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GO NEXT! -最強魔道士達と最強戦士の珍道中膝栗毛!?

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「運で助かるようなもんだったか、今の?」

 リナは遠くからその後の光景を見て、気楽に念を押した。
 ゼルガディスは、ゾアナ王国に雇われた日から今までの自分の振舞いを後悔し、落ち込みようが激しかった。彼はプライドが高く、その分脆かったのだった。

「いいじゃありませんか…。少なくとも一つの悪が滅びたことに違いありませんから…」
「何よアメリア、元気ないわねぇ…」
「私……、このままではセイルーンに戻れませ〜〜〜〜ん!!!」
「確かにこれじゃあなぁ…」

 4人の視線にあるのはゾアナ王国がかつてあった場所、今ではただの莫大なクレーターである。そこから多量の黒煙が湧きだしていた。
 アメリアは武力行使なしで口だけで交渉を進めて、軍縮を勧めたはずだった。これは、今回リナとの再会が引き起こした悲劇に過ぎなかった。

「あいつら、めっちゃわりいこと企んでたけど、結局はどっちもどっちってことかなぁ…」
「ちょっと悟空、どういうつもりよ…? さっきあんた、あたしにそれを甚だしく勧めてたじゃないの!!?」
「そうだけどさぁ…、…ときにおめぇ、“竜波斬”って、かめはめ波みてぇに力の調整が利かねぇのか?」
「そんなの利くわけないでしょぉっ!! でもあたしにとってはそれで満足よ!! …はぁ、何言ってんだか…」
「「「……はぁぁ…」」」

 悟空はアメリアとガウリイに一瞬目を合わせると、同時に深いため息をついた。
 かめはめ波は気合の入れ方によって威力が異なる。つまり大きければ、それなりの威力を持つことになる。ところが、“竜破斬”の場合、魔王の力を借りるので、またその力はあまりにも制御不能なので、結局全く関係のないところまでもあっという間に飲み込んでしまうのだった。

―ホントにあいつら、大丈夫なんかなぁ…?

 悟空は彼らのことを心配していた。すまないと思っていた。彼らが敵だとはいえども、結局は未遂に終わったことや、オリハルコンゴーレムを発動して悟空達を圧倒しようとしたが失敗に終わったことを踏まえれば、そんなに彼らの犯した今回の悪行は彼にとって大したことはないと思っていたのだった。

***

 一方ボロボロになり果てたマルチナは、ゾアナ王国の現跡地をトボトボと淋しく歩いていた。モロスは行方不明、非常時に備えた品物でさえも消滅してしまったので、今の彼女は王女らしからぬも、何処にでもいる一文なしと堕落してしまったのだった。
 彼女は強く拳を握り始めた。

「あいつ…! 覚えておきなさいよ!!! 魔人ゾアメルグスターの名に掛けて、必ず復讐してやるんだからぁぁぁぁっ!!!!」

 マルチナは大きく手を広げ、リナの復讐を誓った。リナは軽い気持ちながらもマルチナを助けようとしていたのだが、逆に目の敵にされてしまったのだった。
 一瞬、自分の服が肌蹴そうになったので、慌ててすぐに押さえた。
 今のマルチナの状態では、金銭的にも戦力的にもリナへの復讐を完遂するには程遠い。
 それに気付かず、パーティ一行は再び旅路に足を踏み入れたのであった。果たして、一体どんなことが起きるのやら…。