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PN悠祐希
PN悠祐希
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魔法少女おりこ★マギカR 第2幕 【第3話】

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 翌日の放課後…
 ほむらは、とあるマンションを訪れていた。
 エントランスのインターホンを鳴らし、住人にオートロックを解除してもらい、目的の部屋に向かう。
 その部屋の扉の前に立つ。
 出ている表札は『MIKI』…そう、美樹・さやかが、両親と住んでいた家だ。
 ほむらは、一呼吸吐き、部屋の扉のわきに設置された呼び出しベルを鳴らした。
 すると、扉が開き、中から、中年の女性が顔を覗かせた。さやかの母親だろう。
「突然、すみません、私は、暁美・ほむらといいます。先程も申しましたが、さやかさんの、クラスメイトです」
 エントランスでは、『やさかのクラスメイト』としか言わなかったので、ほむらは、あらためて、深々とお辞儀をしながら、そう挨拶し…
「これ、たまっていたプリントです。今後、必要になる物だけを選んで持ってきました。しばらく、取っておいて下さい」
 本当に預かってきたプリントを、手渡した。
 母親は、受け取ったプリントを、マジマジと見つめ…
「これは、わざわざ、ありがとう。あなたも、さやかが無事に帰ってきてくれるって、信じてくれているのね」
 母親が、そんな言葉を返してきた。
 ほむらは、一瞬、声を詰まらせそうになったが…
「あ、その…警察の捜査とか、何も進展はないのでしょうか?」
 咄嗟に、そう切り返した。
 判っていながら、白々しいマネを…そう思う心を押しやり、あくまでも、『行方不明の友達を心配しています』な感じを演じ続けた。
「手掛かりは、何も見つからない…何度訊いても、それだけしか答えが返ってこなくて…」
 そう答える母親は、本当につらそうだった。
「そうですか…」
 ほむらは、そう応えつつ、扉の隙間から見える玄関に、ザッと目を通した。さらに、見える限りの家の中も。
「では、私、帰ります。もし、何か判りましたら、学校の方に連絡して下さい。みんな、心配しています」
 そう告げて、もう一度、頭を下げる。
「ありがとうね。必ず、知らせるわ」
 母親も、そう言ってくれた。まだ、希望を持っているのだろう。
 ほむらは、扉が閉まるまで、頭を上げることができなかった。涙を浮かべた目を、母親に見せるわけにはいかなかった。

 何度も、人の死を見てきた。慣れたつもりだった。
 だが、死んだ者、いなくなってしまった者の関係者と、面と向かって接触したのは、まどかの家族を除けば、これが初めてだった。その悲しみに触れることを、避けていたのだろう。
 だから、想像もしていなかった…全てを知りながら語ることができない者として、残された者の悲しみと向き合うことが、こんなに辛くて、苦しいということを…
 ちなみに、杏子が、この案に関わることを嫌がった理由も、ここにある。
 しばらく、涙が止まらなかった。さやかの家の前でなければ、人目もはばからずに、大声を上げて泣いてしまいたかった。
 あらためて、さやかの死を…友人だったこともある者の死を、実感した気がした。
…美樹さん、ゴメンね…助けてあげられなくて…助けてあげようともしなくて…ほんと、ゴメンね…
 心の中で、ただひたすら、そう繰り返した。