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PN悠祐希
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魔法少女おりこ★マギカR 第2幕 【第3話】

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 しかし…今回出現した魔獣は、どんな因縁や呪いが具現化しているのか…やたらと耐久性が高く、なかなか思うように倒すことができなかった。一撃の威力に定評があるマミや杏子の攻撃ですら、一撃必殺たりえていなかった。しかも、出現している魔獣の数は、これまでと比べても、多い方だった。
「まったく…織莉子がいない時に限って、これだ…」
 杏子が、そうぼやいた。
 生成に時間こそかかるが、織莉子の魔法球の威力は、ここにいる全員の中で、もっとも大きな破壊力を生みだすことができる。
 となると、次に破壊力のある一撃を放てるのは…
「巴さん…私達で牽制するから、アレ、お願い」
 ほむらが、そう指示した。
「オーケー、解ったわ」
 マミも、すぐに意識を集中させ、準備に入る。
「杏子、ゆま、キリカさん、魔獣を、なるべく一箇所に誘導して」
 さらに、ほむらが、三人にも、指示を与えた。
「解ってるって」
 と、杏子…多節棍と化し、まるで鞭のように振るわれる槍の柄で、魔獣達に打撃を与え、群れを狭い範囲に押し込めようとする。
「ぶっとばすだけなら、ゆまだって…」
 それを、ゆまが、ハンマーを振るうことによって発生する衝撃波で、支援する。
「…こっちの作戦に気がついた奴がいる?…でも!」
 杏子と ゆまの攻撃を逃れた数体の魔獣を、キリカが追い、斬りとばす。
「まったく…人の業は、これ程に深いということなのかしらね…まどか…」
 ほむらも、キリカと同じく、群れから離れようとする魔獣を、光の矢で、次々と射貫いていった。
 そのうち、群れが、ある程度、狭い範囲に集中した。
 全員が、パッと、その場から散る…
 マミが、すでに用意していた設置型の大砲を、その群れに向けている…
「いくわよ! 覚悟なさい!」
 ここで、パチッとウィンクをしてから…
「ティロ・フィナーレッ!」
 そう叫び、大砲を撃ち放った。
 それが、魔獣の群れに着弾し、大爆発を起こした。
 そこで、全員が、一度、マミの所に集まってきた。
「…やったか?」
 杏子が、立ち上る爆煙を見つめながら、そう口にした。
 だが、その煙の中から、一つ、また一つと、影が浮かび上がってくる…
「まさか…最大出力のティロ・フィナーレの直撃で、倒しきれないなんて」
 マミが、少し怯えた感じで、そう言った。
 それでも、今の攻撃で、三分の二以上の魔獣は、消滅していた。
 しかし、ここまでで、五人とも、かなりの魔力を消費していた。
「こりゃ…結構、きついね…」
 キリカが、軽い感じで、そう言った。だが、表情は険しい。が…
「余ってたグリーフシード、家に置いてきちゃったからな…でも、すでに倒した奴のが落ちてるはずだから、それを拾ってくれば、回復できるかな…」
 そんなことを口にした。
「それって、速度低下を使って? それとも、時間の停止を?…どちらにしても、負担の大きい魔法の使用は、やめた方がいいわ。ソウルジェムが、かなり濁ってるから」
 ほむらが、そう指摘した。
 キリカのソウルジェムは、背中側の腰に備えられている。ゆえに、自分では、状態を確認しづらいというデメリットがあった。逆に、他の者からは、確認しやすい。
「でも、ここで、君達をやらせるわけにいかないしさ…一か八かで…」