ARMORED CORE Another Story
015
「俺がACでの戦闘を楽しんでる・・・・?」
レヴィンは一人自室で物思いにふけっていた。
確かにレイヴンと言う職とソレを取り巻く環境に疲れ辞めたのは事実だ。
しかしACを動かすのが嫌いか?と問われると中々難しい。
「はぁ・・・、どうすりゃ良いんだろうな。」
今まで破ってきたレイヴンやライバルに申し訳が立たないそんな気もしている。
現在の自分が存在しているのも間違いなく彼らが居たからだ。
ただの憧れで採用試験を受けたあの頃を思い出し懐かしさを感じていた。
「駄目だ・・・、気分転換にでも何か食ってくるかな。ちょうど夕飯時だし。」
そう言って気持ちを切り替え食堂に向かう。
所変わって医務室でダルシェナがこの旅団の専属医師ドレル・ダンと奇跡的に生き残った先日の敵ACパイロットの容態についての話をしていた。
そう、彼ハルベルト・ファリヴァンである。
「とりあえず彼は絶対安静だね。全く奇跡だよアレほどのダメージを機体は受けてたってのにね。」
と驚きの声を隠せないドレルにダルシェナが答える。
「まあ、なんたってACだからね。ソレのコアだ。重要なパイロットが乗るところだよ?頑丈さ。 でもまあ、確かにこれは奇跡かもね。」
と軽く冗談交じりで言う。
ハルベルトはレヴィンに撃破された後ヘイレンたち回収班によってACから救助され、今は集中治療を受けている。
奇跡的に生き残ったとはいえ重症なのに変わりは無い。
「まあ、コイツの目が覚めたら呼んでくれ。話があるからね。」
「はいはい、わかりましたよ。」
それを聞いてダルシェナは医務室を出ていく。
「どうしたんですレヴィンさん?元気ないですよ? 悩み事です?」
と食堂でコックのラルフ・マイヤーが話しかけてくる。
「分かるか?」
「はい、もうバレバレですよぉ?」
その返事を聞いてため息をつくレヴィン。
どうしてか彼女はこういう事になると妙にテンションが上がるのだ。
おせっかいというか何というか・・・。面白がってるフシもあるが。
ただ、基本的に良い奴なので無下には出来ない。
「仕方ない。話すよ。」
と言ってダルシェナに言われたこと、自分の心境を伝える。
「う~ん・・、難しいですねぇ。 ただまあ、アタシとしてはレヴィンさんがいてくれると心強いですよ?」
「心強い・・・?」
「はい、だってこのトレーラーを守ってくれますからね。」
「そういうもんかねぇ・・・。」
「そういうもんです。で、何にします?」
「へ?」
いきなり話題を変えられたので素っ頓狂な返事になってしまったレヴィンだった。
「夕飯ですよ。そのために来たんでしょう?」
「ああ、そうだったな。じゃあ、無難に唐揚げ定食で。」
「好きですねぇ、唐揚げ。解りました、ちょっと待ってて下さいね。」
「はいよ。」
作品名:ARMORED CORE Another Story 作家名:TaMaNeGi