Blue
「おい、お前学校は?」
新一は昼過ぎに起きてきた。
だが、その顔はまだ眠そうだった。
そして見つけた快斗の姿に驚いていた。
「行ってねぇ。」
「なんで。」
「新一に意地でも聞くことにした。」
「・・・・は?」
「聞くまで動かねぇから。」
「・・・・・・・は?」
昨日の晩から明け方まで考えた。
なんで悔しいのか分からない。
なんでこうももやもやするのか分からない。
分からないことが多すぎて、
だんだん単純な頭はイライラしてきた。
だったら、意地でも聞いてやる。
「馬鹿だろ。」
「馬鹿でいい。」
快斗は朝起きてから、
ずっとリビングで新一が起きてくるのを待っていたのだ。
「言っとくが、話さないぞ。」
「なっ・・・なんでだよ!!??」
「お前には関係ないことだからな。」
「俺の前世だろ!!?関係あるじゃないかっ!!」
「前世は前世、現世は現世だ。」
「・・・・でもっ・・・」
大きなため息をこぼしながら、
新一は快斗の正面の椅子に腰掛けた。
「お前はお前だろ?」
「・・・そう・・だけど、でも新一はKIDに会いたいんだろ?」
「・・・・・まぁな、」
「俺が思い出せば・・会えたことになるだろ?」
「それでも、お前はお前。」
「・・でも・・俺・・・・・・夢見るんだ。」
「・・夢?」
「・・・新一が俺に向かって泣きながら叫ぶ夢。」
「・・・っ・・!!???」
KIDーーーーーーーー!!!!!!!!!!――――-
・・・・一緒に・・―――
KIDッッ・・・・
KIDーーーーーーーーーッッ
「なぁ、それの理由だけでも教えてよ。
でないと・・・夢の度に泣き顔見るの辛いんだ。」
「・・・・快斗・・」
「全部じゃなくていいから・・頼むよ・・」
演技でもなければ、大げさに言ったわけでもない。
本当に快斗は辛かった。
新一に出会ったことで、起きてぼやけていた泣き顔は鮮明になった。
その顔を見るたびに胸が締め付けられるようだった。
自分も泣いているんじゃないかと思うほど。
黙って俯いた快斗を見て、
新一は少し考えてから、ゆっくり話し出した。
今でも昨日のことのように思い出せる。
あの時間が俺の全てだったから。
窓から差し込む日差しから今日が良い天気だと分かった。