絶対に笑ってはいけない宇宙警備隊24時 風呂・深夜編
突如として放たれた放送禁止用語に、四人は腹筋を爆発させた。
デデーン
『ミラーナイト グレンファイヤー ジャンボット ナイス OUT』
スパン!×3ドガシャ!!
四人が罰を受ける中、終始怒りのオーラをみなぎらせながらこう呟いていた。
ゼロ「…このクソ親父…!」
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─此処は、宇宙警備隊本部の中にある大浴場。パトロール等の勤務を終えた隊員達の多くが、此処で疲れを取っているんDA。
専門的な説明はともかく、内部のデザインは地球にある温泉をモチーフにして、男湯、女湯にそれぞれ百名以上の隊員が同時に入れるという、とても広い構造になっているんDA!
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ナイス「いやぁ〜極楽極楽♪」
ガチムチなレスリングの仕掛けを突破(というよりは、あの後グレート等が急に迫って来た為、猛ダッシュで一時撤退する騒ぎとなったが)した五人は、軽く身体をシャワーで洗い、湯船にゆっくりと浸かった。
地球の温泉を知るナイスが、久しぶりの温泉ということもあって一番テンションが高かった。(しかし、うっかり笑顔を見せると痛い目に会うので、無表情で極楽を語るという中々シュールな光景になっている)
ミラーナイト「これが地球の温泉…とても気分がよくなります」
グレンファイヤー「だな」
ゼロ「親父から聞いた通りだ。とても気持ちいいぜ」
三人は初めての地球の温泉(によく似た湯船)に、満足といった様子だった。
しかし、四人はすぐとなりで湯船に浸かっているジャンボットに視線を合わせようとしない。
何故なら…
ジャンボット「……」
本来ロボットもとい、鋼鉄の武人であるジャンボットが風呂に入っているという、↑のシュールさをはるかに上回る光景になっているのだ。
グレンファイヤー「…なぁ、無機物のお前が何でわざわざ風呂にまでついてきたんだ?錆びないのか?」
ジャンボット「…大丈夫だ、私はこの程度、どうということはない…」
グレンファイヤーの真っ当な問いに答えるジャンボットの声は、心なしか若干弱々しい。
ゼロ「じゃあついてきた理由は?」
ジャンボット「…」
ジャンボットがぼそぼそ答える。
ゼロ「聞こえないぞ?」
ジャンボット「……だったんだ…」
ゼロ「あぁ?」
ジャンボット「ぼっちが嫌だったんだ!笑いたきゃ笑え!!」
四人「ハッハハハ!!www」
遠慮なく笑う四人だった…
デデーン
『ゼロ ミラーナイト グレンファイヤー ナイス OUT』
因みにここは大浴場だが、それでも構わずダークロプス達が駆け足で現れた。
ゼロ「来んのかよ!?」
スパン!×4
心地よい快音が、静かな大浴場中に響き渡った。
役目を終えたダークロプス達。急いで戻って行ったが案の定、
ステン!
最後尾にいた一体がわざとか偶然かザ・ネクストの如くスッテンコロリンした。
ゼロ「フフフwww」
グレンファイヤー「クッwww」
この二人が笑うのは最早恒例になっていた。
デデーン
『ゼロ グレンファイヤー OUT』
スパン!×2
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ゼロ「ったくあのダークロプスめ…タイミングよく転びやがって…」
ミラーナイト「まさに偶然の悲劇…」
ナイス「それにしても…静かですね〜」
ナイスの言う通り、現在大浴場にはゼロたち五人しかいない。
グレンファイヤー「いいじゃねぇか、人目も気にする必要ねぇし」
ジャンボット「それもそうだな…」
五人はこの状況を実質的な貸し切りと結論づけてゆっくるすることにした。
…と、思いきや!
大浴場の入り口から、ワイワイガヤガヤと話し声が聞こえてきた。
ゼロ「…言ってるそばから団体客が来たぞ?」
ミラーナイト「別にいいんじゃない?」
とりあえずスルーすることに決めた五人。
そうこうしているうちに団体客が入って来た。
?「いやぁ、あのマッサージ店はダメだな!」
?「何故だ?」
?「あのマッサージ師のヤツ、余計なことを喋ってマッサージの手が止まるんだよ!」
?「それはダメだな!」
?「私にいい考えがある。今度異次元にいる知り合いのマッサージ師を紹介しようか?」
?「頼む」
ゼロ「…?」
団体客の一人が言った“異次元”の単語に、ゼロがにわかに反応する。
グレンファイヤー「どうした?」
ゼロ「いや、まさかとは思うんだが…」
そのまさかだった。
ゼロたちが入浴していた浴槽の目の前に立つ団体客は…
デスレム「湯加減もよさそうだな」
巨大ヤプール「グローザム、お前は大丈夫なのか?」
グローザム「俺は不死身のグローザムだぞ?こんなお湯程度では…」
メフィラス「ならよし。入ろう」
ゼロ&ナイス「(暗黒四天王!?)」
ミラーナイト「二人ともどうしたんだい?まるで恐ろしいものでも見たかのような表情をして…」
暗黒四天王など知らないアナザースペース出身の三人には、当然ながらゼロとナイスの二人が戦々恐々としている理由が全くわからない。
ゼロ「あ、あのな、あいつらはかつてこの光の国を襲撃したエンペラ星人の配下…暗黒四天王だ!」
ナイス「右から邪将の巨大ヤプール、謀将のデスレム、豪将のグローザム、知将のメフィラスです!」
本人は小声で言ってるつもりのゼロとナイスだが、明らかに暗黒四天王にも声が聞こえている大きさの大声でペラペラ喋っている。
グローザム「なぁ、ペラペラ言ってくれてんなぁ?」
五人「あ」
巨大ヤプール「!貴様らはウルティメイトフォースゼロ!…とプラス誰?」
間の抜けた声でナイスを指差す巨大ヤプール。
ナイス「え?」
四人「フフフ…w」
四人が思わず失笑する。
デデーン
『ゼロ ミラーナイト グレンファイヤー ジャンボット OUT』
スパン!×3ドガシャ!!
ナイス「ひどい…」
デスレム「此処で会ったが百年目!地獄に送ってやる!」
メフィラス「……」
三名が鼻息を荒くする中、メフィラスだけはいかにも知将の雰囲気を醸し出しつつ一歩引いて傍観を決め込む。
グローザム「呑気に風呂なんか入りやがって!貴様らを氷のベッドでおねんねさせてやるわ!」
巨大ヤプール「マ◯ー空間…じゃなかった、異次元空間に引き摺り込んでやる!」
ヤプール、再び間の抜けた声を出す。
ゼロ「フッw」
それに安定のゼロが釣られる。
デデーン
『ゼロ OUT』
スパン!
ゼロ「イデッ!」
デスレム「暗黒四天王の栄光!この俺のプライド!この俺がやらせはせん!やらせはせんぞぉぉぉ!!」
グレンファイヤー「おもしれぇな!やってやろうじゃねぇか!?」
ジャンボット「君たちはこの大浴場に相応しくない…!そうとも、万死に与する!!」
ミラーナイト「大浴場で戦うなんて…だがヤプールたちが相手なら話は別!」
ナイス「プラスαだなんて言わせない!」
ゼロ「ったく…結局こうなんのかよ…」
ゼロたちも立ち上がり、お互いにファイティングポーズを取る。
一触即発の状況となった。
…と再びその時!
?「待ちなさぁぁぁい!!」
物凄く威厳のある声が、大浴場に響き渡った。
ゼロ「なっ、何だ!?この威圧感は…」
巨大ヤプール「あの声は…」
作品名:絶対に笑ってはいけない宇宙警備隊24時 風呂・深夜編 作家名:バルタン星の人