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GO NEXT! -最強魔道士達と最強戦士の珍道中膝栗毛!?

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「おっちゃん…、知ってんのか? “異界黙示録”のありかを…?」
「ぜ〜んぜん知らん」
「だぁっ…!!」

 即答したのでつい転びそうになった。何故“異界黙示録”の名を言っている癖に、知らないと言ったのか。
 しかしこれは、彼が自分の素性を悟られないためである。彼は片手で顎を掴んで横に傾け、思い出そうとするような仕草をした。

「まぁ一文字一文字のカタカナはあるがなぁ、そんな単語聞いた事一切ないわ」
「カタカナって、なんて無理やりな…」
「クリアファイルなら知っとるけどなぁ…。なんだ、そんな紛らわしい名前は…?」
「ガチで紛らわしいのはどっちじゃい!!?」
「お前だろ」
「なんでっ!!?」

 リナはこの時反語で言ったつもりなのだが、なりふりかまわず答えられた。

「ああ〜〜っ…!!! 何よ…、このムカつくおやじ…!!」
「ロンだけど?」
「誰も名前なんか聞いとらんわ!!」

 ノホホンとした顔で、自らを名乗った男に突っ込みを入れた。

「もう…!! こんなヤツほっといて、みんな行くわよ!!」
「ああ…」
「まぁまぁ、そう怒らずに待ってくれや」
「誰のせいでこうなったのよ!!?」
「お前じゃい」
「答えんでもいい…ってさっきからアンタのせいに決まってんでしょーが!!!」

 業を煮やしたリナは仲間を連れて、出発しようとしたが、そのロンと名乗る男に呼び止められた。ムカつきながらもリナは振り向いた。

「ったく…、今度は何よ…?」
「そのクリアファイルやらとか、それらしき魔道書があるとされる場所は知ってんだけどな…」
「“クレア・バイブル”よ!!!」

 リナが怒りを爆発しながらも訂正した。

「まぁまぁ…。その魔道書のありかは…、そっちの方だ。ついてこい」
「ホントかおっちゃん? そんな簡単に手ェ入るもんなんか?」
「入った事ないからわからん。だが微かな可能性にかけてみるってぇのも、悪くねぇだろ?」

 そのままロンは出発していった。未だに一行は腑に落ちなかった。

「で、どうするんだリナ? このままあのおっちゃんについていくのか?」
「そんなのアタシに訊いたって…、早速ゼル出発してるし…」

 リナが親指で差した方には、早速足を踏み入れているゼルガディスの姿があった。

「ええっ…!? 信憑性がないのにそれでも行くんですかぁっゼルガディスさんは!!?」
「もう…!! 最近このことになるとああなっちゃうとはねぇ…!! でも…、行ってみなきゃわからないってのがオチってもんよ! あのおっちゃん気に食わないけど、このままついていくしかないわね!」

 渋々ながらも一行は出発した。
 ところがどっこい、ある時は幅広い川を渡り…。
 ある時は険しい山を登って下り…。
 というように、ある意味あの話から脱線しているように見えた。ただの趣味にすぎないのではないのかと思った。ジリジリとした日が皮膚を焼き付ける。悟空やロンを除いて他の3人に疲れの色が浮かび上がっていた。

「はぁ…、はぁ…、こんなんで…、ホントに…、ありかに着くと言えんの…!?」
「これじゃあ無駄足に過ぎないんじゃないか…?」

 とうとう愚痴を言うまでにもなった。

「おい、そこのオレンジ色の服。ちょっとオレの元に来てくれんか」
「えっ? オラか?」

 何故呼ばれたのかわからなかったが、とりあえず悟空は彼の元に向かった。

「なんだおっちゃん?」
「お前、以前空から真っすぐ落っこちてきたヤツだろ?」

 杖で彼の身体をつつきながら尋ねてきた。

「うえっ? 知ってたんか!?」
「なぁに、あの時オレが旅してた時、遠くから見てたんだ。まるで撃ち落とされた鳩の如く、いや…、彗星の如く真っすぐ垂直にズドンだったからなぁ…! おまけにそっくりな声で悲鳴が響いとったからのう。それにしても、この世界の何処に行っても全然見かけん服装だが…。それに―っってうおおい?!!」

 ロンが振り向くと、ロン達とリナ一行との間の距離が大きく広がっていたことに愕然とした。すると彼は懐からメガホンのような筒を取り出した。

「ちょいとごめんな…。お前ら、まだ若もんのくせにたるんどるじゃないか!! しっかりせんか!!」
「アンタらの足が速すぎんのよ!!」

 リナは負けじとメガホンなしでも、それに負けない大声で応えてきた。

「甘えとる場合か…。すまんのう、オレの連れが…、じゃなくてお前の仲間か…」

 あまりのマイペースに、ただ困惑するだけしかできなかった悟空。

「話がずれたが、あの時一体何があったんだ?」
「ああ、あの時はなぁ…」

 悟空はロンにあの事を話した。神龍のことではなく、ふと眠りに着いたときに目を覚ますとこの世界に自分がいたと、信用されやすいように少し改変して話した。

「そうかそうか…。おそらく、“|平行世界(パラレル・ワールド)”という概念に基づく空間にお前は迷い込んだのだろう…」
「“パラレル・ワールド”…?」

 悟空はその言葉を反芻した。
 同一の時間を、同一の宇宙で、同一の人間が生活を営んでいる。しかし、それらは全て別々で何の因果関係をも持たないのだ。
 悟空の世界を例に挙げるとしたら、未来の方のトランクスのことである。2人の人造人間によって悟空以外の戦士が戦死し、彼一人で戦わなくいけなくなった。しかし自分と人造人間との実力の差があまりにも広すぎる。そのために彼は歴史を変えようと、過去に戻って悟空達にこの悲惨な未来があり得る事を警告した。
 この事で歴史に大きな矛盾が生じる。トランクスの世界に出る筈がない敵が次々と現れたのだ。このことでさらに厄介になってしまったのだ。しかし、悟空達の活躍で間一髪で食い止めることが出来た。つまり、地球の未来を変えたのだ。
 そのことで、未来のトランクスの世界と悟空の世界は何も因果関係を持たなくなり、要は後者を“現実世界”とすれば、前者は“平行世界”ということになったのだ。ただ、彼の母であるブルマが開発したタイムマシンは、どんな時空も飛んでいけるので、確かなのかどうかは言えないが。

「わりいけど、なんだか難しい言葉ばっかでまったくわかんねぇや…」
「わからなくていいんだ、世の中なかなか理解できんもので詰まってるし、あくまでこれは哲学みたいなもんだからな…」
「さらにチンプンカンプンになってきた…」
「まぁオレが言えることは…、今お前がいる世界はお前の世界とは全くの別物で、案の定ここにはお前を知る人間は誰一人もいねぇ」

 もし自分と瓜二つの姿を持つ者に出会ったとしても性格などがそもそも違う。悟空を知るのは悟空自身のみである。
 このとき悟空は初めて、自分の置かれている立場がどういったものか理解したのだった。

「ってぇことは、けっこう離れたとこにオラは飛ばされたんか?」
「そうじゃ。それから、…残念だが、この概念は今でも科学的に実証されとらん。未だにお前を元の世界に戻すことは事実上不可能だ」
「そっかぁ…」
「わりいな、何も得にならん話をしてしもうて」

 ロンから見ては落胆したような感じがした。別世界から来たという話を別に信じきっているわけではないが、しよっキングな話をすべきではなかっただろう。ところが、