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GO NEXT! -最強魔道士達と最強戦士の珍道中膝栗毛!?

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 そしてついに目的地に着いた。ここに限っては天井までの高さも、この場所の広さもこの洞窟で最大であった。
 こここそが、“異界黙示録”の写本らしき魔道書が置かれている広間である。奥に魔道士の墓と思われる一つの棺桶がポツンと置かれていた。

「ここに写本があるってわけか…」

 悟空が呟いた。

「それにしても地味ねぇ…。大事なもんを隠したにしても、言葉にならないほど退屈じゃないの…」
「だが、写本を手に入れたことに変わりはない。俺はとっとと中身を知りたいんだ」
「わかってるわよ」

 そう言って、リナは魔道書があるとされる棺桶の方に走りだした。その時だった。

「はっ…!! 危ないっ!!!」
「うわぁああっ……!!?」

 何かに気づいたガウリイが咄嗟の判断でリナをかばったと同時に、その足場が爆発した。

「だっ、大丈夫ですかリナさん!!?」
「いったぁぁ…、っていつまで触ってんだ!!」
「うわっ!!!」

 リナは突っ込みの意味合いを含めて彼を蹴り飛ばした。

「ハハハハハ!!!」

 そして謎の笑い声が空間内に響き渡ったのだった。

「君達、よーくここまで来れたね!!」

 急に声がした。一行は見回すと、魔道書が置かれている台座の目の前に、さっきまでいなかったはずの少年が立っていた。黒いラインが施されてる真っ白な服を着ているが、そんなに魔道士だと思えそうになかった。

「なんかちょっと…、私のイメージと大きくかけ離れたような…」

 あまりの差に、アメリアは失笑してしまった。強そうでごついイメージを思い浮かべていたのだが、落差があまりにも激しく、それに加え、外見を見ると納得するようにまだ若く、あまりにも喋り方が幼稚ぽかったのだ。

「驚いたよ。僕が仕掛けた罠を乗り越えた人なんて、君達が初めてだからね」
「なにもんだ、おめぇは!」

 悟空が大きな声で問いかける。ロン以外リナ達も目の色を変え、彼の方に顔を向けた。

「僕? ああ、君達が噂などで知った魔道士張本人さ。君達は僕の事を知ってここに来たんじゃないか?」
「何だって?」
「どういうこと!? とっくの昔にここで死んだはずじゃなかったの!?」
「そうさ! 本来はね!」

 彼がそう言う。
 とはいえども幽霊にしては、姿が透明でも半透明でもどちらでもないのは、明らかにも胡散臭い。

「でも、死ぬ間際に夢の中で“ヘンなヤツ”に出会ったんだ。『お前の願いを叶えてやろう』って言われてここに一生いる代わりに、“すごい力”を手に入れたんだ!!」
「“ヘンなヤツ”ですって?」
「ヘンなオッサン?」
「違う意味に置き換えるな!!」

 その魔道士はそれに誇っているかのように言い放った。

「だが、“異界黙示録”の写本は…?」
「“クレア・バイブル”? …何それ? 僕はあらゆる所から魔法に関する書物をかき集めてきたけど、さすがにそういうの聞いた事ないなぁ…」
「何!?」

 ゼルガディスは動揺した。

「何だか知らないけど、とんだ災難だったね!」
「アンタのいたわりなんか結構よ! こっちなんてしゃらくさいジジイにやけにしゃれまわされたせいで散々な目にあったんだから!!」
「さぁ? 何のことか…?」

 ロンはそっぽを向いてとぼけた。しかし、無視されただけであった。
 しかし、リナの言っている事は正当かつ事実である。実際ここには写本がないというのも大きいが、ほとんどの原因はわざわざトラブルに付き合わせたロンであった。

「でも、君達を帰したりはしないよ! 何故なら君達がこの力の餌食になる初めての人達だからね!!」

 魔道士はそう言い放つ。リナはこういう馬鹿馬鹿しい展開にストレスを感じるようになっていた。

「あのねぇ、アタシ達はここに探しもんがあるからと聞いて出向いただけで、別に待ちぼうけのアンタなんかと戦う気なんかさらっさらないわ。悪いけど、別の相手に回してちょうだい。行くわよ」

 リナはそう言い放ち、この場を後にしようとする。しかし、それでも認めないままだ。
 魔道士が手首を下におろすと、入口が瞬く間に消えた。

「んなっっ…!!?」
「さっき言ったばかりだよ。僕は本気だからね、十分に楽しませてもらわないと」

 彼はささやかに笑っている。どうしてもこの魔道士をどうにかして片付けなければここからは出れないようだ。

「随分何気に自信あるんだなぁおめぇ…」
「チッ…、ムカつく顔しやがって…、いちいちしつけぇ野郎だなぁ…。わーったよ…、オレ達が相手すりゃいいんだろ?」

 ロンがそう言い放つ。

「やっとする気になれたようだね」
「ちょっと…!!」
「やってみなきゃわかんない…。さっき、お前さんそう言ったじゃないかぺちゃばあさんよぉ…」

 確かに悟空一行がロンに初めて出会い、ここに目がけて出発する前にリナはこんなことを言っていた。
 しかし、彼女にとってはそれは『あれはあれ、これはこれ』みたいなものであった。
 また、最後に言った彼の一言が引き金を引いたのであった。

「“火炎球”!!」

 怒りの一球が彼に目がけて投げつけられた。
 …と思いきや、何も起こらなかった。

「何っ!?」
「“炎の矢”!!」
「どわっ…!!!」
「うああっ…!!?」

 その一方で魔道士は何不自由もなく魔術を駆使し、一行に攻撃してきた。避けるだけでしかできない一行。

「そうか、今その子が出そうとしたのは“火炎球”…。やっぱり僕と同じ魔道士の人達なんだね」
「そりゃそうだが」
「アンタが答えてどうするっっ?!!」

 即答したロンにリナが突っ込みを入れた。

「ハハハ!! 今僕のいるこの場所も、そのためだと思って結界が張られてるのさ。僕以外の人限定だけどね」
「何よそれ!! アンタしか魔術使えないって、どうかしてるわよ!!」

―そこまで対策を練ってたとはなぁ…、どんだけ結界好きなんだこいつ…。

 それに対し、彼は下らない言い訳を言ってきた。

「だって今やってるのは僕中心みたいなもんだよ? なのに僕がやられてばかりじゃあ成り立たないじゃないか」
「ふざけるな!!」

―エゴ丸出しの言い訳ばっかしやがって…、ってやられてばかりって今始めたばっかだろうが…! アホにもほどがあるわなぁこいつ…。

 表には出さないが、実際彼の裏ではいらつきを感じていた。
 とはいえども誰も魔法を使えないのでは、今回の戦闘はしゃれにならないほど一方的なのは確かだ。しかし、方法はあった。

「待てよ…、ってぇ事はオラかガウリイがいかなきゃいけねぇってことか…」
「そうだ!」

 この中で魔力を使わなくとも十分に戦える力を持っているのは、悟空と、光の剣を持つガウリイの2人だけである。しかし、どちらかというと悟空の方が意欲が強かったのだった。

「そんじゃあ、久々にオラが行ってみっか」
「お、おい、本気でやるのかよ?」
「なぁに、すぐに終わることじゃねぇか」
「ああ、いっぺんこいつの根性をしばいたれ!」
「ああ。あと、オラ一人で大丈夫だから」

 そう答えると、悟空は彼と対峙した。

「君一人で行くつもり?」