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ARMORED CORE Another Story

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009

「いやはや、すまんね。 助かったわい」

「いえ、俺は自分のできそうな事をしたまでですんで・・」

ACを降りた後レヴィンは村長であるラミュの祖父と事の顚末を話していた。

「しかし、驚いたの。 ヌシがレイヴンだったとは・・。」

「いえ・・、その、正確には”元”ですけどね」

「じゃが、コーテックスの登録記録の削除を確認したわけでは無いのじゃろう?」

「ええ・・・、まあ、そうですけど」

そう、通常レイヴンが一線を退くときは基本的に登録情報を抹消し今までに請け負ってきた依頼の情報などを口外しないと言う誓約書を書かされる。
もっとも、その本人が”居なければ”その手続きは省略され担当オペレーターの同意だけで十分だが。
しかし、レヴィンはオペレーターにレイヴンを辞めると言う旨のメッセージを送って行方を暗ませてしまったので確実に消去されたかは怪しかったりする。
と言う事をガイルにも説明をしていた。

「まあ、昔に何があったかは聞かんよ。 言いにくいこともあろう? まして知り合って間もないワシらとではの?」

「居候中の分際で言えたことではないですが、そういう事にしてもらえると助かります・・。」

「なら、そういう事にしておいてやろう。」

「ありがとうございます。」

とりあえず一区切りついたのでレヴィンは気になっていた事を聞いた。

「あのACは何だったんです? 随分昔の機体でしたが・・。」

「あれか・・・? あれはラーシャの夫、つまりラミュの父親の機体じゃ。」

「機体しか残ってないということは、もしかして・・・?」

「・・・まあ、そのもしかしてじゃな。あやつは悪い腕じゃなかった、そこいらのレイヴンには負けない腕じゃったが・・・。僚機に裏切られてしまっての・・・。処分しようにも手間がかかるしの村の者達と話してあそこに祀っておいたのじゃ。ラミュの父、ライゼンと言うのじゃがそやつには何度も助けられておったのでの。」

「そうだったんですか・・・。聞いといてあれですけど、すみません。」

「いや、別に怒ったりはせんよ。むしろレイヴンの世界、裏切り裏切られは当たり前じゃろう? 所詮は何処まで行こうと傭兵でしか無いからの。結局油断を見せた者が死ぬ、お前さんも解っておるだろう?」

「まあ、そうですけど・・。」

レヴィンはガイルのその態度に畏怖していた。
それもそうだろう、いくらレイヴンだったからとは言え娘の夫である男が殺されたのだ、普通ならもっと激情してもいいはずなのだ。

『昔に何かあったのだろうか?』

「ラミュは知っているんですか?」

「いや、知らんて。なにせあの子が小さい頃だったからの。まだ物心つく前じゃ。」

「そうですか・・。」

「して、これからどうするんじゃ?」

「あっと、いえ・・、まだ具体的に何処に行こうとか全く考えてなくて。」

「全く、同しようもない奴じゃな。」

軽くため息混じりにガイルが呆れたようにつぶやく。

「此処には定期的に行商人が立ち寄っての。その間に手に入りづらい物を互いに取引しているのじゃが。まあここいらに特産品なんてもんは無いからこちらが一方的に買ってるだけだがの。」

「えっと・・。それでどうしろと?まさかその商人に次の街まで連れってって貰えって事ですか?」

「そういう事じゃ。 此処にいても良いが登録も怪しい人間が無断でACを動かしたんじゃ、バレたら少々マズイじゃろう?」

「うっ・・・。確かに。」

いくら此処が辺境とは言え(住んでる人に失礼だが)さすがに目撃者がゼロと言うことは無いだろう。それに宿屋にも何人か客がいたようだし。
なにせ彼は居候させてもらっている身だ。これ以上此処の人たちに迷惑を掛ける訳にもいかない。

「まあ、あと3~4日くらいで来るはずじゃ、近くまで来たら連絡を入れてもらう手はずになっておる。それまでに決めておいてくれないかの?」

「分かりました。」

「うむ。ではそれまではたっぷりと働いてもらうとするかの。」

「は、はい・・。」

作品名:ARMORED CORE Another Story 作家名:TaMaNeGi