魔法少女おりこ★マギカR 第2幕 【第3話】
だが、次の瞬間、いくつかの打撃音が聞こえ、近付いてきていたはずのソレの気配が、フッと消えた。
かわりに、人間の気配が、現れた。
「…?」
咄嗟に、面を上げた。
すると、いずれも奇抜な格好の…六人の少女が、自分を囲むようにして立っていた。
しかも、二人程、知っている顔があった…
「御崎(みさき)さんに…牧(まき)さんまで?」
それは、同じく南中に在籍する、有名人…
中学生でありながら、すでに何作もの小説を出版している天才作家…御崎(みさき)・海(うみ)香(か)と…
女子サッカー部のエース…牧・カオル。しかも、クラスメイト…そんなに親しくはないけど、一応は…
「…でも…どうして?」
思わず、そう声をかけてしまった。
すると、二人は、こちらを見て…
「あらら…顔見知りだよ…」
と、牧さんが…
「まあ、この状況では仕方ない…君、申し訳ないけど、私達のことは、他言無用ということで…」
そして、御崎さんが、そう応えた。
すると、六人がパッと散り、周囲に集まっていたモノと戦い始めた。
「な、なに…彼女達は、いったい…」
『彼女達は、魔法少女…魔獣を狩る者さ』
声のような何かが頭に直接聞こえてきた。
辺りを見回すと、すぐ傍に、頭と、首から生えたウサギの耳のような何かだけが白く、耳や残りの体の部分は全て黒い、猫のような不思議な生き物がいた。どうやら、今の《声》の発生源は、この生き物らしい。
すると、その生き物は、ニッと笑みを浮かべ、こう言った…
『オイラはジュゥべぇ…意外なことに、君には、その資格がありそうだ…』
作品名:魔法少女おりこ★マギカR 第2幕 【第3話】 作家名:PN悠祐希