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GO NEXT! -最強魔道士達と最強戦士の珍道中膝栗毛!?

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「とにかく…、おめぇはすげぇな! よくそんな小柄であんなでけぇ魔法をつけぇるなんてなぁ!!」
「あっ、当たり前じゃない!! あたしは……、…って"そんな小柄"ってどういうことよっ!!!!」

 またもやリナは呪文を唱えようとした。しかし、突然腹からグゥ〜〜ッと情けない音が鳴った。
 
「あっ…」

 悟空からもまた、同じような音が鳴った。

「あちゃあ〜、オラもなんも食ってなかったなぁ…。…そんじゃあ、メシにすっか!!!」
「あたしもそう言おうとしてたつもりなのよ!」
「それじゃあ、近くに町があるからそこに行こうぜ!!」
「そうだな!」

 全員一致で昼ご飯を食べに行くことにした。3人は勢いよく立ちあがった。

「そんじゃ行くか!! よっと!!」

 悟空は舞空術を用いて飛び立った。

「空を飛ぶこともできるのね…。ならあたしも、…"翔封界(レイ・ウィング)"!!」
 
 リナもまたその呪文を使い、飛び立っていった。

「………。…おい待て、ずるいぞ、お前ら空を飛べるなんてよ!!! こらぁぁっ、俺を置いてくんじゃなぁぁいっ!!!!」

 結論にたどりつくのに10秒かかった。剣士であるガウリイのみは当然空を飛ぶことが出来ない。そのまま2人を全速力で追いかけていった。



 悟空達はとある街のレストランで昼食をとっていた。
 食欲は尋常ではなかった。健啖家であり、普通に料理を一人当たり3人前〜メニュー全部のあたりの量を注文するのであった。それらを当たり前のように全て食べ切ることが出来るのであった。それでも体型が全然変わらないのは全くの不思議である。
 山ほどあった料理も、がつがつ食べまくる3人によって空っぽの皿が30段、40段と積み重なっていった。
 最後のお皿に残った一つのシューマイをガウリイのフォークが捉えようとした。しかし、その動きをリナのが押さえた。

「ちょっとぉっ!! 取らないでよ!!! これ、あたしが最後に取っておいたものなんだからぁぁっ!!!!」
「何言ってんだ!! これは俺が先に見つけたんだぞぉっっ!!!」

 リナとガウリイは、まるで剣のようにフォークを使って必死に決闘していた。
 2人は今まではこういう風にお互いに競り合って、必ずどちらかが勝ち取るという事になっていた。

「いっただきっ!!」
「「あああっっ!!! あたし(俺)のシューマイぃぃっ!!!!」」

 しかしその決闘の合間に、悟空という名の第三者に、笑顔満々で漁夫の利を取られてしまった。

「こらぁぁぁっっ!!!! よくもあたしが取っておいたシューマイをっっ、この泥棒ザル!!!」
「だから俺のだって!!」
「ははは、わりいわりい! 残ってたからもう食べねぇのかなぁと思って!」
「あたしらをないがしろにするなっっ!!!!」

 笑いながら言い訳をする悟空にリナが欲求不満のままでつっこんだ。

「でも、おめぇら十分バカほど食ったじゃねぇか」
「メニュー全部を頼むあんたに言われたかないわ!!」
「ははははは!!」
「笑って済ますなぁっ!!!」

 またもや彼女は突っ込みを入れた。落ち着いた頃になると、御供は質問を仕掛けた。

「そうだ…。なぁリナ、ちっとおめぇに聞きてぇことがあるけど」
「何?」
「この世界って一体どんなとこだ?」
「ええっ?」

 リナは悟空の発言を聞いて驚いた。

「ちょっと、何急にあたしにそんなこと聞いてくるのよ!? まさか、ここの人間じゃないって言うつもり? それとも…」
「ええっ…!? いや、オラ全然わかんねぇから聞いてるだけだけど…」

 彼女はため息をついた後、悟空に一つ尋ねてみることにした。実際、詮索したい気分だがここのところは自分を抑えた。

「それじゃあ…、”シャブラニグドゥ”とか聞いたことある? あたしの”竜波斬”などの魔術は、その魔族の力を借りて発動してるんだけど…」
「”シャブラニグドゥ”……? ……なんだ? その…、しゃぶしゃぶみてぇでめっちゃいいにくそうな名前は…?」
「だぁぁぁっ!!!!」

 腕を組みながらもじってきた。もじって全く別の食べ物の名前に変えてきた。
 勿論である。初めてその名を聞いたので、悟空には全く意味不明であった。

「あっ、…確かにしゃぶしゃぶに聞こえるな」
「聞こえるか!!! どんな耳してんの2人とも!!?」
「こんな耳だけど?」
「その耳じゃないっっ!!!」

 またもやガウリイの天然が炸裂したので、彼女は後頭部にスパンとキレのいい音を一発鳴らした。自分の片耳を見せつけてきたからだ。
 悟空はそれを見て少し困惑していた。

「まあとりあえず…、オラはこの世界の事を知りてぇんだ」
「はぁ…。…結構長いから、ちょっと混乱してしまう事があるかもしれないけど…、いい?」
「ああ」

 リナは渋々ながらも、説明することにした。
 今悟空がいる世界は、同じく地球の中である。しかし、その中の世界の構造はここでの伝説によれば、まるで皿回しをされているような状態であり、”混沌の海”という基盤が杖を持って幾つかの皿を支えている。また、それぞれ色々な世界が存在しているというそうだ。
 それぞれの世界には神族と魔族が存在している。それぞれの国には両者の間で抗争が起こっている。特に魔王はその杖を欲しがり、世界を滅ぼそうとしていた。魔族側の赤眼の魔王(ルビーアイ)”シャブラニグドゥ”はその野望を秘めていたものの、それと対の存在である赤の竜神(フレアドラゴン)”スィーフィード”との争いによって、約5000年前に7つに分断されて封印された。
 しかし、1000年前にその一部が復活した。スィーフィードの分身である水竜王に倒されたものの、その身体と大地が繋がってしまったのだった。そのためにこの世界の均衡が崩壊し、モンスターという者たちが増殖していった。
 ちなみに、ある事件によってその魔王のもう一部が復活してしまった件があったものの、リナ達によって滅ぼされている。ただ、あと5つが封印されているのでまだ”竜波斬”などシャブラニグドゥの力を借りて発動する黒魔術を使用することは可能である。

「そういうことなんだけど……、わかった?」
「ちっとはわかったかな…」
「さっぱりわからん…」
「あらっ…!」

 2人はそれぞれ個性のあふれる感想を述べた。悟空は納得した様子だが、ガウリイは腕を組んでそう答えた。それを聞いたリナは机の上に伏した。ガウリイにとってはあまりにも複雑すぎて、頭の中での整理がつくのがとても困難だったのだ。

「とにかく魔族とか神族とかっていうすんげぇやつらがこの世界にいて、めっちゃ仲がわりいってことはわかった…」
「そう捉えても別にいいけど……ってそういえばガウリイ……、あんたには前も一度話したじゃないのぉっ!!?」
「そうだっけ?」
「ああああっっっ!!!! まだ一年も経ってないのに、このゼリー頭!!!」
「くぁっっ…!!!」

 彼女はさらにガウリイの後頭部に蹴りを加えた。効きすぎたのか、彼はしばらく机の上に伏していた。