魔法少女おりこ★マギカR 第2幕 【第3話】
「まあ、いいじゃない…呉さんだって、実は、こういう雰囲気、嫌いじゃないでしょう?」
マミが、キリカに、ニッコリと微笑みかけながら、そう問いかけた。
「…!」
キリカは、そんなマミの視線から、プイッと顔をそむけた。
それは、自分の心を、見透かされそうだと思ってしまったからで…逃げたということは、そのマミの言葉が、核心を突いていたということに他ならない。
そう、昔は、こういう雰囲気は、苦手だった。輪に、入っていかれなかったからだ。
だが、輪に入ってしまっている、今となっては…
「…まあね…今は、そんなに、嫌いじゃない…かも…」
そう正直に答えた。
「あ、そうそう…そういえば、呉さんって、見滝原中で、私と同じ学年の人だったんですってね?」
マミが、さらに、そう訊いてきた。
そう、キリカは、マミと同じく、見滝原中学の三年生だった。
「同じクラスになったことなかったから、今まで気がつかなかったけど…」
「私…目立たないし…学校では、友達もいなくて…最近は、ずっとサボってたから…」
キリカが、バツが悪そうに、そう答えた。
「それは、いけないわ! じゃあ、明日から、一緒に学校に通いましょう! それに、呉さんは、学校でも、もう独りぼっちじゃないわ! 私がいるもの!」
マミが、それは真剣な面持ちになり、そう提案した。
「え?…で、でも…それは…」
キリカが、思わず、織莉子を見てしまった。
だが、織莉子も、嬉しそうな笑顔を浮かべ…
「そうしなさい」
一言、そう返してくれた。
すると…
「あなたも…白女に通うのが嫌なら、見滝原中に転校してくればいいんじゃない?」
ほむらが、そう告げた。
「そ、そうだよ、織莉子! そうすれば、みんなで一緒に学校に通えるよ!」
それを聞いて、キリカが大喜びをした。
「…それは、良い案だけど…」
織莉子は、そう返しながら、それでも、その嬉しい案を、手放しで受け入れることはできなかった…
…まどかのことが、ちゃんとしていないうちに、私だけ普通に戻るなんて、許されない…
…でも…
まどか、それに杏子や、学年が大幅に違うが、ゆまも含め、みんなで学校に通えるようになれれば、それは、とても素晴らしいことだと、織莉子は思った。
だから…
「…考えてみるわ」
笑顔で、そう応えることができた。
その織莉子の様子を見て、キリカだけでなく、ほむらとマミも、嬉しそうな笑顔を浮かべていた。
作品名:魔法少女おりこ★マギカR 第2幕 【第3話】 作家名:PN悠祐希