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PN悠祐希
PN悠祐希
novelistID. 37045
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より水夏な、DCPS霧羽・香澄ストーリー(ネタバレ注意)

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 私は、風見学園の裏庭に立っていました。
 どうすれば良いのかが分からなくて…
 どうすれば、お姉ちゃんに見つけてもらえるか分からなくて…
 ですから、ここに立っている事しかできなかったんです。
 と、その時、校舎の方から、誰かがこちらに向かって歩いてきました。
「お姉ちゃん?」
 と一瞬思いましたが、でもすぐに違うと判りました。
 白い装束をまとい、長く伸びた深緑の髪を白いリボンで結っているという姿の女の人…
 その少し…いえ、大いに怪しげな姿が、月明かりに照らされて、いっそう妖(よう)艶(えん)に見えます。
 と、女の人は、私の前まで来ると、優しい笑みを浮かべながら、言いました…
「こんばんは……明日美さん」
「え?」
 この人、なんで、私の名前を知っているんだろう?…
 そう思って、露骨に不思議そうにしている私に、彼女はさらに続けました…
「私は、チナツです…」
「チナツ?」
 聞き覚えのない名前。ですが、次の瞬間、私は理解しました…
「もしかして……あなたは…」
…コク…
 その後に続く問いを悟ったらしく、彼女は、私が最後まで言い終える前に、頷を持って答えてくれました。
 そして、真剣な面持ちになって…
「今日が最後です。ですから、なんとしても、あなた達姉妹が心残りに思っている事を解消してしまわないといけません。でないと、お互い、いつまでも過去に縛られて、永遠に先に進めなくなってしまいますからね」
「・・・・・・」
 心残り…
 私の…そして、お姉ちゃんの…
「で、でも、私は、どうやったらお姉ちゃんに?」
「大丈夫です。すぐに、会えますよ」
 と、彼女はニッコリと微笑むと、携帯電話を取り出し…
「お姉さんに、ここに来てもらいますから」
 メールを打ち始めました。
 そして…
「後は、待つだけです」
 メールを送信し終えた彼女は、そう呟きました。
 いよいよ、お姉ちゃんに会える…
 でも…それは…
「覚悟は……良いですか?」
 彼女が、真剣な面持ちのまま、訊いてきました。
 そう、この再会の後に訪れるのは…まぎれもない永遠の別れ…
 覚悟なんて、そう簡単にできるはずはありません…
 でも、このままで良いはずもなくて…
 だから…
「…お姉ちゃんに会いたい……会って、話がしたい……今は、それ以外には…」
 そう答えるしかできませんでした。
「わかりました……では、お互いに後悔だけは残さないよう、残された時間、大切にして下さいね」
「ありがとうございます」
 そして、彼女は、そのままその場を後にしました。
 私一人が、中庭に残されました。