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夢、覚めて

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風呂に入って、そのあと鍛錬をしようとした文次郎は荷物を置きに一旦部屋に戻った。
「長次、小平太いるか?」
その途中ろ組の小平太たちの部屋に明かりがついているのに気付いた文次郎はその襖をあけた。
「あ、文次郎帰ってたんだ、お帰り」
「おう。今から鍛錬行くが、どうする?」
文次郎の問いかけに小平太と長次は顔を見合わせる。
時たま、例えば試験前の時などは長次の強制試験対策が行われるため無理なのだが、九割九分の確率で小平太は行くというのが常だ。
しかし、二人は顔を見合わせてから文次郎に首を振った。
「今日はいいや」
「また、今度」
思わずなぜ、と口をつきかけたのだが、思いとどまる。そういうときも偶にはあるさ、と自分に言い聞かせようとしたが小平太のほうが一瞬早かった。
「明日の朝一番に食堂に行かないと、天女様とお話しできないからな」
「ああ」
「あっ、文次郎は天女様に会ったか? すっごく綺麗な人なんだぞ。ああ、でも会ってないほうがいいな。だって皆あの人が好きだから、好敵手になったら困る。夕餉の時もすごかったんだ。だから明日の朝餉には早くいかないと」
にこにこと笑う小平太の隣で同意するように長次が頷く。文次郎は何かを言おうと口を開いて、そうして閉じた。
「そうか、じゃあまた明日」
「おう、お休み文次郎」
「おやすみ」
ぱたん、と最新の注意を払って文次郎は襖を閉めた。そうしないと力任せに閉めてしまいそうだったからだ。
文次郎は首を振って廊下を歩き出した。

作品名:夢、覚めて 作家名:まどか