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PN悠祐希
PN悠祐希
novelistID. 37045
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より水夏な、DCPS霧羽・香澄ストーリー(ネタバレ注意)

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「……………ん?」
 萌先輩が、うっすらと目を開けた。と、すぐに俺と目が合った。
「………朝倉…君?」
 良かった。いつもの萌先輩の口調に戻っている。
 だが、いまいち焦点が合っていないのが、少し気になった。
「萌先輩……大丈夫ですか?」
 萌先輩は、その俺の質問に答えることなく、まだ夢でも見ているかのような虚ろな瞳のまま、こんな事を口にした…
「……私……夢を見ていました……妹さんに自分の命をあげて、そして死んでしまってもなお、妹さんを想い続けたお姉さんの…」
「萌先輩…それは…」
 間違いなく、香澄のことだ。
 おそらく、千夏がのり移って行動していた時の事を、萌先輩も『夢』という形で見ていたのだろう。
「……そして、お姉さんにもらった命で、お姉さんの分まで一生懸命、幸せに生きようとする妹さん…」
 と、萌先輩の目から、一筋の涙がこぼれた。
「……私も……そうしなきゃ…いけなかったのかな……命をかけて守ってくれた私の人生を、無駄にしちゃいけなかった……そう…なのかな……………啓(けい)君…」
 その独り言の最後に、萌先輩は俺の知らない『誰か』の名前を口にした。
 千夏が萌先輩を選んだのは、たまたま学園に居残っていたからだと思ったのだが、もしかしたら、偶然ではない何かはっきりとした意図があっての事だったのかもしれない。