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GO NEXT! -最強魔道士達と最強戦士の珍道中膝栗毛!?

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「仕方ないでしょ。こいつがどうしてもあたしと闘いたいって言ってるんだから。ただ…、あたしからの軽い返事をするだけだから!」
「はぁ…。ってなんだ今の間は?」

 彼はため息をついた。

「『黄昏より暗きもの…』」

 彼女は"竜破斬"を発動するために、呪文を唱えていた。

「どこが軽い返事だよっ!!? 殺る気満々じゃねーか!!?」

 ガウリイも思わずつっこみを入れてしまった。








 悟空は彼女から距離を置いていた。そして、視線をリナの方に向け、じっと凝視した。

「どうやら、あの技をやる気だな…」

 彼はそう確信した。

―こういう時は…、『毒を以て毒を制すってもんか…!!

 悟空は両手を前に突き出して重ね、ゆっくりと右脇腹に持っていった。

「かぁぁぁぁっ……、めぇぇぇぇぇぇっ……、はぁぁぁぁぁっ……、めぇぇぇぇぇっ……!!!!」

 すると悟空の掌に水色の球体が浮かび上がっていった。地面が大きく揺れている。

「なっ、なんだあの光は…?」

 ガウリイは悟空のいる方向に目を向けて、丸くしていた。
 2人が十分にエネルギーを溜めた途端、強く前に両手を突き出した。

「"竜破斬"!!!!」
「波ぁぁぁぁぁっ!!!!」

 それぞれ、リナは"竜破斬"、悟空は"かめはめ波"を放った。真っすぐ飛んでいき、そのまま激突した。

「うっ…、ううううっ……!!!!」
「くぅぅぅぅぅっ……!!!」

 2人の光は互角に押し合っていた。片方の光線が引いたり、今度はもう片方の光線が引いたりしていた。

―う…、ウソでしょ…!? あたしの"竜破斬"とほとんど同じじゃない…!!?
―ぐぅぅぅっ……!!! やっぱこいつは半端じゃねぇ…!!!

 リナは仰天していた。実際、"竜破斬"は誰にでも使える魔術では当然なかった。リナという例外を除いては、どんな上級の魔道士でも習得するのに結構年月を費やさなければならないからだ。
 しかし、リナとほとんど同じ年齢で"竜破斬"のような魔術を使える少年がいたのだった。そういう状況が上手く飲み込めなかった。
 ただ、実際、悟空は青年のような外見とは裏腹にもう60歳手前であり、さらにかめはめ波については、少年期に一目で初めて見て、ごく僅かな威力であったがすぐに習得したという武勇伝を持っている。
 2つの光はこれ以上耐えきれず、先ほどよりずっと大きな大爆発を起こした。

「どわぁああっ…!!!!」
「きゃああっ…!!!」
「うぉおおっ…!!?」

 3人は強大な爆風に吹き飛ばされた。先程よりも大きな瘤ができていた。
 光が消えた時には随分巨大かつ深いクレーターが出来ていた。

「いったたたた……」

 リナはその淵で頭を摩りながら痛がっていた。急にお尻に違和感を持った。すぐにビビって後ずさりした。ある者の頭が泥だらけで地面から出てきた。

「おい…。大したことないのに、随分派手にやってくれたんだな…、2人とも…」
「……」
「り、リナ…?」
「いやあああああああっ!!!!!」

 リナは悲鳴を上げた。

「"炸裂陣(ディル・ブランド)"!!!」
「ぎょえええええっ!!!!」

 リナがその呪文を発動した時、地面が爆発し、大量の砂埃を撒き散らした。

「乙女の…、じゃなくてこのあたしのお尻にそんな汚い顔を突きつけてくるなんて、このドスケベ!!!」
「ううううっ……。だからと言って…、そっ…、そこまでしなくても……」

 ガウリイは沢山埃の付いた姿で倒れていた。そしてゆっくりと起き上がり、座った。
 
「それにしても、孫悟空っていう人は…、タダモノじゃなかったわね…」
「ああ、リナの"竜破斬"とほぼ互角の魔術を繰り出してきたからな」
「一体どこでそんな呪文を覚えてきたのかしら…」

 そう呟いた矢先、悟空の姿が1秒も経たない間に現れた。

「「おわぁっ…!!!」」


 それを言うのも無理はない。悟空は、人の気を感じることで瞬く間に移る手段、"瞬間移動"を使えるのだ。

「お前、ゆ、幽霊か!?」
「ははは! 何度も死んだことはあるけど、わっかはついてねぇぞ!!」
「????」

 クラゲ頭のガウリイは意味がわからなかった。いや当然、このことについては悟空とその仲間しかわからない。
 そのまま悟空も腰をかけ、胡坐をかいた。

「悟空」
「ん? なんだリナ?」
「あの魔術、どこで覚えてきたの?」
「魔術…? 何じゃそりゃ?」
「あらっ…!!?」

 リナはこけた。魔術を使えるのだろうと思ったが、当然そうではない。

「ちょっと!!! さっきあたしの必殺魔法とほとんど同じものをぶちかましたというのに、魔術自体知らないの!!?」
「さっき…? …ああ、"かめはめ波"のことか」
「"かめはめ波"…? 何そのネーミングセンスがなさそうな魔法は…!?」
「いいや魔法じゃねぇ」

 そして、悟空はリナやガウリイにかめはめ波を説明した。

「驚いたわね…。まさか魔法代わりに自分のその…、気というものであんなに強力なのを出せるなんて…」

 しかし、同時に自分の気を使うという点では、精神系の呪文“精霊魔法”に似ていることは、魔道士のリナにはすぐに理解し、納得することができた。
 ちなみに精霊魔法とは、後々登場することになる魔族に通用する攻撃呪文である。

「なあ、俺にも使えるのか?」
「あららっ…!!」

 今の一言に彼女は思わずこけそうになった。

「だってさ、かめはめ波って、別に魔力を使うわけじゃないしな」
「アホか!! 確かに魔道士ではないこの人は使えるけど、クラゲ剣士のあんたが使えるわけないでしょーが!!」

 リナはあまりにも呆れ果てて、頭を押さえた。

「いや関係ないだろ!!!?」
「いいや、誰だって使えるさ」
「ええっ!?」

 リナは、悟空の一言に驚いた。そんなに強力な技を誰でも使えるとは思わなかった。

「まあ、上手く気をコントロールできればだけどな」
「まっ、無理でしょうね…。こんなバカじゃあ…」
「だから関係ないだろ!!!?」

 やや低めにそう言ったリナにガウリイはつっこみを入れた。自分でも天然な奴だと自覚しているが、そんなにしつこく言われたくはなかった。

「じっちゃんが言うには、完ぺきに覚えるには50年ぐれぇもかかるそうだし…」
「ご…、50年!!!? 俺達もうその時おじいさんじゃないか!!!」
「まぁ、オラは子供ん頃に初めて見て、一瞬で覚えたんだけどな!!」
「「だぁぁっ…!!!!」」

―訳わかんないわね…。その技も…、この人も…。

 2人はこけた。そのうちリナはやや呆れたことを思っていた。

「ところで、さっきリナが出した、あのかめはめ波みてぇな技は何なんだ?」
「"竜破斬"よ」

 リナもまた、"竜破斬"のことを説明した。

「へぇ〜〜。どおりでこんなにすげぇことになるんだなぁ…」

 彼が見た先には先ほど悟空とリナが作った巨大なクレーターである。

「あれはおそらく、あたしの"竜破斬"と悟空の"かめはめ波"がほとんど互角で強力だから、2つがぶつかるとその分威力が大幅に増大したに違いないわ」
「ふ〜〜ん…」

 悟空はわかったようなそぶりを見せた。