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アズール湊
アズール湊
novelistID. 39418
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黒と白の狭間でみつけたもの (9)

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はしゃぐトウコが、向かいのお店に入り込む。しばらくたってもお店の外に出ようとしないトウコを見て、徐々にタッくん、テリム、ヒヤリンの3匹顔は見合わせた。

「タジャ?」

「テリテリ…」

「ヒヤー?」

町の雑貨に夢中になっているトウコを見つめつつ、その後を追いかけた。

おしゃれなケーキ屋さん、月単位で毎回変わるという、アーティストの個展。

1点ものだけを売っているという洋服屋さん。ビーズで出来たポケモンのキーホルダー。

転々と、お店のはしごを続けていくトウコに戸惑って、3匹は集まりながら、何かを話していた。

「タジャ、タジャジャータ…?」

「テリリ…」

「ヒヤー? ヒヤヤーヤ」

そして、トウコがついにジムの近くまできた。

でも動かない。

ジムには背を向けて、またまた雑貨屋さんの前で、かわいい髪留めをみつけて、トウコが目を輝かせている。

ジムのことをすっかり忘れているらしいトウコを見て、我慢できなくなったのか、イライラしたタッくんがとうとう訴えた!

「タージャ! タジャタジャ!?」

気迫のこもった声に、トウコはビクリと身体を震わせた。

振り返ると、タッくんが明らかに怒っていた。恐い顔。

心なんか読まなくても、言いたいことはわかった。

『はやくジムに行くんじゃないの?!』って言っているだろう。

すっかり町の虜になっていたのに気づいて、ハッとした。ジムに向かうつもりが、いつの間にかただの買い物になっている。

そうだね、脱線した私が悪かったよ、タッくん。

「ごめんなさい、ちょっと、夢中になっちゃって…」

「タジャジャ!」

わかればよろしい!そんな様子のタッくん。

テリムとヒヤリンはくすくす笑っている。

ポケモンに怒られる私って…。

反省しながらトウコは大きく息を吸いなおした。

よーし気合い入れなきゃ!

「そうね、早く行こう!せっかく頑張ったもんね!」

トウコの言葉に、タッくんもテリムも、ヒヤリンも大きく頷いていた。

オシャレなシッポウシティ。誘惑に負けてたら、進めないわ。

トウコ達は、町の中央にあるポケモンジムへと向かった。

シッポウシティのジムは博物館。

真っ白な大きい建物だ。

博物館なんて、古くて貴重なものも多いのに、どういう風にジムになっているのだろうか。

町の中央にある、目立つ博物館の前に立ちながら、トウコは中の内装を考えていた。

まわりが化石なんかで、囲まれていたら、壊してしまいそうで気になってしまう。

まぁ、きっとそんな造りにはなっていないんだろうけれど。

入場券、いるのかしら?

そんなことを考えながら、入り口に入ったところで、誰かと急に鉢合わせになった。

あれ?この黒い球体のネックレス…。

トウコが顔を上げると、その人物は笑った。

若草色の長い髪、綺麗な青い瞳。

「やっぱり、トウコか」

笑顔で言われ、思わずどきりとした。

わかっていたような口ぶり。

まさか、本当にまた会えるなんて…。

「N…また会えたね!」

トウコは嬉しくてにっこりと微笑んだ。

Nの近くに、この前見かけたゾロアはいない。

「あれ、ゾロアは?」

「今は預けている。ゾロアは戦いが嫌いだからね」

「そうなんだ…。あ、もしかして、Nはジムに?」

博物館からでてきたN。

ここに入る人は、博物館を見るか、ジムに行くかの2通りくらいしか、いないはずだ。

「ああ、ポケモンバトルには勝ってきたよ」

そう言って、2つ目のジムのバッジをみせてくれた。

バッジを手に入れてるってことは、Nも相当な実力者なんだ。

優しそうに見えて、案外切れ者なのかもしれない。

「君もこのジムに挑むのか?」

「ええ、そうよ。そのために特訓もしたしね。 でも、知らなかったわ、Nもジムに挑んでいたなんて。あなたもポケモンリーグを目指すのね?」

同じ目標に、トウコは嬉しくなったが、Nは首を横に振った。

え?違うの?

意外な返答にトウコは戸惑った。

「ボクがやりたいことは、チャンピオンではない。世界を変えたいんだ。トウコ」

「世界を変える?」

笑顔で、また突拍子もないことをNは言っていた。

でも嘘には見えない。

純粋な、子供のような笑顔だった。

「ボクは、誰にもみえないものがみたいんだ。ボールの中のポケモンたちの理想。トレーナーというあり方の真実。そして、ポケモンが完全となった未来……。君もみたいだろう?」

早口で語られたNの夢。

どういうこと?

ポケモンたちの理想?

トレーナーの真実?

ポケモンが完全になった未来?

Nはいったい、何を考えているの?

不思議なNの言葉に、どう答えて良いか、トウコはわからなかった。

「よく、わからないわ…」

「……ふうん、期待はずれだな。トウコはわかってくれる気がしていた」

「…?」

Nの目指すもの。

頭で考えるけれど、見つからない。捉えられない。

冷めた青色の目。

いったいあなたは、何を考えているの?

ぐるぐると頭が混乱した。

「トウコ。 ボクとボクのトモダチで未来をみることができるか、君で確かめさせてもらうよ」

Nが腰のボールに手を掛けた。

バトルがはじまる。

混乱した頭が追いつかない。

めまいがしてくるような中、Nはマメパトをボールからはなった!

「ハッポー!」

マメパトの声で、頭を切り換える。

集中!

今は、バトル中よ!

「お願い!テリム!」

「テリテリー!」

トウコの後ろに控えていた、テリムが飛び出した!

マメパトが、空中からテリムに襲いかかる!

テリムが逃げまどう。

マメパトのでんこうせっかが直撃した!

「テリー!」

ひっくり返るテリム!

起きあがるテリムに、マメパトは空中でもう一度体勢を立て直す!

このままじゃ…!

考えろ!

不利な状況をどうするか!

「マメパト!でんこうせっか!」

急激に向かう攻撃!

トウコは叫んだ!

「テリム!とっしん!」

「テリィ!」

迫るマメパトの爪先に、テリムは思い切り飛び込んだ!

お互いの攻撃がぶつかり合う!

押し合う2匹。

マメパトが徐々に勢いを増す!

「負けないで!テリム!」

トウコが声を張り上げた瞬間、テリムの体に変化が起きた!

丸い体が大きく伸びる。

縦長に、スマートに。

体の毛色が黒っぽく変化していく。

「進化?!」

トウコが驚く目の前で、テリムはマメパトの体をぐいっと押さえ込むと、地面に叩きつけた!

目を回すマメパト。

「デリィー!」

ハーデリアに進化したテリムが誇らしそうに、トウコを見て笑った。

「すごいよ、テリム!」

駆け寄ってきたテリムを抱きしめた。

「トウコ、勝負はまだついていないよ」

Nは次はドッコラーを出してきた。

「ララー!」

格闘ポケモン。

迷わずテリムをボールに引っ込めた。

次は…。

「ヒヤリン!まかせたわ!」

「ヒヤリ~!」

ヒヤリンが、ドッコラーとにらみ合う。

先手を打ったのはヒヤリン。

お得意の、みずでっぽうをお見舞いする!

ドッコラーはがまんしている。

まずい!