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こらぼでほすと ニート11

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 ティエリアは、それだけ言うと、また作業に戻ってしまった。ヴェーダの内部でシステムを構築している。仕事は、これだけではない。刹那が中心になってやっているダブルオーの再生にも早く手を貸したいから、時間を惜しんで働いているのだ。再々始動も念頭に入れて、組織を元の状態にも戻さなければならない。今のところは、世界がひとつに纏まっている最中で、大きな紛争もないから組織が直接に手を出すようなことはないが、それも、纏まれば纏まったで引き起こされることだ。それまでに、組織は始動できる状態にするのが望ましい。すでにイアンたち技術関係の人間は、新しいMSの設計を始めている。 イオリア・シュヘンベルグが提唱するものは、壮大で一世代で完了するようなものではない。組織も、やはり連綿と続いて、何世代か後に、ようやく本当の意味で世界がひとつに纏まるのだろう。イノベイドは、人間だけではできない部分を補完するために存在している。ただ、イノベイドは限りなく人間に近い生き物だ。だから、メンタル部分の充足感は、やはり必要で、ティエリアは、それをニールやアレルヤから与えられた。ヴェーダでまどろんでいるだけのリジェネには、それがわからないのは無理もない。



 ティエリアが相手をしてくれないので、ざっとヴェーダで新しい情報の閲覧だけを済ませて、意識を素体に戻した。まだ、ママは眠ったままだ。障子の向うからは歓声が聞こえている。ちょろりと障子を開いて観察したら、坊主が着物のままで、バトミントンをしている。相手は、悟空だ。
「ダイナミックアターーーーックッッ。」
 ドシュッという音と共に、シャトルが玉砂利に突き刺さっている。簡単に足で線を引いただけのコートで、ネットも何もないので、悟空はやりたい放題にやっている。大きく飛び上がり高い場所からスマッシュを打った。早すぎて坊主でも取れない。
「はい、さんぞーのまけぇー。」
 十点先取のルールで、いい感じの試合だったが、やはり悟空にはかなわない。軽々とスマッシュを決められた。歌姫が化粧ボックスからピンクのカラーゴムを取り出すと、悟空は坊主の頭のてっぺんの毛を、くるくると纏めた。ぴょんと金髪の髪が一束、飛び出している光景というのは、かなり腹に痛い笑いを誘う。すでに、キラは両側に亜麻色の髪を飛び出させているし、アスランは大きな髪留めを頭頂部につけられているし、シンに至っては猫耳のついたカチューシャをつけられている。トダカが、苦しそうに背中を向けて笑いを堪えているが、耐えられていない。
「もう一勝負だっっ、バカザル。」
「ダメダメ、順番なんだからさ。次は、レイとシンでやるか? 」
「そうだな。これは、総当りのほうが楽しそうだ。・・・えーっと、今のところ全戦全勝なのは悟空だけか・・・一敗がアスランとレイ。二敗が俺とマーズさんとヒルダさん。三敗がヘルベルトさん、と。」
 対戦表の勝ち星を勘定して、シンと悟空が総当りの順番を考える。キラは、疲れたぁーとラクスと本堂の前の階段で一休みの状態だ。
「やっぱり、ごくーには誰も敵わないね。」
「プロの方なら勝ってくださるのでしょうけど、私たちでは太刀打ちが難しいですわ、キラ。」
「じゃあさ、ハンデつけるか? キラ。俺、スマッシュ禁止とかでもいいぜ? 」
「それでも勝てそうにないよ? ごくー。僕、きみの体力には勝てないもん。さんぞーさんとなら、なんとかなるかなあ。」
「さんぞーも鬼体力じゃん。おまえ、体力がなさすぎんだよ。もうちょっとトレーニングとかしたら? 」
「そうだね。もうちょっと真面目にジムに通おうかな。刹那なら、いい勝負になる? ごくー。」
「あいつ、バトミントン知らねぇーだろ。ちゃんと覚えたら、楽しそうだけどな。」
 用意してある麦茶を、ごくごくと飲んで、悟空は大笑いだ。こういうスポーツなら、悟空は、なんでもござれだ。いかなコーディネーターといえど、ついている筋肉が、まったく違う。肉弾戦で培われている悟空の筋肉なんてものは、MS戦がメインのコーディネーターたちとは根本的に違うので、こういう場合は悟空の圧勝なんてことになる。それでも、どこまで戦えるかは、各人の体力次第だ。善戦したのはアスランだが、やっぱりスマッシュを打たれてしまうと止められない。ラリーなら、かなり長い時間続けていられる。
「悟空、私とお遊戯みたいな試合をしてくださいな? 」
「いいぜ、ラリーなら歌姫さんでもいけるよな。」
 そろそろ遊びたいと、歌姫様が立ち上がる。悟空も、ラクスにスマッシュなんぞは叩き込まない。のんびりとラリーをして遊ぶような試合をする。「そこで、スマッシュッッ。」 と、悟空がシャトルを高く打ち上げて、歌姫にもスマッシュの練習をさせていたりする。
 一時休憩で、適当な場所に、みな、座り込んで、それを観戦する。歌姫様もコーディネーターだから、動きは機敏だ。実戦向きの鍛え方はしていないから、そういう筋肉はついていないが、それでも優雅に楽しんでいる。こういう運動は、いい気晴らしになる。


 いつもより長めの昼寝から目が覚めたら、境内から歓声が聞こえていた。障子が少し開いていて、そこからリジェネが外の様子を観察しているようだ。ふぁーと床で伸びをして、ゆっくりと起き上がる。秋らしい気候で、運動するには、ちょうどいい按配だろう。
「リジェネ、一緒にバトミントンしようぜ? 」
 声をかけたら、飛び上がるほどに驚いてリジェネが振り向く。何も、そんなに驚くことはないだろうと呆れつつ、ニールが障子を開く。境内では、レイとヒルダが戦っている。そして、観戦している面々は、頭をちょんちょんと止められていて笑える光景で、ニールも、ぶっと噴出した。それを、ちょっと眺めて回廊を降りた。顔を洗って、玄関からサンダルを履いて境内へ出る。本堂のほうへ引き返して、階段の下にリジェネの靴を置いた。
「おいで、リジェネ。練習してみようぜ。」
 脇部屋の前に座り込んでいるリジェネは、えーという不満顔だ。やりたくないならやらなくていいのだから、リジェネにしてみれば、やりたくない。
「まあ、そう言いなさんな。俺もやったことがないんだ。付き合ってくれよ?」
 ほれ、こいこい、と、手を振られると、渋々ながらもリジェネも階段を下りる。ラクスとキラがラケットとシャトルを手にして、てってかと走り寄ってきた。キラの頭はツインテールで、プラプラと揺れている。
「これでこれを打って、落としたら負け。羽根突きよりは楽だと思うよ? ママ。」
「少し練習して、私とダブルスでお願いいたします。」
 ふたりが、簡単に遣り方を説明してくれるので、ニールはラケットをリジェネにも渡した。じゃあ、試しにサーブするから打ってみろ、と、命じて距離をとる。
「え? なんで? 」
「身体を動かすと、おやつが美味い。ほら、いくぞ? 」
 ポーンと簡単に打ち上げてくれるので、リジェネは、それを打ち返す。何度か、そんなやりとりをすると、遣り方はわかる。では、ダブルスを、と、歌姫様がニールの横にラケットを手にして立つ。そして、リジェネの横にはキラだ。
「俺ら、初心者だから優しく頼むぜ? キラ。」
「はぁーい、ダブルスは順番に打てばいいだけだからね。いくよーママ。」