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こらぼでほすと ニート7

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「今日のおやつは? 」
「かも南蛮ソバとおにぎり。」
「たびるっっ。」
「はいはい。・・・リジェネ、草むしりしてくれたのか? ありがとさん。おまえさんも休憩しな。冷たいものでも用意するからさ。」
 麦藁帽子のリジェネに、ニールは声をかけて回廊を降りていく。キラは、今度は家の玄関に向けてダッシュだ。ハイネはアスランに声をかけているが、すぐに動く様子はないので、リジェネのほうも家のほうへ歩き出した。


 紫猫もどきが家に入るのを見計らって、ハイネが本堂の前の階段に、どかりと腰を下ろした。アスランも、同じように腰を下ろす。
「マザーのセキュリティーレベルは上げておいた。うちのアクセスポイントからでも、侵入できない程度にはしてあるが、とりあえず出入り禁止は申し渡しておいた。」
「おー、それでいいんじゃないか。まだ、本気でどうこうするのか見極めてないから慎重に行こうぜ、アスラン。」
 スーパーニートだが、ヴェーダに関することならエキスパートだ。だから、こちらのマザー最深部へのアクセスなどは、できないことはないから用心する。外からよりアクセスポイントからのほうが侵入も容易いから、そこいらは強化しておく。それらの打ち合わせをして、引き続きハイネはニールのお守りを続行することで話はついた。いつもなら、レイがヒッツキ虫と化すところだが、さすがにアカデミーの入学直後では、学業のほうが忙しくて、こちらについていられない。
「しかし、イノベイドって感情が未発達なものなのかな。」
「ん? 」
 アスランは、先ほどのキラとリジェネの会話をハイネに説明して苦笑する。世話してもらうのは当たり前。もし、それに代価が必要なら貨幣で、というドライな考え方には、ちょっとカチンとくるものがあったからだ。そういうサービスを受けたいなら、ホテルへでも滞在してくれるほうがいい。ニールは、何もお金を貰うために世話をしているわけではないのだ。傍目にはサービス業と同等のサービスを提供しているわけだが、それは、ひとえに自分たち年少組やマイスターたちを大事に思っているからで、与えてやれるものは与えてやりたいという愛情から現れているものだ。それを紙幣に換算したら、ニールは悲しくなるだろう。そういう話をすると、ハイネも苦笑した。
「それはな、アスラン。あいつらには、そういう存在がなかったからだ。ティエニャンは、ママが、ずっと世話したから知ってるけど、知らなければそういうものなんじゃないか? 」
「そう考えると、俺たちは恵まれていると喜ぶべきなのかな。」
 アスランにも両親があった。その両親から愛情を受けていたし、キラの両親からも受け取っていた。貨幣価値で図れるものではないものを受けていたから、ニールの世話が嬉しいと思えるのだ。それは無償の愛と呼ばれるもので、主に両親から与えられるものだ。ニールは、自分が失くした家族の分を、マイスター組やフェルト、そして『吉祥富貴』の年少組に与えてくれている。寺が癒しの日常空間であるのは、そういうニールが暮らしているからだ。これだけは、何があっても壊されては困るから、ハイネが傍についている。
「恵まれているかもな。いろいろと大戦で喪ってるもんもあるけどさ。・・・・ていうかさ、三蔵さんって、かなり世話好きなのかもしれないな。あの人、リジェネに草むしり命じてた。金では受け取らないってさ。」
 ハイネもアスランもキラも、リジェネに、それを教えようとは思わない。そういう人種なら仕方がないと切り捨てている。それからすると、坊主は一応、そこいらも学ばせようと叱っていると思われる。
「あははは・・・それは、ママニールと似たもの夫夫ってことか? 」
「そうかもしんないぜ。ママニャンのことだって、なんだかんだと叱るもんな。」
「それはわかるな。ママニールには、俺もキラも、ついつい手を出してしまう。ある意味、俺たちはママニールに甘えているんだろうけど、ママニールにも頼られたいって思うからさ。」
 与えられるだけではない関係を望むと、そういうことになる。組織に居た頃のニールは与えるばかりだったらしいが、『吉祥富貴』に移ってからは与えられるようにもなった。それは、アスランにも何よりのことだったから、関係は続けて行きたいと考えている。
「ははーん、年少組も成長してるな。」
「そろそろ成人年齢を越えたんだ。いつまでも甘えてばかりってわけにはいかないさ。」
「まあ、でもさ。親離れはしてやってくれるなよ? ママニャンは甘えてくれるのがいないとダメだからな。」
 アスランとハイネだと、少し年が離れている。見た目やら元の職場の地位なんかは同等だったが、こういう部分は年上のハイネの意見を聞く。コーディネーターは十三歳で成人と見做される生き物だが、実際、いろいろな経験を積まないと成人したとはいえない。アスランやキラ、シン、レイたちコーディネーターの年少組は、それらを味わってきた。ナチュラルの成人年齢になって、甘えるばかりではなく頼られたいという気持ちもできた。大したことではなくても、たまには頼られたい。与えて与えられての関係というのは、本来はそういうものだからだ。
「わかってるよ、ハイネ。俺も甘やかされるのは楽しいからさ。・・・・キラがヴェーダへ行く時は護衛を頼みたいんだが、スケジュールは? 」
「うーん、今のところは何の指示も出てないからいけるだろう。虎さんに声をかけておいてくれ。」
「わかった。民間シャトルでプラントへ入って、あちらからMSで移動するつもりだ。」
「ん? 俺はグフを、あっちに置いてあるけど、おまえらは動かせないだろ? 」
 キラたちの機体はラボにある。大戦の後でエターナルに載せて降下したままだ。
「あっちでフェイスの機体を借りるつもりだ。そのほうが足がつかない。」
「なるほど、それなら、そっちは手配してもらう。」
「いや、キラから議長におねだりさせる。そのほうが確実だ。」
 キラが、プラントの最高評議会議長に、「新しいMSで宇宙をお散歩したいな? 」 と、小首傾げておねだりすれば、一発で許可が出る。なんせ、その議長様は、キラ激ラブな人間だからだ。確かに、それが確実だな、と、ハイネも大笑いする。刹那たちの組織に顔を出すなら、プラントの機体は使えないが、ヴェーダは現在、居場所のバレている存在だ。フェイスの部隊が、それを確認するということなら、航跡も問題はない。今のところ、纏まりかけている連邦は、ヴェーダの掌握まで手が回っていないから、そういう理由で近付いても抗議もないからだ。ハイネはフェイスに籍を置いたままににしてあるから、パーソナルコードも軍でのコードも生きている。隊長機ということで周回するなら、言い訳も完璧だ。
「店のほうは出なくてもいいか? 」
「混み具合で召集をかける。今のところは、ハイネがいなくても、大丈夫だ。でも、トダカさんも心配してるから、たまにはママニールに店に顔は出して欲しい。」
「じゃあ、週二日ぐらい手伝いってことで顔は出させる。」
作品名:こらぼでほすと ニート7 作家名:篠義