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PN悠祐希
PN悠祐希
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魔法少女おりこ★マギカR 第2幕 【第3話】

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 翌日の夜…
 場所は、見滝原の工業地帯に設けられた、大型車両用駐車場…
 そこを駆け抜ける、一陣の青き疾風…
 それから放たれる、無数の閃光のように鋭い衝撃…
 出現していた十数体の魔獣が、文字通り、瞬く間に切り刻まれ、消滅した。
 後に残るのは、魔獣と同じ数だけのグリーフシード。
 青き疾風の正体は、手に剣を持ち、マントをはおった、一人の人物…
 その人物は、落ちているグリーフシードを一掴みだけ取り、残りはそのままにして立ち上がろうとした。

「それは全て、あなたが持っていくべき物よ?」

「…!」
 突然の声に、姿勢はそのまま、視線だけで辺りを見渡す…
 すると、少し離れた所に、全身を白い衣装で包んだ魔法少女…織莉子が立っていた。
「あなたの行動を予想して、先回りさせてもらったわ」
 正確には、予知能力で…だが。
 これが、昨晩、ほむらが、織莉子に持ちかけたことである。普段の魔獣探しの方法だけではラチがあかないということで、織莉子の予知に頼ろうということになった。
「…なんの為に?」
 織莉子の言葉に、その人物が応えた。
「もちろん、魔法少女同士、ゆっくりとお茶でも飲みながら、お話しをしてみたいと思っただけよ。いかがかしら?」
 笑顔で問いかけているが…『断れば手段は選ばない』という威圧感を、思いっきり放っていた。
「なるほどね…なかなかのプレッシャーだけど…」
 刹那、その人物は、驚く程の速さで大きく跳躍し…
「その、お誘い、お断りさせてもらうよ」
 そう言い放った。織莉子のプレッシャーを、完全に跳ねのけている。なかなかの精神力だ。
 そして、速い。アッという間に織莉子との距離をとり、そのまま逃げていこうとする。
「ざ〜んねん! 速いのは、君だけじゃないんだな〜」
「…!」
 いつの間にか、キリカが、その人物と並走する勢いで迫っていた。速度低下の能力を使って、追いついていた。
 これも、ほむらの指示だ。六人の魔法少女を出し抜き、数か所で魔獣狩りをやってのけるには、実力はもとより、それなりの《速さ》がなければと判断し、戦いになった場合には、その動きを制することができるのは、相手の動きを遅くできるキリカだけ、ということになった。
「ていっ!」
 キリカは、そのままの勢いで、タックルをするような感じで、その人物に肩をぶつけた。
 予想外の攻撃を受け、その人物がは、自分の走っていた勢いも伴って、激しくふっ跳ばされた。
 それでも、倒れることなく、うずくまるような態勢で着地した。
 しかし、今度は、黄色いリボンが、その人物の周囲に発生し、その体制のまま、体を縛り上げた。
「私の拘束魔法からは、そう簡単には逃れられないし、そうなってしまったら、お得意の速さは活かせないわね」
 マミが、傍に歩み寄りながら、そう告げた。
 命を繋ぎとめたい…そんな願いから生まれた魔法ゆえに、その拘束力は絶大だ。再編前の世界でも、この拘束から正攻法で逃れられた魔女は、一体もいなかった。
 その人物は、蹲った状態で体を縛られ動けないながらも、唯一自由になる頭は上げず、やはり視線だけで状況を確認した。
 すると、三人の少女…ほむら、杏子、ゆまが、向かってきていた。
 そして、真っ先に傍まで来た杏子が、その頭を掴み…
「さてと…聞きたいことは山ほどあるが…その前に、てめぇが、《美樹・さやか》か、そうじゃないのか…その面、もう一度、拝ませてもらうよ!」
 面を無理矢理上げさせ、その顔を見ようとした。
 ところが…その瞬間…その人物の頭を掴んでいた杏子の手が、宙を泳いでいた。
 拘束に使われていたマミのリボンも、その対象を失い、パラッと地面に落ちて、消えた。
 そう、その人物が、目の前から消えたのだ。
 しかも、そこには、その人物が手にしていた、グリーフシードまで、残されていた。