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届かない君へ

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まず最初の目的地はセントビナー。
そこでは、剣を買ってきてほしいそうだ。

しかしユーマは気がついた。
無数に武器を持つことになる。

逆に怪しいのでは?と考えた。

やはり遠い所から近いところにせめていったほうがいいのだろうか。

いやしかし。
売り切れれば、めんどくさいことになる。

ユーマは結構ピオニーに振りまわされている。
陛下だから、言うことは聞くがそれ以前に恩がある。

それを仇で返すわけにはいかない。
そのために軍に入った。
少しでも陛下を守るため。

そう志をもって入ったのだ。


セントビナーまでは馬車で向かった。

セントビナーに着くなりなんだか入り口にオラクル騎士団が溜まっていた。
首をかしげながら入るとオラクルの兵士に止められる。

「止まれ、この辺りで導師イオンを見なかったか?」
「い、いえ・・・」

そうか。と言ってオラクルは通してくれた。

ユーマは不思議に思いながら中に入った。
今、ジェイドはイオンと共にいる。
キムラスカに親書を渡す任務でだ。

それでイオンを探しているとは、何かあったのだろうか。

「早く用事を済ませよう」

武器屋まで行くと、目の前で女の子が自分とぶつかる。

「はぅ!・・・ちゃんと前みて歩けよ・・・!」

可愛らしい顔立ちから怖い声が聞こえたのは気のせいだろうか。

「ご、ごめんなさい」
「気をつけてよね!」

ふんっと言って女の子はセントビナーを出た。
なんていう少女だ。

とりあえず、自分は自分の用事を済ませよう。
そう武器屋で剣を見ていると求めている剣がない。
絶望した。

「あ、あの・・・ここに書かれてある剣は・・・」

「あぁ、それはさっき売れたばっかりでね。」

早くもつまずいた。
一つでも漏れれば恩を返せない。

「お客さん、そんなにほしかったのか?
なら、キムラスカに行くといい。キムラスカにもあるはずだぜ?」
「そ、そうですか!」

パッと明るくなって、ユーマはお礼を言った。
キムラスカに行くには通行書が必要だ。
しかし、手元の通行書をみれば期限が切れていた。

「・・・更新するか・・・」

ため息をついてマルクトの基地へと向かうと基地の前に通行書が落ちていた。

誰かが落としたのか。
まぬけだ。

とりあえず中にマクガヴァンに聞いてみよう。


作品名:届かない君へ 作家名:鳴滝