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こらぼでほすと ニート15

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 ハイネがラボからトダカのところへ戻るのに、キラたちもついてきた。やっぱり、感謝の言葉は直に聞きたいらしい。どうせ、店へ出勤しなくてはならないから、時間は短時間だ。マンションのエントランスで呼び出してエレベーターを開けてもらえば、後は問題ない。
「おかえり、おやつあるけど? 」
 いつも通り、ニールはエプロン姿で働いていた。トダカは、すでに出勤しているが、代わりにアマギが居座っている。リジェネは、テレビに夢中だ。
「たびるたびるっっ。ママ、ヌイヌイ刹那は気に入ってくれた? 」
「ああ、ありがとさん。よく似てるよ、あれ。」
 ほら、急げとニールが、おやつを用意する。本日は、あっさりとした豆腐とトマトのスープと、おにぎりだ。一口、スープを飲んで、キラが、ふほぉーとおいしい顔をする。
「サンラータンじゃない。 でも、おいしい。」
「本当は夏バテ防止スープなんだけどさ、この時期って、まだ暑いから、こういうのが効くんだよ。 」
「これ、いいですね、ママニール。俺にもレシピください。」
「レシピってほどのことじゃないけどな。豆腐とトマトとスープストックが基本で、後は冷蔵庫にあるものをトッピングして味の調整すれば終わり。時間もかからないし、簡単だ。」
 トマトと豆腐と小松菜そして、溶きタマゴという彩りも鮮やかで、あっさりしてトマトが少し酸っぱい。そして、何より安いのが、さすが庶民派のおかんというところだ。アスランは、レシピを聞いて、それは簡単で助かるなーと頷いている。
 ハイネは、冷蔵庫から勝手にビールを取り出して、居間のソファにいるアマギに挨拶をする。
「お疲れ様です、アマギさん。」
「そちらこそ、お疲れさん、ハイネ。こっちは、なんなら、うちで手配できるぞ? 」
「いや、俺も、『絶賛ママニャンからの愛を受信なうウィーク』を開催してますんで、適当でお願いします。」
「はははは・・・間男業務を展開中なのか。じゃあ、適当に私が顔を出すよ。ここに来ると美味しい家庭料理が味わえるから助かるんだ。」
 アマギも独り者だから、食事は適当になりがちだ。ニールが里帰りしていると、家庭料理を食べさせてもらえるから顔を出すのは楽しい。トダカーズラブの特区に居る面々も、すっかり餌付けされているから、時間があれば顔を出すようになっている。「あまり、うちの娘を使うな、と、トダカが叱るほどだ。
「俺も似たようなもんですよ。普通の日常に浸れる。」
 殺伐とした世界に身を置いているから、そういうものが欲しくなる。いずれ、この日常もなくなるのだから、傍に存在している限りは、ハイネも浸りたい。リジェネのこともあるが、どちらかと言えば、浸りたいためのほうが強い感情だ。
「それはわかる気がするな。」
「でしょ? 」
 リジェネは熱心に特撮テレビを見ている。それが、子供っぽくて、アマギとハイネも微笑む。
「それ、おもしろいのか? リジェネ。」
「うるさい、ハイネ。今、このロボットの動きが観察したいの。」
「気に入ったんなら、ビデオをダウンロードすれば最初から見られるぞ? おまえなら、タダで見放題だろ。」
「それは、あとでっっ。」
 ニールが、テレビでも見てみれば? と、勧めたら、ハマったらしい。スーパーニートは、こういう空想科学ものなんて知らなかったのか、アニメや特撮ものを片っ端から見ているのだ。


「ママ、熱は、もういいの? 」
「ああ、すっきりした。少し、こっちで身体を休めて寺に帰る。」
「すいませんでした。俺たち、はしゃぎすぎましたね。」
「いや、俺も体調が戻ってないのを忘れてた。こっちこそ、心配させて悪かったよ。」
 あぐあぐとおやつを食べつつ、アスランも謝る。いつもなら、動きをセーブするのはアスランの担当だ。
「一ヶ月くらいは、かかるらしいので・・・少しセーブしてください。」
「うん、わかってる。」
「だいたい、ママは働きすぎ。僕らが来るかもわかんないのに、こんなにおやつ作ってるし。」
「いや、これは、うちの晩御飯。たぶん、シンとレイが夜に顔を出すだろうから多めに用意したんだ。あいつらも、気にしてたからさ。」
 シンとレイは来るとは告げずに帰ったのだが、いつものパターンだと、必ず顔を出す。だから、多めに用意した。残ってもストックしておくから余ることはない。
「ああ、そうだろうね。シンもレイも気にしてたもん。」
「二、三日したら店のほうも手伝うよ。あいつらが抜けてる分は忙しいんだろ? アスラン。」
「だぁーめっっ。ママは、しばらく店には出入り禁止。働きすぎだって、僕は注意したのに、ちっとも聞いてないよね? 」
 トダカが開店準備を一人でやっているので、ニールも手伝おうと思っていたのだが、キラが止める。リジェネを連れて入店されるのは、今のところ問題がある。セキュリティを変更して、ヴェーダとのリンクが完了してからなら構わないが、今のところは遠慮してもらいたい。
「でも、トダカさん一人でやってんだろ? キラ。」
「ううん、シフトを変えて、八戒さんと悟浄さんが早く入って手伝ってる。だから、ヘルプはいらない。」
 早めに沙・猪家夫夫が出勤して、開店準備も手伝っている。その代わり、施術の予約をこなしたら早めに帰ってもらうようにしているので、ローテーションはできている。
「それならいいんだけど。」
「ママは、ナマケモノモードで、ぐうたら生活しててよ。あ、でも、おやつは欲しい。というか大歓迎っっ。」
「こぉーら、キラ。俺たちが毎日、押しかけてたら意味がないだろ? ママニール、俺たちは、あなたが寺へ帰ったら、あちらに顔を出しますから、もう俺たちの分は製作しないでください。」
「はいはい、了解。でも、適当に顔は出してくれていいよ。どちらにせよ、晩御飯は作るんだし、シンたちの分も作るからさ。」
「ぼちぼちってとこ? 」
「そうだな、そんな感じで。」
 ひゃっほーい、と、キラはおにぎりにかぶりつく。こちらも、塩にぎりではなくて、じゃことわかめで味付けされたものだ。もぐもぐとおやつを食べると、すぐに出勤時間だ。ごちそうさま、と、アスランとキラは出かけていく。
 食器を洗い終わると、ここの夕ご飯時間となる。
「そろそろ、メシにしますか? アマギさん。」
「いや、慌てなくてもいい。少し休憩しなさい、ニール。」
「でも、もう七時ですよ? リジェネ、腹減ったよな? 」
「まだいい。これ、見てから。」
 特撮が終わらないと、リジェネは動かないらしい。そういうことなら、と、ニールも居間のソファに腰を落ち着ける。トダカが出勤する前に、アマギは現れた。ウィークデーだというのに、こんな時間に退社できるものなのだろうか、と、ニールは疑問に思っていた。軍人なんて勤務時間はないようなものだが、特区の出先機関に席があるアマギは、普通のサラリーマンのような勤務形態のはずだ。
「アマギさん、今日は休みですか? 」
「いいや、ちゃんと出勤していた。フレックスだから、早めに出勤して早めに上がってるんだ。基本、出先とはいえ二十四時間体制だからね。」
「ということは、早朝出勤ってことですか? 」