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君を守る

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十章



「なるほどな、そういう事だったのか。」
ボッスンはゴーグルを外しいつものポジションに戻した。
桜の話を聞いている間、ボッスンは得意の集中をしていたのだ。
「桜さんの家の郵便受けに花を入れたのはお前だな。」
男を一瞥する。
「そして桜さんをつけていたお前は、桜さんが自分の贈った花を椿にあげているのを見た。
 自分の気持ちがこもった花を他の男に差し出した桜さんをお前は許せなかったんだな?」
「それであんな写真を桜さんに送りつけたわけやな。」
「そう、そして今日も同じように再び花を椿に贈っているのを見て・・・、
 お前は逆上した。」
ボッスンの言葉にがくんとうなだれる男。
「桜さん、どうしてそんなガキに花を贈るんだ。
 君にとって花は大好きなものだろう?
 それをそんな子供に・・・。」
悔しそうに俯いて話す。
泣いているようだ。
それを見た桜はゆっくりと男に近づいていく。
「桜さん、危ないです。」
椿がそれを止めようとするが、桜はゆっくりと頭を振り
「ちゃんと謝らなくちゃ。」
と言った。
傍に行き、しゃがんで男と目線をあわせる。
「ごめんなさい。あなたの気持ちに気づけなくて。
 あの花はあなたの思いが込められていたのね。
 それを分からず、ひどいことをしました。
 ありがとう、気持ちは嬉しいです。
 でも、あなたの気持ちに私は答えることができません。」
桜は凛と通る声でハッキリと伝えた。
そして立ち上がると深々と頭を下げる。
「あ、あ、あああぁぁぁっ。」
男は泣き崩れた。
その時、今度は椿が男に近づく。
「お前も謝れ。
 お前のしたことは最低の行為だ。
 ましてや、好きな女性に対してすることではない。
 女性は守るものだ。
 傷つけるものではない。
 好きな女性を守ってこそ己の気持ちは伝わるんだ。
 そんなことガキの僕でもわかる!」
椿はこぶしを握り締め男を諭す。
男は椿を見つめ歯を食いしばり、
「すいませんでした。」
と嗚咽交じりに言った。

作品名:君を守る 作家名:nanao