ARMORED CORE Another Story
016
「良かったんかい?」
「何がです?」
翌日レヴィンはダルシェナ一行のところに残っていた。街で降りずに。
「何って、あんなに渋ってたじゃないか。どうしたのかなってね。」
「ああ、どうやら未練があったみたいです。それにこのままズルズル引きずって旅をしてもね。って事で。」
「なるほどねぇ。」
「それにラミュもいますし。 下手に野宿とかさせちゃったらまずいでしょ?」
「ははっ、確かに。ガイルの爺さんが黙ってないね。」
と笑いながら話していた。
「じゃあ、まあ。改めてこれからもよろしく。」
「よろしくお願いします。」
と二人は握手をした。
「でだ、レヴィン。 お前さんにはコーテックスに登録してもらおうかと思ってるんだよ。」
「えっ? なんでです?」
『まさか過去のことを・・・?!』
「なぁに、単純だよ。 お前さんにはもっと稼いでもらおうってね。」
とウィンクしながら茶目っ気たっぷりに答える。
いつもの姉御肌な感じとは正反対な態度だったので少々戸惑いつつ。
「はぁ・・・。真面目に考えてます?」
と呆れ気味に答える。
「酷いなぁ~。コレでも大マジだよ?」
「さいですか・・・。使われるこっちの身にもなって下さいよ。」
ため息を付き答える。
「まあ、そう落ち込むなって。んで、本題に入るとだね・・・。」
ダルシェナの目が据わったのを感じレヴィンも気持ちを切り替える。
「お前さん・・・・・・・・、いや、いいわ。」
「えぇっ? 溜めといてそれですか!?」
「まあまあ、取り敢えず・・だ。コーテックスには登録してもらうから。いいね?」
「はぁ・・・。わかりました。それで、いつ頃に?」
「いや、まだ詳しい日時は決めてないんさね。分かり次第伝えるよ。」
「わかりました、話は終わりですか?」
「だね。飯でも食ってきたらどうだい?」
「そうさせてもらいます。それじゃ・・・。」
といい出ていくレヴィン。
と同時にダルシェナが端末を起動させあるデータを呼び出す。
それはある古いレイヴン(と言っても数年前にあるミッションを境に行方知れずとなり死んだと思われている)のデータだった。
アリーナのトップに怒涛の勢いで上り詰めた"彼"。
最強の名を欲しいがままにした"彼"。
如何なる時も誰にとらわれる事の無く己を突き通した"彼"。
それ故に人類にとっての危険因子、イレギュラーと認定されてしまった"彼"。
狂った管理者を破壊し地上への道を切り開いた"彼"。
救済者でもあり破壊者でもあった"彼"。
そして遂に戻って来ることの無かった"彼"。
人々は口々に、死んだのでは?と言っていた。
しかしダルシェナは違った『奴は生きている』と。
あれ程のレイヴンがそう安易と逝くわけがない。
「まあ、確証もまだないからね。もう少し探ってみようかね?」
作品名:ARMORED CORE Another Story 作家名:TaMaNeGi