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GO NEXT! -最強魔道士達と最強戦士の珍道中膝栗毛!?

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「リナさん!! ゼルガディスさんったら、この国に雇われて、私のことを敵だって言うんですよぉっ!!?」
「こいつもおめぇらの知りえぇか。妙な気を感じるなぁ…」

 ゼルガディスは高く飛び上がり、着地した。リナ達を睨み、剣を引きぬいて構えた。

「どうやらそうみたいね…」
「悪いが、俺は依頼人が裏切らない限り、契約を遂行する」
「見上げたプロ根性だわねぇ」

 リナは皮肉を込めてそう罵った。一方モロスとマルチナは彼の姿に感激し、特にマルチナは応援していた。

「リナ、お前を殺す」

 ゼルガディスは静かに告げた。殺意が達こもってはいるが、実際リナ達にはそんな事には既に慣れていた。元々敵同士で戦ったことがあるし、もう1年ぐらいにもなる。

「待てよゼルガディス、本気なのかよぉ!!?」
「これも、俺が元の姿に戻るためだ」
「元の姿に戻るためですって…!!?」

 ゼルガディスは今まで人間の身体を取り戻すための方法を求めて旅に出ていたのであった。そのためにはどんな手段も選ばぬ、そういう男であった。

「そうだ。依頼料がわりにゾアナの魔道書を頂くことになっている」

 その言葉を聞いた悟空とリナ、ガウリイは顔を合わせた。

「なぁ、そのゼルってやつ」

 同様を全く見せない悟空が口を開いた。

「なんだ…、その、胴着を着た見知らぬ輩は…? それに、俺の名前を略して呼ぶな…!」
「おめぇの言う、そのゾアナの魔道書ってさぁ…」
「これのこと?」

 リナはあるものを取りだした。それは文字通り本物のゾアナの魔道書であった。
 ゼルガディスは唖然としていた。いつの間に横取りされていたので、当然取り返そうとした。
 勿論もう一人も黙っていられなかった。

「そっ、それはゾアナの魔道書…!! なんでお前が…!!」
「さっきお城に忍び込んだら偶然この保管庫に入っちゃってさ、折角だから頂いちゃったんだ!!」
「この泥棒!!!」

 モロスは、笑いながら経緯を話すリナを罵倒した。実際、喜びはそっちのほうが上だった。結局はガウリイや悟空にとめられるものの、本気でアメリアのことをほったらかしにして、この国を後にしようとしていたのだった。

「リナさん!! 私のことを心配して助けに来たんじゃなかったんですかっ!!!?」
「わりいな、元々オラ達はこいつを一目見るために来たんだ」
「酷いですよ!!! 私は正義の味方が囚われの身の私を助け出し、共に悪の根源に裁きを下すという展開を期待してたのにぃぃぃっ!!!」

―なんか変わったやつだなぁ…。

 悟空は、アメリアの美化しすぎた正義に対する志に汗を掻いていた。

「てか、リナによりゃ、オラ達もおめぇもはずれくじを引いちゃったようだぞゼル」
「何? どういうことだ!? ...ってそれに言ったはずだ!! 他人の名前を勝手に略すなって…!!」
「いいじゃない、あたしだってそう呼んでるんだから。…話を元に戻すけど、このゾアナの魔道書は残念だけど、あんたの役に立たないわよ」

 マルチナは忍び足で逃亡を図っていた。しかし、6人は気付いていなかった。
 リナはそのままゼルガディスに真実を話した。

「このゾアナの魔道書に書かれてあるのは、昔のゴーレムの造り方と操縦の仕方。それっきりだからね!!」

 つまり、ゼルガディスが元に戻るための方法は一行とも書かれていないということだ。モロスはその事実を隠し、わざと嘘を伝え、自分の用心棒に仕立て上げていた。
 彼は呆気に取られていた。

「そっ…、それは…」

 モロスが焦り始めた。事実だったようだ。自分のいいままに利用されていたことを後悔し、また自分を騙した彼を睨んだ。

「貴様の悪行もこれまでだ!!」

 ゼルガディスはすぐにリナ側に戻り、モロスに刃先を向けた。悟空は扱けそうになった。

「お前さぁ、結構わかりやすいパターンしてるなぁ…」

 ガウリイは呆れ事を言った。

「……だぁぁっ…!!!」

 モロスは逃亡を図った。しかし、悟空達は逃がす訳にはいかなかった。
 悟空は額に指を乗せ、瞬間移動して回り込みを図った。勿論、モロスの目の前に秒速で悟空が現れたのだから、驚かないはずがない。

「よっ!」
「なぁぁぁぁあああ!! いつのまに…!!!」
「よっしゃあ!! いいぞ悟空!!」

***

 一方マルチナはある倉庫の中に入っていた。円形の模様の中心にある装置に向かい、一つ一つ、レバーを回して作動させた。

 マルチナが見上げた先には、灰色の人型機械が塞ぎこむように座っていた。

「あっははははははは!! はははははははは!!」

 彼女が高笑いを無意識にしてしまうほど、余裕があった。

***

「さて、あなたには5つの選択肢があるわ」

 リナは次から指を折りながら、一つずつ条件を述べていった。

「一つはこのままあたしに成敗されるか、それともガウリイに成敗されるか、それともアメリアに成敗されるか、それともゼルガディスに成敗されるか、っでもってそれとも悟空に成敗されるか」
「どれも一緒じゃないか…!」
「あは〜、やっぱし〜っ?」

 ドSなリナの条件はもはや地獄であった。やり方が違えども、その点を除けばどれもモロスに取って2つの意味で痛い手段であった。

「仕方ないわねぇ…。じゃあもう一つ追加しよっかぁ? …あたしに口止め料を払って何もなかったことにしちゃうのはっ!?」
「アホォォォッ!!!」

 リナの無謀すぎる手段に、ついに突っ込みを入れたガウリイであった。

「あら、あたしは本気よ? こんなおっちゃん成敗したってあたしの懐が潤わないもん」
「ダメですよっ!!」
「ちなみに、どれくらい搾り取るつもりなんだ?」
「このお城まるごと全部かな!?」
「誰が出すかぁっ!!!」

 城を取る、つまり明らかに侵略に近い行動であった。勿論モロスは涙ながらに大反対した。

「じゃあ仕方ない、ここであたしが成敗してくれる!!」
「結局そうなるんか…!! ああっ…!!?」

 リナが構えると同時に地震が起きた。5人は後ずさりした。モロスが倉庫に目をやるとある事に気付き、逆転勝利を確信し笑い始めた。

「ふははははは!! ゾアナの魔道書と共に伝わる最終兵器、出でませ、オリハルコンゴーレムよ!!!」

 彼が言いきると同時に王室から灰色の巨人が屋根を突き破って立ち上がった。大きさは一番高い塔に匹敵するほどであった。

「でけぇ〜〜〜〜っ!!!」
「なんだありゃあ!!?」
「もしかして、ゾアナの魔道書に書かれてたってやつ!!?」

 パーティ一行はすっかり度肝を抜かしていた。

「このゴーレムのボディは並の呪文をも弾き返し、あらゆる直接攻撃も耐えるのよ!」

 操縦しているのはマルチナだった。これを持ちこむために、暫く悟空達のもとを後にしていたのであった。
 ゴーレムは跨ぎこみ、彼らに一歩を踏みこんだ。咄嗟に5人は回避した。

「千年の眠りから目を覚ませゴーレムよ!!!」
「お父様!! お任せください!!!」
「ああっ!! いつの間にいなくなったと思ったらあんなとこに!!!」

 リナ達はそこにマルチナがいたことにやっと気付いた。