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GO NEXT! -最強魔道士達と最強戦士の珍道中膝栗毛!?

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「……ま、いっか!!」
「だぁぁぁっ……!!!」

 彼は大きく転んだ。悟空も、ロンに負けないほどの立ち直りの速い男であった。

「リナさん、あのおじさん何故か転びましたよ…」
「そんなこと、どうだって、いいじゃないのよ…! それより、アタシ達何だか蔑ろにされてない…!?」
「下らん…」

 一方、ロン達から距離を置かれているリナ達は愚痴をこぼしていたのだった。
 ロンは手前にある大木に手を置いて項垂れていた。勿論、悟空は何故彼がそんなことをしだしたのかは全く分からない。しばらくすると彼は振り向き、『待て』と言っているかのように、広げた両掌をを前に突き出して振ってきた。

「ちょっと待ってな…。待て…。今お前はどこにいる?」
「へっ?」
「いいから答えろ…」
「ああ、オラんとことは全く違ってる世界…? …もう何回も言ってんのに、急にどうしたんだおっちゃん?」

 悟空にとっては不思議に思うばかりだった。

「『急にどうした』じゃなくて…。お前、うまい棒並みに軽いんだな…」
「なんだ、そのうまい棒ってぇのは?」
「あぁそれは、なんかサクサクしてて……ってそんなことはどうでもいいわ! 何故に故にそんな楽観的でいられるのかが妙に不思議でたまんねぇんだよ!!」

 ロンは悟空を心配したことを後悔した。こんな消極的な状況に立っているにもかかわらず、それでも笑顔でいられるのが非常に不思議でたまらなかった。

「だってさぁ、ただ落ち込むんじゃ何も進まねぇし、楽しくねぇかんなぁ! それに、別にオラがいなくても、代わりにあいつらがチチを支えてやってるにちげぇねぇ…」
「お前、血も涙もねぇだろ…?。なんかに取り憑かれてるのか…?」

 もはや彼は驚き呆れるだけでしかできなかった。とはいえども、彼も普通に悪戯をしたり、気ままに旅をするくらいだから、悟空とほぼ似たようなものであった。
 ちなみに、“あいつら”とは悟空の息子である悟飯と悟天、そして唯一の孫娘であるパンのことである。彼が愛してやまない子供たちであり、共に闘ったりするなど、非常に絆が深かった。
 しかし、あの日に遠回しなお別れを告げて神龍と共にあの世界を去り、しばらくして戻ってしまっては彼らにはすまない。そう心が詰まるような思いをたまにする事がある。しかし、心の9割がこの世界に対する期待感である。あまりにも身勝手すぎるが、旅をして自分よりすごい者に出会えることに嬉しくてたまらない。

「ヘンなヤツ…」

 そう呟きながらも、再び出発した。その時はやっとのことでリナ達が追いついてきたのだ。

***

「着いたぞ」
「随分時間かかったもんだなぁ…。いってぇどれくれぇかかったんだ?」

 すると4人が息切れの状態で到着した。ロンはその様を見て呆れていた。

「大丈夫かおめぇら…? めっちゃ息が切れてっぞ」
「なんだ? たかが徒歩2時間ぐらいでお前らこんなにへこたれるなんて、若造のくせになんて情けない…」
「2時間!? それで十分ですよ?!! そう言ってるあなたはどうなんですかっ!?」
「オレか…。この通り未だにピンピン―」

 するとロンは前に倒れて、地面に着きそうな位置の所で、さらに前の所で杖を突いた。
 簡単に言えば、某有名歌手のダンスの一場面のようなポーズを取っていた。

「そういうおっちゃんも疲れてんじゃないかよぉ…」
「疲れとらん!! ふくらはぎに溜まった乳酸を追い出しとるだけに決まってるだろ!!」
「言い換えてごまかすな!!」

 一行は大きく喘いでいた。日向にいる状態で長時間もハイキングをしていたのだ。山を登り、河を渡り、長い長い坂を上っていたり、さらに気温が高い状況だったので、疲労度が増すばかりであった。

「もう…!!! さっきまでアタシらを差し置いて…!! ホントに案内する気があんの!!?」
「さぁてここだ。魔道書の在り処は…」
「人の話を最後まで聞けぇぃぃっっ!!!!」

 悟空達の目の前には、大きな大きな入口が立っていた。
 一間休憩を入れた所で、一行はその中に入っていった。
 ロンという名の、突如悟空達の前に現れた謎の魔道士に案内され、2時間の過酷なハイキングの末に辿り着いた謎の洞窟。彼らは“明り(ライティング)”を用いて、そのまま坂を下っていく。一体ここはどこなのだろうか。誰もがそう思ったのだった。

「ここは何ていうとこなの?」

 リナが彼に尋ねた。

「この洞窟は、“狡猾たる洞”という名で知られている」

 そのままロンが話し始めた。
 何百年か前、とある有名な魔道士が近くの村に身を潜めていた。その魔道士はとてもずる賢く、自分が魔道士であることに乗じて、数え切れぬほど沢山の悪事を働いていた。自分に有益な魔道書をあちこちから集めていたり、盗みを犯したりなどしていたのだ。
 しかし、バチがあたったのか、彼は若い歳で不治の病にかかってしまったのだ。死ぬ間際に、誰も入ってこれぬよう、ここに多種に亘る罠を仕掛け、自分にとって最も重要な魔道書を奥深くの場所に隠したということだ。

「なんだかそいつ、リナにそっくりそのまんまだなぁ…」
「何よそれ!?」

 リナは今彼の漏らした一言を聞き逃さなかった。やることは正反対だが、性格がほとんど同じといえるのも事実である。

「魔道士であることを逆手に悪事を働くなんて…、そんなの私がガツンと懲らしめたいところです!」
「とっくに死んでいる奴に因縁つけてどうするんだ? …しかし、その魔道書が、“異界黙示録”の写本である可能性が高いということなのか?」

 ゼルガディスはそう解釈した。しかし、それとは裏腹にそんな貴重な書をよく手に入れることが出来たもんだなと疑問に思うばかりだった。

「いや、そうとは限らねぇ。そいつはお前らみたいに魔術に長けておるわけではないそうでな、悪事を働いたとしても、僅かな範囲での上でのことだったそうだ」
「それにしてもアンタ、そのことよく知ってるだわねぇ…」
「まぁ、オレはそいつの存在を以前見かけたんで―」
「『以前』? 『以前』って、その魔道士は何百年前にとっくに死んでるんでしょ? なのに『以前』って、…生き返って彷徨ってるっていうの?」

 するとロンの足が止まった。内心焦っているように見えた。

「あのな…、今のは言葉の綾とも言えるが…」

 リナの問いに、彼はそう言い返した。それでも彼女は納得しないままだった。

「なんか怪しいわねぇ…。さっきもアタシ達が魔道士だと知ってるようなこと言ってたし…。もしかしておっちゃん、その魔道士となんか関係あるんじゃないのっ!? アタシ達を欺かせて息の根を止めようってつもりっっ!!?」

 彼女はロンに詰め寄った。それに対しロンは腑に落ちないと、内心プツンと切れ、負けじと反論し始めた。

「なんだと? 確かにオレは悪戯する気満々だったがそこまで疑うこたぁねぇだろ? やはり“ぺちゃばあさん”のお前さんは、胸の小ささと心の小ささが比例してるんだな」
「おかしいでしょ最初の一言!! それに、そんな焦りで言い逃れしようたって、アンタの―」