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GO NEXT! -最強魔道士達と最強戦士の珍道中膝栗毛!?

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「がははははは!!!」
「うひゃああああっ……!!」

 ボスの迫力に怯んでしまうリナ。そこでガウリイがアドバイスしようと専念した。

「おいどうしたんだ…! うまいこと会話を成立させろよ…!」
「だだだだって、どうすりゃいいのよ…!!」
「例のアレか…?」

 悟空がある方向に指を差した。ボスが胸の筋肉を震わせた。

「そうそうアレアレ…! さっきの胸ピクピクだ…!!」
「おっしゃあ!! いっちょ――って出来るわけがないでしょぉぉっっ!!!?」
「ごへぇぇぇっ……!!!」

 今度はパンチで突っ込まれ、ガウリイは吹き飛ばされた。
 するとそのコント的なやり取りを見ていたボスは少しずつ笑い始めた。

「ふふっ、むふはははははは!!! 面白いやつらだ…。まあそう怯えることはない。セイルーンの姫を捕らえて来るとはなかなか見所がある! 仲間となった証になにか褒美をとらそう! 金だろうとくいもんだろうとなんなりと言ってみろ!!」
「おめぇ…、いげぇとよくしゃべるやつなんだなぁ…。…じゃあくいもんを―」
「ぜんぜんちがーう!!!」
「いってぇぇぇっ……!!!」

 今度は悟空がリナに頭をひっぱたかれた。

「…じゃあ話は早いわっ! へへっ、でしたら、“異界黙示録”の写本を頂けると嬉しいんですけど!」

 意外と接しやすい性格だと納得したリナは早速、交渉に入った。

「写本!? そんなもん欲しければいくらでもくれてやる! 好きなだけ受け取れぇぇい!!」

 これで写本が手に入れば、リナのシナリオは完璧であることが立証される。
 しかし、ここからがオリジナルだった。
 一気に沢山の獣人が現れ、悟空達を囲んだ。

「おい…。これらが例の写本なんか?」
「んなわけないでしょ…!! ばれてたのよ!!」

 3人は衣装全てを取り払った。

「その通りだ! あれを狙って侵入者があることは先刻承知よ! ものどもかかれぇぇっ!!!」

 ボスの叫びを皮切りに、一斉に獣人達が襲いかかってきた。

「しゃあないなぁ…。やったるわぁぁぁい!!!」
「やるっきゃねぇか!」

 3人は構えた。

***

 一方忘れられがちであったアメリアはここぞと縄をほどいていた。

「リナさん達うまくいってるかしら…? もうそろそろかな…?」

 目を閉じて、気持ちを切り替えた。いまこそチャンスだと思い、一念発起した。

「“フレア―”」

 アメリアは“炎の矢”を使って牢屋を破壊し、脱出を試みた。次の瞬間、謎の振動が彼女を襲った。

「うわっ…!!」

 彼女は思わず尻餅をついた。しかし、それだけでは終わらなかった。天井にはひびが入り、一気に破片が崩れおちてきたのだった。

「ええっっ、なんでぇぇぇぇっ!!!!? おあっ―」

 彼女が見上げた頭上には大きな破片があった。

***

 それもそのはず、悟空達があの部屋で大暴れしているのであった。

「“火炎球”!!!」

 リナは呪文を駆使して獣人を吹き飛ばしていた。既にここにいる敵はまっ黒けで燃え盛っていた。彼女にとってはこういうのは茶番である。

「な…、なんじゃこのベラボーな強さ…!! こりゃ話が違うぜぃ…!!」

 ボスは目にもとまらぬ速さで逃げていった。

「おい、逃げたぞ!」
「ああっ待て!! 悟空、ガウリイ!! ここをお願い!!」
「おう!!」
「任せろ!!」

 リナはあとの敵を2人に任せ、ボスを追跡した。
 彼女が出発すると同時に更なる敵が攻め込んできた。

「来るぞ!!」
「おっしゃあ! こっちもひさびさにいくか!」

 ガウリイは鞘から剣を抜いた。しかし、彼の剣は少し違っていた。刃先がないのである。普段はあるのだが、それはただの仮の姿でしかなかった。

「光よ!!!」

 彼がそう叫ぶと柄か光がら放出されて光の刃を作り出し、刀身に形成された。

「てあああっ!!!」

 彼は剣を振って、敵をなぎ払った。
 ちなみに、彼の剣は“烈光の剣(ゴルン・ノヴァ)”、通称“光の剣”である。伝説の剣の一つであり、人の意思を光の刃として具現化し、相手の精神を断ち切り、物質的な破壊力を放つという性質を持っている。
 悟空は一人ずつ吹き飛ばしていた。勿論格闘である。剣を折っては気絶させたり、おどかしたりして次々とひるませていた。
 上から敵が襲いかかり、悟空を包みこんだ。しかし…。

「であああああっ!!!!」

 彼の全身から一気に気を放ち、彼を包み込む全てを吹き飛ばした。
 それでもなお、次々と獣人が増えてくる。例え一人一人がそんなに手間がかからなくとも、今の状態は完全無欠のいたちごっこである。むしろ、どれだけ部下を従えているんだと不思議でたまらない。
 一時2人は一点に集まった。

「くっ…、キリがないな…!! これじゃあこっちが疲れるのも時間の問題じゃないか?」
「いや、オラはまだそんなにパワー使ってねぇけどな…」
「そうか…。意外とお前はタフなんだな…」
「おめぇこそ」

 そして次なる集団が襲いかかってきた。

「よぉし、第3レーン!!」

 実際3人が全滅させたグループは今のところ2組である。悟空とガウリイはそのまま集団の中に突っ込んでいった。

***

 一方リナはボスを追跡中だった。自分のシナリオに沿わない展開が繰り広げられたのでイライラしていた。

「んもう…!! どうなってんのよ!? せっかく立てた段取りが台無しじゃない!!」
「いやぁ、そんなことはありませんよ」
「え…、ええっ…!?」

 リナが振り向くと、いつの間にかゼロスが現れており、一緒に追跡していた。

「一応僕の計画通りに進んでいますから!」
「“僕の”…? …ってんああっゼロス!! 一応計画通りってどういうことよ!!?」
「実は写本を狙う連中がここに来ると密告したのは僕だったりするんですよ!」

 衝撃を受けた。いきなりの爆弾発言である。リナは急ブレーキをかけ、彼に怒りをぶつけようとした。

「ぼく〜〜〜っ!!!?」
「それより、もうすぐ写本のありかに着きますよ!」
「ああっ…!」

 しかし、ゼロスは笑顔のままでペースを緩めず、ボスを追いかけていった。でも今は写本が先だとリナも思い、ついていった。
 ボスは隠れ部屋に入っていった。そこには今まで盗んできた金貨や財宝、骨董品などが腐るほど置かれてある。彼は金貨の山をよじ登り、ある額縁を壁から外した。

「冗談じゃねぇや!! 誰があんな女のチョチョイのチョイだぁぁっっ…!!? これだけでも意地でも渡さねぇからな!」

 その額縁のガラスを何度も踏んで粉々に割り、その中から紙切れ数枚を拾った。これこそが、ゼロスの言う“異界黙示録”の写本である。
 この様子を天井裏からリナとゼロスが監視していた。

「ほらね? やっぱり人間ってパニックになると必然的に自分の一番大切な物を取りに行くようです」
「あぁん…!? だからわざと騒動を起こして、本人にお宝のありかを案内させたのぉぉっ!!? いけしゃあしゃあとあたしを利用してぇっ!!?」
「利用? う〜〜ん…、……そうとも言えますね!」