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GO NEXT! -最強魔道士達と最強戦士の珍道中膝栗毛!?

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 アメリアの鋭い目つきがリナを突き刺していた。万事休す。リナは大人しく目的を話すことにした。

「“異界黙示録”…。“異界黙示録”の情報探してたのよ…」
「なっ…!?」
「それはいいとして、お前世界中の盗賊をシラミ潰しするつもりかよ!?」

 それでも、ガウリイが彼女の行動に反論する。一方アメリアは彼女の目的を聞くと、既にクールダウンしていた。

「リナさん…。もしかして、ゼルガディスさんのために…」
「うああああっ!!! 違う違う違う!! あたしが欲しかったの!!」
「そういう割には顔赤くなってんじゃねぇか」
「ホントだ…。まさか…、本当に―」
「ぶっ飛ばすわよ…?」

 からかってくる悟空とガウリイを脅すリナだった。ちなみに、最近になって冷やかすというような遊び心が目立つようになった悟空であった。

「とにかく!! 盗賊のお宝と情報網ってバカにできないのよ!! お目当てのものにはけっこう確実な方法なんだから!!」
「いやぁ〜〜」

 5人は謎の拍手と感嘆に気付き、声の主がいる方に目を向けた。木材の上に先ほどの青年が悟空達を見下ろしていた。

「なかなか素晴らしい意義、僕は感服致しました」
「「「「なあああっ!!!?」」」」
「おめぇ、いつの間に!?」
「さすがは“盗賊キラー”とは名高いリナ=インバースさん…。もうその事に気付くとは…」

 すると青年は高く飛び上がり、リナの直前で着地した。彼女は当然ビビっており、やや引いた状態であった。それでも彼は顔を近づけて来る。

「いやぁ、密かに後を追ってきた甲斐がありました! 僕も色々あって“異界黙示録”を探している身…、よろしければ、僕の追っている盗賊から“異界黙示録”の写本を取り戻していただきたいと思いまして…」
「ええっ!?」
「“異界黙示録”の!?」
「写本だと!?」

 青年もまた、“異界黙示録”を探す旅に出ていたのだった。
 悟空は彼から異様な気を感じ取っていた。外見的にもあまりにも異様なオーラが漂っているように感じられるのだが。
 悟空達は目つきを変えていた。何故急に彼らのもとに現れたのか、何故“異界黙示録”のこと、リナ=インバースを知っているのか、これらを踏まえれば明らかに不審だ。
 火だるまになった丸太が真っすぐ倒れ、さらに炎を大きくした。

「あんた……、何者…?」

 リナが静かに問いかけた。

「ああ、御心配なく。決して怪しい者ではありませんから。御覧の通り謎の神官(プリースト)、ゼロスと申します!!」
「ぜ…、ゼロス…」

 急に彼の印象が変わった。
 今まで彼は悟空などを監視していたのだった。自分の目的を果たすために必要な人材を求めていたのだった。
 さすがにあそこでは暑過ぎて楽に話を続けられない。なので、彼らは山の麓にある小屋に入った。薪を燃やして明りをつけていた。

「随分人良さそうな顔をしてるけど、どうなの、あの男…?」
「自分のことを“謎の神官”と言いきっちゃう当たり、明らかに怪しさ大爆発ですよね…?」
「だよねだよね…!」

 リナ、ガウリイ、アメリアは集まってひそひそ話をしていた。ゼロスと言う名の青年の顔は愛想があり、誰でも触れ合いやすいような感じがした。未だに油断は禁物であった。

「でもよ…、写本のありかを教えてくれるって言うんだから、悪いやつじゃないんだろ…?」
「あのねぇ…、その写本が本物って保証はどこにもないのよ…?」

 ゼロスが薪を一本追加すると、リナ達の元にすぐに現れた。

「それは御心配に及びません!」
「うわっ!!」
「僕が追っている写本は、代々“異界黙示録”の写本を管理している由緒ある正しきとある寺院から盗み出されたものなのです」
「ってぇことは、おめぇんとこにとってそんなに重要なもんなんか?」
「そうは言うけどさぁ、じゃあなんだってあんたが盗まれた写本を追ってるわけ?」

 するとゼロスの口調が弱くなった。

「私は、その寺院に使える神官ですから。寺院の名誉に関わる事、出来ることなら事を荒立てずに取り返したいと、腕の立つ方を探してたのです…」
「おめぇ、利口なやつだなぁ…」

 悟空はゼロスのそういう善意に感心していた。

「う〜ん、一応筋は通ってるか…」

 リナも彼の話に納得した。とにかく、目的は違えども狙う的は一緒だ。ならば仲間を増やして、協力して写本を手に入れ、情報を供給しようじゃないか。そう思いかけた矢先。

「―という風に言われたら、信じてくださいますか?」
「「「「あらっ…!!!」」」」

 4人はこけそうになった。ゼロスの話した事は全て真っ赤なウソであった。ただ彼の巧みな話術に惑わされただけだった。

「おい、作り話かよぉ…」
「こらゼロス!! こっちは真剣なんだかんね、おちょくんないでくんない!!?」
「別にふざけてませんよ! 大筋は本当ですし、何よりこの役目はリナさん達でなきゃ困るんです」
「だから…、その理由は?」

 4人は詰め寄った。しかしゼロスは黙ったままであった。
 しばらく沈黙が続くと、ゼロスは人差し指を立ててこう言った。

「それは、…秘密です」

 4人はまたもやこけそうになった。教える気はないようだ。
 業を煮やしたリナは悟空ら3人を集めた。

「何ですか何ですかあの態度…!?」
「ちっとあれっぽいなぁ、うまく惑わせて最後に横取りするってやつ…」
「けあ〜〜っ、どこまでも人を食ったやつ〜〜っ……!!」
「け〜〜っ、人を食った…!? そんな残酷な奴に見えないんだけどな…」
「ドアホ〜〜〜〜〜っ!!!!」

 リナは言葉の綾がまったく通じないガウリイに鉄拳を一発喰らわせた。
 すると今まで黙って聞いていたゼルガディスが口を開いた。

「ふん、下らん…。いずれにしろ、同じ獲物を狙ってるとわかってる奴に、わざわざ協力してやるバカが何処にいる…?」

 彼はゼロスを冷たい視線でからかった。

「それならば、写本の中からゼルガディスさんに必要な情報は必ず提供するってのは如何でしょう?」
「…当てになるものか…」
「おやおや…」

 ゼルガディスはゼロスの襟首を掴んだ。今のゼロスの一言は、ゼルガディスのことは分かりきっていると生意気に言っているような感じがしたので、気に食わなかったのだった。

「貴様…、何を企んでる…!!」
「やめろよゼル、そんなにカッカすんなって!」
「まあまあ、過去に色々あってあんたが人間不信になる気持ちはわかるけど…!!」
「そうそう! ダメでもともとってこともあるじゃないですか!」
「俺はそんな悠長なことをするほど物好きじゃない…」
「じゃあ一体どうすればいいの?」
「言ったはずだ…。これはあくまで俺個人の問題だ」

 ゼロスの襟を離すと、ゼルガディスは小屋を出ていった。

「ゼルガディスさん…」
「か〜〜〜〜っ、もう自分勝手なんだから!!! いいわゼロス!! 要はその盗賊団に忍び込んで、写本のありかを探ればいいのね?」

 ゼロスを含むこの5人で捜索しなければならない。
 ゼルガディスに横取りされないために、自分が手に入れて呪文に関する手掛かりを掴むために、ゼロスの依頼を受け入れることにした。

「ただし!!」
「ただし?」