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こらぼでほすと ニート14

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「そんなことはない。だって、ティエリアが僕に頼んだんだよ? なるべく側に居てくれって。それって、すごいことなんだから。」
 ヴェーダに戻ったティエリアは、リジェネと会話することもあるが、頼み事なんてしたことがなかった。ほぼ同じものを持っているから、リジェネに頼まなければならないことはなかったからだ。ただ、リジェネが地上に降りて、ニールの顔を拝みに来たら、健康管理をして欲しいと頼んだ。初めて、ティエリアが自分を頼ってくれたことが、純粋にリジェネは嬉しかった。だから、ニールの看病をしたいと考えているのだ。
「僕は、ママだけでいいんだ。」
 ニールとだけ接していたい。それなら、なんとかなると思うのだが、実際は、ニールの周辺には人が溢れている。
「そう言われても・・・俺一人になるほうが難しいんでな。全部ひっくるめて付き合ってくれないと無理。」
 ニールは、ずっと集団生活状態だから、これで当たり前だ。リジェネだけ世話してやるというのは無理なことで、必ず誰かが側に居る。それも当たり前のことで、ニールにすれば、それが日常だ。刹那たちが降りて来ても、それは変わらない。
「・・・はあ・・・ママ、息苦しくないの? 」
「え? 別にないよ。だって、俺、一人だと確実に悪化させるだろうし、動けないから助けてもらわないと、どうにもならないぜ? 」
 普段は、何かと世話しているが、ダウンすれば途端に世話される側に廻ることになる。以前は、申し訳ないと思っていたが、今は割と楽させてもらおうと思えるようになった。ダウンしている時に、お返しされているのだと思うからだ。トダカたちじじいーずが、こういう時は甘えておくものだ、と、言ってくれたことが大きい。
 そういうものが人間なのだろうか、と、リジェネは納得はできないものの、黙り込む。確かに観察していると、義務としてやっている雰囲気ではない。対価の必要なサービスではなく、シンが言ったように親切というものから出てくる行動だ。人間同士の繋がりは、リジェネにも、今のところ、よくわからないが、アレルヤとティエリアのことを思い出したら、そうだったかもしれないと思う。ティエリアが言ったり頼んだりすることに、アレルヤは嬉しそうにやっていたからだ。あれも対価は必要なものではない。もちろん、リジェネにも同じようにしてくれていたから、不満も感じなかった。あれも人と人の繋がりなのだろう。ティエリアはイノベイドだけど、ニールが世話した所為で、すっかり自分を人間だと考えている。だから、あの時、ティエリアは鼻で笑ったのかもしれない。おまえには理解できないだろう、と、言ったのは、こういうことだ。
「僕にはわからない。」
「徐々にわかるんじゃないか? そう、慌てなくてもいい。リジェネ、着替え運んで来い。整理しておくから。」
 一気に明朗快活に判明するような事象ではない。ゆっくりと周囲との調和とか共存というものが解って、繋がりになるのだ。ニールは慌てなくていい、と、目下の用件を命じる。アスランが運んで来た衣料品を整理して、段取りをしておくほうが急務だ。部屋を明るくして、起き上がる。熱は引いたのか、少し楽になった。トイレに行こうと立ち上がったら、ちょっとよろける。
 わっっ、と、驚いたリジェネが腕を支えてくれた。
「悪い、ちょっと支えてくれるか? トイレまで。」
「うん、まかせて。」
 扉を開いたら、居間からハイネが顔を出して、渋い顔をしている。なんだ? と、叫ぶので、トイレと叫び返したら、廊下を歩いてきた。はいよ、と、リジェネから腕を取り返して支えてくれる。
「僕がっっ。」
「待て、リジェネ。部屋に帰る時は、おまえがやれ。」
 ハイネが持ち上げるようにして、さくさくとトイレまで運んでくれた。悪い、と、言いつつ、ニールがトイレに入る。それを見送って、プンフン怒っているリジェネに、支える方法を教える。
「いいか? ママニャンの腕を持ち上げるようにして、自分の身体のほうに傾けるんだ。それでゆっくりと動け。・・・・さっきのやり方じゃあ、ちっとも支えになってないんだ。わかったな? 」
「・・・うん・・・」
「おしっっ、じゃあ、そこで待機。・・・・おーい、レイ。ママニャン、目を覚ましたぞ? 」
 食事の用意をしているレイに声をかける。軽く胃に収めさせて、クスリを飲ませたら本日の介護は終了だ。買出しに出ていたシンも戻っていて、一緒になって果物を分解していた。小口に切り分けて、種類別にタッパーに入れている。りんごは変色するから、レモン水につけてからだ。
「こっちの準備も完了している。」
 レイが返事を寄越す。作ったお粥やら果物の入ったタッパーをトレイに載せて準備する。
「シン、その前に着替えさせよう。」
「了解、とーさん。俺、タオル絞るわ。レイ、こっち、よろしく。」
 清拭するほどではないので、顔と首周りを拭くために、熱めのおしぼりを作成する。トダカのほうは、着替えの用意だ。みな、慣れたもので、さくさくと準備がされていく。ニールがトイレから出てくる頃には、用意が終わっているという手際の良さだ。リジェネが、ハイネに言われたように身体を支えて、部屋に戻ると、そちらにはシンとトダカが待っている。
「熱は? 」
「ないと思うんだが? 」
 ハイネが体温計で、さくっと計ると、確かに平熱だ。漢方薬すげぇーな、と、感心しつつクスリの用意をする。はい、と、シンにタオルを渡されて顔と首周りを拭ったら、すっきりした気分になる。それから着替えをして、一息つくと、食間の漢方薬だ。飲まないという選択肢はないので、大人しく飲む。それから、少し胃に入れてください、と、レイが食事を運んでくる。
「寝てばかりだと腹減らないなあ。」
「だから、少しだけ。クスリだけだと胃が荒れるから。」
 お願いですから、と、レイに言われると、食べないわけにはいかないので、少しお粥を食べて、果物も摘んだ。食後のクスリを飲む、と、白湯が渡された。
「ありがとさん、手間かけさせて悪いな、シン、レイ。もう大丈夫だから。」
「ああ、体調が落ち着いたら、とーさんとデートしてやって、ねーさん。」
「しばらくは安静にしてください、ママ。ぶり返したら大変です。」
「わかってるよ。お里帰りの時は、のんびりさせてもらう。ねぇ? トダカさん。」
「そうしてもらいたいね、娘さん。しばらくは、独占させてもらうさ。」
 白湯を飲みつつ、ニールが笑うと、シンとレイも、ほっとした。これなら、あまり心配しなくてもよさそうだ。ハイネがついているから、具合が悪くなることもないだろう。とはいえ、やっぱり気になるから、アカデミーの帰りには顔を出そうと思っている。思っているが、ここで言うと、ニールが夜食だの差し入れだのと用意するので黙っている。



 シンとレイはデリバリーの食事を胃に収めると、早々に引き取った。予習が山ほどあるので、ゆっくりと酒盛りしている時間も惜しかったらしい。リジェネも一緒に、食事していたのだが、シンとレイが帰ると、ハイネとトダカはちびちびと晩酌を楽しんでいる。
「リジェネくんも飲むかい? 」
「いらない。」