二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

魔法少女リリカルウィッチーズvol.2

INDEX|7ページ/9ページ|

次のページ前のページ
 

EXTRA MISSION~魔女達の休息~


時は遡り、まだネウロイに首都を占領される前の話…。

その日、セイバーズ宿舎では皆が集まり、こんな話題が持ち上がっていた。
「スパリゾート?」
「って、何?リーネちゃん」
「私に聞かれても…」
「スパリゾートっていうのはね…」
ティアナが501の皆に向けて説明する。
「成る程。プールとか風呂とかそういうのが集まった娯楽施設ということだな」
バルクホルンが簡潔に纏める。
「そういうことです」
「それで、そのスパリゾートがどうかしたのか?」
シャーロットが質問をする。
「皆でそこに行ってみませんか?」
「新しく出来た所だそうで、入場料半額らしいんですよ」
キャロとエリオが説明する。
「面白そうだから行きたい!」
「私も!」
真っ先に挙手したのはエーリカとルッキーニだった。
「いつ行くんだ?」
バルクホルンが訊く。
「次のお休みです。私達、隊長から纏めてお休みをもらったので。日付だと…」
スバルが日付を言う。その日はエーリカが哨戒任務に出なければいけない日だった。
「ハルトマン、確かお前はその日哨戒任務の当番だったな?」
「え…そうだっけ?」
「そうだっけ?、じゃない!全くお前はカールスラント軍人としての自覚が足りん!与えられた任務を忘れるなど言語道だ…」
「あーあー!聞こえなーい!私はスパリゾートに行きたーい!」
耳を塞いでエーリカはそう叫ぶ。
「貴様…!」
手が出そうになるのを堪えて、バルクホルンはエーリカを睨み付ける。
「他に行きたい人は?」
二人を見つつティアナが訊く。
「私も行ってみたいな」
芳佳が手を上げる。
「芳佳ちゃんが行くなら、私も…」
続いてリーネ。
「私も行くぞ」
シャーロットも手を上げる。
「バルクホルンさんはどうしますか?」
「私は別に…」
「ヨシカの水着姿、見れるかもよ?」
ボソッとエーリカがバルクホルンに告げる。
「……んんっ。たまには休むのも悪くないかも知れんな、ハルトマン?」
わざとらしい咳払いをしてバルクホルンは言う。
「じゃあ…!」
「だがハルトマン、お前はダメだ。任務があるだろう」
「えー、ケチー。いいじゃん、代わってもらうから」
「ダメだ」
「ケチんぼ。みんなー、トゥルーデはねー、ヨシ…」
「っ…!?わかったわかった、代わってもらえ!」
「やったー!」
脅され、仕方なくバルクホルンはエーリカの同行を許した。
「堅物軍人が珍しいな」
シャーロットが冷やかすように言う。
「リベリアン、黙っていろ」
悔しそうにも見える目で、バルクホルンはシャーロットを睨んだ。エーリカに弱味を握られているので仕方がない。
「サーニャちゃん達はどうかな?」
芳佳が口を開く。
「聞いてみよう」
スバルが言い、二人はサーニャ達の部屋へ向かう。

「スパリゾートかぁ…」
「エイラ、どうする?」
「せっかくだし行ってみるかー」
「じゃあ、決まりだね!」
二人の返答を聞くと芳佳達はリラクゼーションルームへと戻る。

「それじゃ、二人も加えて…」
と、そこへペリーヌが戻ってくる。
「ペリーヌさん、そっちはどうだった?」
ティアナが訊く。
「えぇ、坂本少佐も来ていただけるそうですわ」
「坂本さんもですか?」
芳佳が訊く。
「そうです。基地を空けておくわけにはいかないと言って行く気は無かったようでしたが、ミーナ中佐がせっかくだしたまには少佐にも羽を伸ばしてきてほしいとおっしゃったらお言葉に甘えて…ということです」
「楽しくなりそうですね」
「そうね」
キャロとティアナはそう言葉を交わした。

そして、次の休暇。
一同はセイバーズ基地近くのスパリゾートへ来ていた。
「広ーい!こんな建物、私達の世界じゃそうないですよ。ね、坂本さん」
「はっはっは。そうだな、この規模ならむしろ基地を建てるだろうなぁ」
「本当に戦争の最中に生きてるんですね…」
話す二人を見てエリオが呟く。それにしてもこのスパリゾート、本当に広い。とても日帰りでは回りきれないような広さがある。だからこそ、郊外に建てられたのであろう。
「シャーリーシャーリー、どこから行こっか?」
「そうだなぁ…やっぱまずはプールじゃないか?」
案内板を見ながらルッキーニとシャーロットがどこへ行こうかと話す。
「じゃあ、まずはプールに行こっか」
話す二人を見てから、ティアナが皆にそう告げた。

着替えを終えた一同はプールサイドに集まっていた。
「いっちばーん!」
「にばーん!」
エーリカが駆けていき、プールに飛び込む。その後にルッキーニも続く。
「飛び込み禁止という文字が読めないのか、あいつらは…」
やれやれといった感じでバルクホルンが呟く。
「まぁまぁ、今日くらいはそう目くじらを立てなくても良いんじゃないですか?」
そんな彼女に、準備体操をしながらスバルが言う。と、彼女もそれを終えるとプールに飛び込んだ。
「おーい、ティアー!はやくおいでよー!」
「シャーリー、早くー!」
スバルとルッキーニがそれぞれ呼ぶ。
「まったく…スバル、飛び込み禁止なのよ。分かってるの?」
言いながらスバルの方へと歩いていくティアナ。それにエリオ、キャロも続く。
「…」
『前々から思ってた。ルッキーニとスバル…あの二人…よく聞くと声が同じじゃないか!?』
一人、そんなことを思うシャーロット。
「リベリアン、そのネタは前にもやったからな」
そう考えていたシャーロットの背後から、まるで思考を読んだかのように声をかけ、バルクホルンが歩き去っていった。
「……」
何だか虚しくなったシャーロットはプールに入り、ルッキーニとはしゃぎだした。

「……」
「芳佳ちゃん?」
リーネがぼーっとしている芳佳に声をかける。
「…え、あ、リーネちゃん。どうしたの?」
「……」
ぼーっとしながら明らかに自分の胸部の辺りも見てきたためリーネはじとっとした目で芳佳を見る。
「何をそんなにぼーっとなさっていましたの?」
「それは…えと…い、行こっか!坂本さんも行きましょう」
ペリーヌに訊かれ、取り繕うように慌てていうと、芳佳は美緒と一緒に歩いていく。リーネとペリーヌもそれに続いた。

サーニャとエイラはプールサイドによくある、ゆったり出来るタイプの例の白い椅子に座って休んでいた。
「皆楽しそうだなー」
「そうね」
「……」
「……」
エイラのお腹が鳴る。
「お腹減ったなー」
「さっき食べたじゃない」
「あんまり食べてこなかったんだよー」
「そうなんだ。そう言えば、確かに食べてなかったね」
「……」
「……」
たただだ、ぼーっとし続ける二人だった。

「……ふぅ」
隊長用に用意された執務室で、ミーナは書類と格闘していた。息をつき、天井を見上げる。
「今頃、皆は楽しくやっているのかしら」
一人ぽつりと呟く。自分も行ってみればよかったかしら。そう思った。
「ダメね、美緒にああ言ったのに」
ーー基地のことは自分に任せて良いから、羽を伸ばして来てーー。
自分の言ったこととはいえ、今は若干の後悔があった。
と、扉がノックされる。
「開いています」
「失礼します」
入ってきたのはシャマルだった。
「あら、シャマルさん。珍しいですね」
「コーヒーをお持ちしたんですけど、いかがですか?」
「いただきます」