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IS  バニシング・トルーパー 011-012

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 苦い顔して、学者風の男が手を顎に当てて深く眉を曇らせた。 
 「ここからは私が直接にコンテナを運んだ方が早いと思いますが、宜しいですか?」
 「いいのか?」
 「はい。タイプRVのステルス性能なら発見される可能性も低いだろう。後は信用して頂ければ」
 「では頼むぞ。クリスとエクスバインを失うわけに行かん」
 そう言った学者風の男は壁にある通信機を取って、ヘリの操縦室に居るパイロットに指示を出す。
 「分かりました……!」
 軽く頷いた後、ギリアムはヘリ後部のハッチの近くまで歩いて、袖から左腕を伸ばして手首にある腕時計を口元に近づけた。
 「メインターム、アクセス。モード・アクティブ!」
 ゴゴゴンッと音を立ちながらハッチが徐々に開けていき、激しい気流が内部に流れ込んで来て、ギリアムの長い髪を吹き乱す。
 右手で髪を押さえながら目を細めて、ギリアムはハッチから外に飛び出して、空中で腕時計に向って大声で叫ぶ。
 「コール・ゲシュペンスト!!」

 黒き亡霊が、空に舞う。