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新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第45話

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  霧島 「はい。かつてのC‐01の出現時に展開した、政府直属の特殊部隊・ブラック・トルーパーズによって未だに警備体制が布かれている状況です。」

  鹿島 「まさか、隊長・・・捜査に乗り出す気なんですか・・・?!!あそこは政府の管轄下で、国家公務員である我々ですら立ち入りや領空への侵入を禁止されている場しょ・・・。」

  要 「だからこそだっ・・・だからこそ調べる必要がある!!冴島警視総監の許可が得られればいいが・・・!!!」

  あたかも放射能の汚染エリアのように封鎖されてきているのだ。要の直感が今回の地震の原因がそこにしかないと働いてならなかった。

  いや、もっと根幹の考えを述べれば、関東地区で起こり続けているハカイジュウ災害、デストリアンの元凶があるのではと睨み続けてきたのだ。

  間も無くして、警視総監室に電話が鳴り響いた。受話器を普段どおりに受話器を取った。

  冴島 「はい、こちら警視庁!!」

  要 「M.P.D.BRAVEの要警部ですっ!!冴島警視総監、今、時間はよろしいでしょうか?!!」

  冴島 「あ、ああ・・・どうした?随分と言葉に熱が入っているが・・・。」

  要 「単刀直入に申し上げます!!我々にポイントα、βの捜査の許可をください!!!」

  冴島 「何?!!」

  冴島は驚愕して席を立ち上がる。要がこれから起こそうとしている事はそれほど重大な事だった。

  要 「これまでのデストリアンといい、今回の地震といい・・・原因があそこにあるとしか思えないんです!!お願いします・・・捜査の許可を・・・!!!」

  冴島はまず、彼らの身を案じた。アメリカのネバダ州、エリア51に突っ込むようなものだからであった。

  冴島 「要君・・・・まずは冷静になりたまえ!!あの場所へ行けば、容赦なくブラック・トルーパーズが攻撃を仕掛けてくる!!!極めて危険だ!!!」

  要 「ですからその原因たるものを・・・自分ひとりでも・・・!!!」

  冴島 「・・・・ダメだ!!流石の私でも許可は出来ない・・・!!!」

  要 「何故です?!!あなたほどの人が何故許可を出せないんです?!!自分はこれ以上、市民達を犠牲にさせない為に・・・!!!」

  冴島 「要君ッ!!!私は君達を失いたくはないっっ!!!それ程なまでに危険なエリアなのだ!!!」

  要 「ですが・・・!!!」  

  冴島 「要君っっっ!!!」

  怒鳴った冴島の声が会話を止めた。そして要に諭し始める。

  冴島 「私は君の身を、君達の身を案じて言っているんだ!!!君にも大切な人がいるだろう!!警察である前に、我々は人間だ!!!落ち着いて考えてみるんだ・・・!!!」

  要 「冴島総監・・・!!!」

  要は、真剣に自分達の身を案じてくれている冴島に要は、はっと気づかされた。その瞬間、愛するさわ子が脳裏を過ぎった。

  冴島 「・・・・・・・それを踏まえた上でも行くのなら、覚悟があるのなら検討しよう。だが、今すぐには出来ない・・・・わかるね?」

  要 「・・・・ありがとうございます・・・・!!!」

  冴島 「もう一つ付け加えれば、隕石から出現するメカニズムも解明されていない。それはそれとして課題が残るのだよ・・・・では・・・失礼する・・・・はぁ・・・・。」

  冴島は受話器を伏せると深い溜息をつく。そして振り返りながら外の景色に目を送る。東京の街並みの警官が広がっている。

  冴島 「いつかは・・・この事とぶつかる時が来るとは思っていたが・・・確かに悠長な事は言っていられない。私個人の意見としても要君同様、一刻も早く元凶を潰したい・・・!!!だがそれ以上に部下を失いたくはないのだ・・・!!!」

  冴島は悔しげに独り言で本音を吐き捨てた。



  次の日の夕方。勇士朗は澪と会い、夕空の下を二人で歩く。この日、勇士朗はついに澪に告白すると覚悟を決めていたのだ。他のメンバーは健闘を祈るかのように別行動していた。

  唯の家の玄関の表では光達と澪と紬を除く、HTTのメンバー、更には涼と姫子、勇、和、憂までが揃って語らっていた。律が、勇士朗が澪に告白すると言うコトを聞いて驚く様子を見せる。

  律 「ええ?!!ついに勇士朗が澪に告白するのか?!!」

  唯 「ふおおお!!」

  和 「澪にもとうとう彼氏が出来るのね・・・!」

  蓮 「そ!だからこうしてみんなで集まったんだ!!」

  だが、何故か唯の家に集合になったことについて梓が疑問を懐いていた。いつもならば高台か公園、カフェに集まるのが定番になっていたからだ。俊も梓に続いて質問する。

  梓 「ところで、何故今日に限って唯先輩の家に集まったんです??」

  俊 「俺も気になっていた。いつもなら高台か、公園、カフェだからな。」

  光 「ああ、それは・・・勇さんにこのことを話したら、ぱあ〜っと飯をおごってくれるって言ってくれたからさ!」

  一同 「ええええ??!」

  余りの懐のでかさに一同が驚く。和が申し訳なさそうに勇に遠慮する。

  和 「あ、あの・・・いいんですか?!本当に・・・。勇士朗君と澪の祝福だけならまだしも、なんだか私達までって言うのは・・・。」

  勇 「遠慮すんなって!今日は俺のおごりだ!それにこういう機会にみんなと親睦深めたいからな!それにしてもやるな〜!勇士朗のヤツ!」

  勇は腕組みしながら感心する。和がその横から勇が勇士朗の事を知っていた事について質問する。

  和 「あれ?勇さん、勇士朗君のこと知ってましたっけ?」

  勇 「ああ。先月にデストリアンのヤローと闘った時に共闘している。それ以降あってねーケドな〜。」

  憂達がプールで遊んでいるところにデストリアンの災厄に巻き込まれた時のことだ。憂も思い出して感謝する。

  憂 「あの時は本当にありがとうね、勇兄ちゃん!恐い思いはしたけど、やっぱり感謝の気持ちの方が大きいかな!」

  勇 「当然の事したまでだぁ。妹同然にカワイイ従妹を守って当然だろ?」

  憂 「ふふふ♪」

  憂の頭を撫でる勇。憂も嬉しそうだ。傍らで和が勇をみつめる。

  和 (本当に兄妹みたい・・・。勇さんて本当に気さくで優しい人なのね・・・。)

  梓 「あの時は本当にどうなるかと思った・・・憂があんな危険な目に遭うだなんて。でもその後は何の後遺症もなくってよかったよ。」

  憂 「別にあの時、怪我したわけじゃ・・・。」

  梓は首を振る。

  梓 「ううん、憂の心の後遺症だよ。あんな目に、怪物に捕まったりしたら誰も精神的に引き摺っちゃうって・・・本当よかった。」

  憂 「心配してくれてありがとう、梓ちゃん!」

  勇 「ま、平沢家持ち前のポジティブさがコトを何とかできたってわけだ!!」

  梓 「勇さん・・・・私もここで改めて御礼言いたいです!あの時は本当にありがとうございました!!」

  梓も助けられた身。ふかぶかとお辞儀した。