ARMORED CORE Another Story
007
「こんなもんですかね、頭?」
と、MTに乗ったゲリラがリーダー機とおぼしき機体に無線を飛ばす。
「まだだ、あのスカした野郎をとっちめるまでだ!」
頭と呼ばれる人物が答える。
「しかし、もうあらかたぶっ壊しちまいやしたぜ?」
その返答にもう一機の機体のゲリラが答える。
「そうですぜ、これ以上やったらここを利用できなくなっちまいやす。」
さらにもう一機も答える。これに対し、
「まだだっつってんだろうが!! 聞こえなかったか?? 奴を見つけるまでやめねえよ。」
声を荒げてこう答えた。もはや冷静な判断力は残っていなかった。獲物に飢えた獣のようであった。
その気迫に押されてか、部下と思われる者たちも渋々従っていた。
「全く・・、なんだってんですかい。 ん? レーダーに反応が?! これは・・!!」
一人の部下がレーダーに映る一つの影を捉えた。
「お頭!! 敵です! 」
「何だと!!? MTか?」
「いえ、単機でこちらに真っ直ぐ来ています。 このスピードはMTじゃない・・。ACです!!」
「くそなんだってこんな時に!!」
「頭、ここは撤退を!!」
「そうですぜ、退くのが得策かと。」
信頼している部下の言うことだいつもの彼ならここで大人しく撤退していただろう、しかし今日はいつもとは違っていた。
「いや、迎え撃つ! この俺を邪魔した奴は許さん!!」
「頭・・・。」
「無茶ですぜ!! 弾薬ももう少なくなっちまってやす。 AC相手じゃ厳しいですぜ!!」
「五月蠅せえ! がたがたぬかしてんじゃねえよ。 こっち方が数が上だ負けやしねえ!! それとも俺を裏切るのか?」
「い、いえ。そういう訳では・・。」
「だったらさっさと迎撃準備だ!!接敵までは?」
「あと90秒です!!」
「ようし・・、全機兵装をミサイルに変更。射程に入り次第攻撃開始!!」
「りょ、了解です!!」x4
もはや本来の目的すら忘れて命令を飛ばすゲリラのリーダー。
彼は鬱憤を晴らせれば何でも良かったのだろうがこの選択がアダになるとは思ってもいない。
作品名:ARMORED CORE Another Story 作家名:TaMaNeGi