味が支配した。

ナイス「ゼロさんまで!?」

ジャンボット「なるほど…激辛牛丼だった訳か…」