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GO NEXT! -最強魔道士達と最強戦士の珍道中膝栗毛!?

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「でもよかったですね…。これでゼルガディスさん、元の姿に戻れる可能性が高くなったんですし…。でも…、正直ちょっと寂しいです…。かけがえのない仲間であるゼルガディスさんにお別れを言わなければならないなんて…」
「まぁな」
「いや悟空『まぁな』じゃなくて…! それにアメリア、別にゼルガディスは死ぬわけでも二度と会えないわけでもないじゃないか…!」

 別の意味で涙ぐむアメリア、無意識に返事する悟空に突っ込みを入れた。

―さてと…、これで手掛かりをつかめる…。

 早速、ゼルガディスは写本の1ページに目をやろうと開いた。
 しかし、目を向けたと同時に緑の炎が立ちあがった。全て燃えると同時に灰となって地面に散らばった。5人は驚いていた。

「そ…、そんな……」

 特にゼルガディスはショックを隠せなかった。折角ここまで来たのに全て水泡に帰してしまったのだった。3人はすぐにリナ達の元に駆け付けた。

「お〜いリナ、ゼル!! 大丈夫か!!?」
「あっ、みんな!!」
「いや〜。どうやら僕の探している写本とは違っていたようです。貴方達に余計なものを見せてしまっては困るので、処分させていただきました

 天井からゼロスの声が響き渡った。

「なんだとぉぉっ!!!」
「ああそうそう…。ゼルガディスさんの知りたがっている情報もそれにはありませんでしたから、ご安心ください」
「そっか、ならいいや」
「「いいわけあるかぁぁっ!!!!」」
「そうだった…!!」

 唯一納得する悟空に、一番ストレスが溜まっているリナとゼルガディスに喝破された。

「いずれまた貴方達にお会いすることになるでしょう。その時はまた一つ、よろしくお願いします」

 また彼の声がしたので上を向いた。

「ゼロス!! あんたの本当の目的は何!?」

 リナが問うと、天井にゼロスの影が浮かび上がった。

「それは…、秘密です」

 ゼロスは決まり文句を言う、影はあちらの方へと消えていった。

「うぐぐぐぐっっ…、ぬわああああああああああっっっ!!!!!!」

 ゼルガディスが悔しがって叫びを上げると、一気に力が抜けたかのように後ろに倒れた。

「ゼルガディスさん!!!?」

 リナ達が彼の元に慌てて駆け付けた。彼は精神的に重傷であった。

***

 いつの間にかすっかり夜が明け、山から朝日が顔を出していた。その光を浴びながらパーティ一行は旅を続けていた。しかし、謎の神官ゼロスについて腑に落ちない事ばかりだ。

「なんかとんでもない災難にあったみたいだなぁ…」
「全くよ! このあたしをダシに使うなんて、“竜波斬”もんよね!」
「一体なんだったんでしょうねあの人?」

 しかし、まだ腑に落ちない事がもう一つあった。

「その点ゼルガディスさんはさすがですね!! 一人でどうやって秘密の場所を突き止めたんですかっ!?」
「ギクッ…!」

 アメリアが目を輝かせながら質問すると、ゼルガディスの足が止まった。

「ホント!! さすが大見得切って飛び出すだけのことはあるわねーー。でもどーやって写本を見つけたのかなー」
「そっ…、それはだな…」
「いっちゃいなさいよゼル…」
「おいおい…」

 リナがからかう程度に迫ってきた。切羽詰まった彼は奥の手を使った。

「あの…、それはだな…、秘密だ!!」
「おめぇ、ホントはあいつのこと気に入ってんじゃねぇのか?」

 ゼルガディスの今の行動はゼロスの時とそっくりだった。悟空がそう言うと慌てて自分の有様を確認し、すぐに何もなかったかのように普段のままに戻った。

***

 アジトの焼け跡からはすっかり鎮火していた。そこに、先ほどの男が歩いていた。

「とんでもないことする奴らだな…。ん?」

 男はあるものを目にした。それはゼロスが焼却処分した写本の一部であった。

「これは…、写本か?」

 それを地面に置き、杖で一突きつくと燃える直前の状態に復元された。彼はそれを拾い、内容をざっと読んでみると、一気に顔色が曇ってきた。

「なんだあ…? ただの絵空事でじゃねぇか…。くだらん!」

 そう罵って後ろに投げ捨てると一瞬で燃えきった。
 実はその写本には“異界黙示録”の内容には一切触れていない事柄ばかりが書かれていた。どんな内容かは、現存していたアジトの性質をヒントに、個人それぞれで想像してほしい。

「まったくゼロスの奴め、獣王からどんな教育を受けてきたんだ? 未だに卑劣のままではないのだろうか…?」

 何故かこの男はゼロスに関することまで知っていた。

「さてと…、この先一体どんな事象が待ち受けているのだろうか…?」

 男は振り向き、この場を去っていった。