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『仮面ライダーW』-Another Memory-

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お約束の様に空気を読まない壮年会社員が速人に詰め寄るも、別の角度から来たマスカレイド・ドーパントにボディブロウを食らって沈黙させられた。
速人は気絶した壮年会社員に視線を一瞬移すが、飛び蹴りを食らわしたマスカレイド・ドーパントがパンチを繰り出して来た為、それを捌く為に意識を戻す。

「チッ!重ぇな畜生!」

顔面に当たる直前の拳を、脇を閉めた右腕を使い受け流す速人。
だが、拳の力が予想以上に重く、身体全体を使って捻る様に受け流した為、立ちながら半回転してマスカレイド・ドーパントの背後へと移動した。
多少体制が崩れたが、速人は一瞬でそれを立直して、がら空きになった側頭部へと右足を叩きこむ。

―バシィィ!

叩き込んだ足に確かな手応えを感じると、流石のマスカレイド・ドーパントも首を吹き飛ばされ地に転がり崩れる。

「おし!」

空手の構えに似た体制を取り、残心しながら声を上げる。
だがそこへ別のマスカレイド・ドーパントが前蹴りを放ってきた。
残心が役にたったのか、速人はそれにも反応して腕を交差させて腹を防御する。

だが、現在だ相手の強さを測りかねている速人の予想を上回る前蹴りは、踏ん張る速人を軽々と蹴り飛ばした。

身体を浮かされた速人は、そのまま先程まで居た食堂の脇道に吹き飛ばされる。
路地へと吹き飛ばされた速人は、壁際に積まれていたプラスチック製の黄色い箱、恐らくビール瓶を入れる箱に激突し、そのまま積まれた複数の箱に埋もれてしまった。

速人を蹴り飛ばしたマスカレイド・ドーパントはそれに満足したのか、路地へと姿を消した速人には興味を無くして別の人間へと襲いかかっていく。
驚いた事に、速人がコレほど大立ち回りをしたにも関わらず、現在だ通行人は撮影でも見学する様に群がっていたのだ。

(イテテ…、チキショウ、あんなに鍛錬したのに、本物には敵わねぇのかよ…しかも只の雑魚戦闘員にだぜ?これで怪人でも出て来たら、俺ソッコーで殺されんじゃね?)

新たに聞こえる悲鳴とか罵倒とかを聞きながら、速人は己を野次る。

(ん?なんだ?)

そんな速人の手が、いつの間にか何か握っているのに気が付いた。

(これって…)

速人が手を開くと、そこには二つの、黒と緑の色をしたUSBメモリがあった。
そのUSBメモリをまじまじと見る速人。

(Jokerメモリと、Cyclone…メモリ?何でこんな物握ってんだ俺?ポケットに入れてた…っけ?)

そこには、仮面ライダーWに出てくる主人公二人が変身する為のキーアイテム、ガイアメモリが握られていた。
速人は大学生になってから、現実をキチンと見て勉強や経験を蓄積する傍ら、好きなヒーロ物も"ちょっと過ぎた趣味"として、しっかりと各方面(キャラグッツ集め)に於いてコンプリートしていた。
当然ダブルドライバーやアクセルドライバー、その他のメモリドライバーに各ガイアメモリもコンプリート済みだ。

(チッ!心情的には心強いが、現実問題こんな玩具があっても今は何の役にもたたねぇな)

そんな思いを抱きながら、傷んだ身体に鞭打ち立ち上がる速人。
正直彼にここまでする義務も使命も無いのだが、彼はヒーローになろうと言う男である。
例えこれが通り魔の類であったとしても、同じ様な行動に出ただろう。
自分の住む街を脅かす者は、俺が許さない。

(まっ、今は目に入る者だけだけどね)

【ほう…?中々に素晴らしい心がけだね?】

(ん?だれだ?)

立ち上がった速人が服に付いた汚れを払い、いざ行かんと思った矢先に、何処かで聞き覚えのある声がした。

【なっ?言っただろ?こいつは、俺と同じ心を持つ奴だ!】

キョロキョロと辺りを見回す速人。

【ここだ、ここだ!お前の持つガイアメモリから話してるんだ】

(なんだ…と?)





【俺は左翔太郎】

【そして僕はフィリップ】





【【二人で一人の、仮面ライダーさ】】