ARMORED CORE Another Story
006
「はあ、はあ、はあ。」
今レヴィンはあの洞窟の入口にいる。
息切れしているのは村から全速力で走ってきたからだ。
「よし、起動、させるぞ。」
そう言って彼はACのコックピットに入る、が。
「おいおい、マジか・・。」
彼が驚いたのも無理はない、なにせその機体のコアはタンデム型、所謂二人乗りの機体だったのだ。
通常ACのコアにはパイロットが一人乗り全ての操作を行う。
全てとはいえ、レーダーの感度の細かい調節や敵の判別・ロックオン、地形情報、機体の状態確認等は基本的にACのOSが処理してくれる。
なので、戦闘ヘリ等で言う所のレーダー通信士が不要なのだ。
ACが登場したての時は複座の機体もあったと少なからず聞いてはいた。
この機体は複座。これの意味する所は一つしかない。
「てことは、レーダー員が必要なのか!? 全くいつの時代の機体だよ・・。一人で動かせんのか? これ。」
今でこそOSが発達してそこらへんの処理を全て行っているとはいえ、それでもパイロットには結構複雑な処理を要求されるのだ。
「考えてる暇はない! 一刻を争う事態なんだ。 やるしかない!!」
レヴィンは自分自身を奮い立たせコックピットに乗り込む。
[[システム起動・・・、システムチェック開始・・・・通常モードスタンバイ]]
無機質なアナウンスが流れ始める。
[[システムチェック・・・オールグリーン,カメラ起動]]
ウィィィィン・・・という音と共にコックピットのモニターに外の景色が映し出される。
[[レーダー起動・・・熱源感知、システム戦闘モードスタンバイ]]
「早くしてくれよっ!。」
本来ならレーダー員がやることもOSに任せているので起動に時間がかかる。
[[火器管制システムチェック・・オールグリーン、各部異状なし、戦闘モード起動します]]
「よし行くぞ!!」
ブースターを吹かせ一気に洞窟を出ていくレヴィン。
作品名:ARMORED CORE Another Story 作家名:TaMaNeGi