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IS  バニシングトルーパー 008

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 「いいんですよ、後で適当に捏造しますから。男子二人、一緒に並んでくれます?あっ、そうだ」
 一夏をクリスと一緒に並ばせて、カメラを構えた薫子は突然何かを思い出したように、まだ頬を膨らませているセシリアに話をかけた。
 「セシリアちゃんも一緒にどうですか?」
 「えっ?」
 「専用機持ちの三人が一緒に並ぶ写真を取りたいんですけど……」
 「写真、ですか……それは構いませんが、あの、取った写真は頂けますか?」
 「ええ、もちろんよ」
 「で、でしたら、後でクリスさんとのツーショットを頼みたいのですが……」
 「ほう~なるほどね。良いよ、任せて」
 体をもじもじして、顔が赤くなったセシリアを見て、薫子はにやけた顔で親指を立てた。
 そしてそれを見た一夏も、クリスに向って顔に妙な笑みを浮かばせた。
 「やっぱりあの時のことは誤解じゃないじゃん」
 「誤解だ。……誰にも言うなよ」
 「はいはい」

 三人の写真を取った後、セシリアとクリス二人で並んで、薫子に写真を撮ってもらったが……
 「なぜ全員入ってますの!」
 薫子がシャッターを切った瞬間に、クラス全員がフレームに入ってきた。
 「まぁまぁ」
 「セシリアだけ抜け駆けはないでしょー」
 「む~!!」
 ツーショット写真の入手計画が邪魔されて、セシリアは再び頬を膨らませてソファに座り込んだ。

 「一夏」
 「何だ?クリス」
 パーティーの片付けが終わって、食堂から出ようとする一夏を、クリスが呼び止めた。
 「これをやるよ」
 「?何これ」
 クリスから差し出された紙袋を反射的に受け取った一夏は中を覗き込んだが、包装が厳重過ぎで中身が判らなかった。
 「口止め料兼就任祝いとても思って、部屋に戻ったら開けてくれ」
 「そうか?何か悪いな」
 「いえいえ、元々余ったやつだし、相手は篠ノ之にでも頼めばいいだろう。じゃな」
 手を振って、クリスは食堂から出て行った。
 「余った……やつ?」
 クリスの言葉の意味が分からずに、一夏は首を傾けた。

 そして翌日に、一夏の顔に大きな紅葉が出来ていた。
 「やっぱり失敗したか……」
 「てめえ、分かっててやったのか!」
 手を顎に当ててため息を付くクリスに、一夏は全力で怒鳴った。