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GO NEXT! -最強魔道士達と最強戦士の珍道中膝栗毛!?

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 実は、リナに初めて出会って間もなく、ガウリイは前にも聞いた事があった。しかし、クラゲ頭には記憶力が全然ないのか、まったく一文字たりとも覚えていなかった。

―こいつ、さっきもそうだけど…、手加減ってぇのを知らねぇんだよなぁ…。

 2人の様子を見て、彼はまたもや困惑していた。実際、彼女にはオーバーすぎる点がよく見られるのであった。盗賊を狩るときにはいつも”火炎球”などの精霊魔術を用いたり、彼女が憤慨した際には”竜波斬”を発動したりして、駆逐を繰り返していた。また、こういう突っ込み方が彼女流の軽いコミュニケーションだという。彼女が世間で悪く見なされているのは、その破天荒な性格にもあるともいえよう。

「ってぇことは……リナとガウリイは、その魔族のやつらを退治するために旅してんのか?」
「いいや、実際に…」

 しかし、彼が答える前にリナに顔を机にガツンと強く押さえつけられた。皿の塔が大きく左右に揺れた。

「そうそう!! この美人で最強の魔道士、リナ=インバースはそういう悪い連中をやっつけるために世界を股にかけて旅を続けてるの!!」
「り…、リナ……、顔がぁぁっ……」
「うるさいわねぇ…。あたしの信用を得るためにこういうことしてるんだから、我慢しなさい…」
「そんなぁぁぁ……」

 リナは耳元で、小声で彼を注意した。

「ならさぁ…、オラも一緒に付いてってもいいか? その魔族ってぇのを倒しに」
「「ええっ!?」」

 ついに悟空は、リナ率いるパーティの加入宣言をしたのだった。
 しかし、リナは腕を組んでこう言った。

「でも…、魔族という存在は非常に強力な力を秘めているから、普通の人間を連れていっても当然足手まといになるだけよ。例え、さっきあなたが出したかめはめ波を打てるとしてもね」

 一瞬、彼女は決まったと自分の態度に誇りを持った。
 しかし、これでは悟空は諦めるどころか、さらに好奇心を湧かせるだけだった。

「オラさ…、そういう強そうなやつのことを聞くと、うずうずしてたまらねぇんだ」
「”うずうずしてたまらねぇ”って…、悟空!! 本気で言ってるの!!?」
「やめといたほうがいいぞ…。俺リナの保護者でもあるけど、飼い主でもあるから…」
「そっちかい!!! てかあたしは犬かっ!!!」

 リナはまた彼に突っ込みを入れた。

「オラ、その魔族ってぇのと戦ったことあるし」
「「ええっ!!?」」

 実際悟空は、この世界のとは全く異なるが、魔族と戦った経験が何度もあった。幾つか例を上げると、まずピッコロである。少年期に仲間を殺され(結局はドラゴンボールによって生き返ったものの)一度敗北したが二回戦でついに大魔王を倒した。青年になってその息子であるマジュニアと戦ったが結局は共に戦う者というかけがえのない仲間の一人となった。次に不老不死を手に入れ、世界征服を目論んだガーリックJr.もである。言うまでも無く彼は強力で苦戦を強いられ、2度も戦うこととなったが、一度目は悟空、二度目はその息子、悟飯が別空間に閉じ込めたのだった。

「驚いたわね…。ちょっと種類は違うけど、既に魔族と戦った経験があるとはねぇ…」
「まぁ、オラだけで戦ったわけじゃねぇんだけどな」
「じゃあ、別にこいつを連れてっても、別に何の問題もないんじゃないのか?」

 ガウリイが耳元でそう彼女に促した。

「そ…、そうね…」
「そんじゃ、オラも付いていっていいってことか?」
「そうだな」
「よっしゃ!! すっげぇワクワクすっぞ!!」

 2人は異常に気分が高まっている悟空の姿を見て困惑していた。

「いいけど、一つだけ条件があるわ」
「なんだ?」

 普通の気分に戻った悟空が応えた。

「それは…、あたしの言うことを必ず守る事!!」
「へっ!?」
「おいおい…。リナらしいなぁ…」

 ガウリイが呆れた様子で言った。年上をこき使う、リナにとってこんなことは当然であった。

「ええっ…、例えば……?」
「例えば……、悟空がいつも食事のゴチになることかな?」
「ゴチになるって…、オラ一文も持ってねぇぞ」
「「えええっ!!?」」

 悟空はポケットを裏返して2人に見せびらかした。
 悟空は働いていたものの、ある意味で”働いた”事がないため、金をロクに集めた事がなかった。サイヤ人の本能によっていつも戦いに明け暮れていたからだ。

「仕方ないわねぇ…。…まぁいいわ。それじゃあこれはガウリイがいつも奢るという事で…」
「えええっ!!? そんなぁぁっっ!!!?」
「冗談よ! ……まぁ、この旅はあたし中心で続けてるみたいなものだから、それ相応に扱ってちょうだい。いい?」
「ああ、わかった。……そんじゃいくとすっか!!!」
「そうだな!!!」
「わかってなぁぁいっっ!!!」

 出発宣言をした悟空やそのノリに乗ったガウリイに、リナは激高した様子でつっこんだ。

「早速約束を破ってるし!!!」
「オラ先に行ってるから、勘定頼むな」
「それじゃあ!!」
「パシってないで戻ってこぉぉい、このクラゲ、サル!!!」

―はぁ…。こりゃロクのないことばかり起こりそうね…。この先…。

 リナは落胆した。また、取引して1分も経たぬ間に後悔していたのであった。








 こうして3人の珍道中が始まったのであった。










「そういやぁ、リナの保護者ってことは、ガウリイはリナの父ちゃんなのか?」
「そうだ」
「違うわ!!! そういう意味で使ってない!!! ってガウリイ、何普通に「はい」って言ってるのよ!!?」