二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

GO NEXT! -最強魔道士達と最強戦士の珍道中膝栗毛!?

INDEX|8ページ/28ページ|

次のページ前のページ
 

3.パーティ全員集合!! 最初の敵は御伽噺の魔人!?



 空から見下ろせば壮大な森の先に一つの城が建っており、また、その周辺に広い城下町があるのがわかる。
 つまり、一行はついにゾアナ王国に入ったのだ。
 この時、祭りが行われており、力自慢があったり、街の娘達が踊っていたり、芸者がそれぞれ個性溢れる芸を披露していた。
 とにかくこの様子から伺える事は栄えているということだ。しかし、今の一行にはそんなの関係ない。とある用事があってこの王国に来たのだ。

「おばちゃ〜ん、あたしAランチ3人前!!!」
「ああ俺にも3人前!!」
「オラは5人前!!」

 3人が元気よく料理を注文した。
 一行は腹を空かしていた。旅をしながら色々な珍騒動に巻き込まれては、ド派手に閉めていたからだ。

「はい、お待ち!」

 料理が来たこの時が火蓋であった。

「「いっただきま〜す!!!」」
「おりゃあああああっ!!!!」

 そしていつものように、食べ物の取り合いが始まった。パスタを強引に巻いては食べ、ソーセージを取りあい、といつものパターンが始まったのだ。

「ちょっと邪魔よっっ!!!」
「ええじゃねぇか、オラもめちゃんこ腹減ってんだし!!」
「少しは遠慮しなさいよ!!!」
「リナこそ遠慮ってものがないのかっ!!?」
「何ですってぇっっ!!!!」

 こう言う風にだ。口喧嘩をしながら大食いバトルを繰り広げていた。

「ところでリナ、しばらくこの街にいるつもりなのかぁっ…!!?」
「そりゃなんてったって―」

 ソーセージを狙っていたリナとガウリイのフォークが挟まった。2人は眼で牽制し合い、フォークでガンガンと金属音を立てながら交えていた。

「って何回説明させんのよこのクラゲ頭!!!」
「もーらいっ!!!」
「「だぁぁぁぁっっ……!!!!」」

 悟空にソーセージを横取りされ、2人は悲鳴を上げた。

「旅に加わってからいつもそうだけど、こっちが揉めあってる合間にセコすんな!!!」
「ははは!!」

 リナは笑顔のままの悟空に突っ込みを入れた。

「がぁっ…!!!?」

 突然ガウリイの後頭部に巨大な壺が何故か直撃した。そのまま彼は伏してしまった。悟空とリナはそれを見て茫然としていた。

「なっ、なんだ今の…?」
「…なんだか知んないけど、今のうち!!!」
「おい、ええのか気にしなくて…、ってあああっっ!!! それオラの肉だぞっ!!!」
「今のはおかえしよ!!!」

 しかし、全く彼のことを心配せずにリナは再びガツガツと食べ始めた。お返しを食らった悟空もまた食べ始めた。
 すると今度は人が派手にテーブルに突っ込んできた。いや、吹き飛ばされたのだ。そのおかげで料理はめちゃくちゃになってしまった。

「あたしのごはん…」
「あちゃあ…」

 またもや2人は茫然としていた。

「ケンカだケンカだ!!!」

 悟空がその声に釣られ見回してみると、何が原因で始まったのかは不明だが、喧嘩が勃発していた。男達が椅子を使うわ、殴り合うわ、大変なことになっていた。
 リナはすごい剣幕で立ち上がった。身体が少し震えていた。

「あたしのごはん……、あたしの…ごはん……!!!!」

 涙目でリナは反芻していた。その表情とは裏腹に怒りが二次関数的に湧きあがっていた。

「“炸裂弾”!!!!」

 関係ない人々を全く気にせずにリナはそれを発動し、周囲を吹き飛ばした。

「なっ、なんだ……!!?」
「何しやがる…!!!」

 吹き飛ばされた男達が言う。煙から一つの影が浮かび上がり、ゆっくりと近づいてきた。勿論リナである。

「あんた達がどこでどうケンカしようと勝手だけど、そのケンカに人様を巻き込み、なおかつ乙女の食事を邪魔するとは言語道断!!! しかも、その相手がこのあたし、リナ=インバースとなれば、この程度のお返しで済んだってのがラッキーってことね!!!」

 リナは一方のチキンで2人を指しながら宣言した。

「いっちちちち……。…あいつまたやってやがる…」

 悟空が頭を押さえてリナに目を向けながらいった。
 2人の男は剣を抜きだし、リナに向けた。

「こっ、このクソガキ!!!」
「ちょっと待った!!」

 ガウリイが声を上げ、スパッと2つの刃先を切った。すると見事にバラバラになった。

「けけけけけ剣が…」
「街中でそんなもん振り回すとあぶないぜ」

 ガウリイが2人を注意した。

「ところであいつ、リナの踏み台にしてはなかなかの腕なんだなぁ…」

 ガウリイの凄さを実感した悟空であった。いつもリナにいじられている姿しか見かけないので、保護者にしてはあまり大した奴じゃないと思っていたのだった。

「それにさぁ、あいつに逆らったらホントに何されるかわかんないぞ…」
「ちょっとぉっ!!! 聞こえてるわよ!!!」

 耳を借りてこそこそと話すガウリイにリナは突っ込みを入れた。

「それを聞いたからって『はい、そうですか』って引き下がれるか!!! よぉし、こうなったら徹底的にやってやる!!!」
「おおっ…!!」

 これでも2人はこの最強の娘に立ち向かおうとしていた。

「やめたらいいのに…」

 本気になっている2人を、いつしかガウリイは心配するようになっていた。
 実際リナは凄かった。たった一人でラリアット、飛び蹴り、パンチをうまくこなしては沢山の男たちを徹底的にぶちのめしているのだから。

「あいつ、素手でもやるなぁ」
「このぉぉぉっっ!!!」
「うあああああっ!!!!」
「んっ…!」

 今度は前後から悟空を殴ろうとする男達が接近してきた。

「よっと!」

 そのまま殴るかと思いきや、突如悟空の姿が瞬く間に消えた。

「「がっっ……!!!!」」

 当然の結果である。お互いの拳をまともに喰らい、仲良く後ろに倒れたのであった。
 ガウリイの真横に悟空の姿が現れた。

「よっ!!」
「わっ…! …なんだ悟空か、おどかすなよ」
「わりい。…リナのやつ、いつもこんな感じなのか?」
「まあね…。あいつ、一度売られたケンカは必ず買いまくるほうだから…」
「そっか。てかあんなに手加減しねぇのに会ったの、久しぶりだな」

 悟空とガウリイは手加減なしに懲らしめ続けるリナの姿を見ながらそう言った。

「このアマぁ、少しはやるじゃねぇか…!!」
「“霊呪法(ヴ=ヴライマ)”!!!」

 リナは地面に手をつき、その呪文を発動した。地面に光の筋が亘っていき、そのまま銅像に直撃した。すると、その銅像がゆっくりと腕を広げた。

「ひえーーっっ!!! あんなでけぇ銅像も動かせんのか!!!?」
「まあ普通なんだけどね」

 悟空は今遭遇している現実にびっくり仰天していた。彼は、彼女の凄さを知っているだけで、魔術については全く知らない。

「それいけぇぇっ!! えやっ!! はぁっ!!!」

 銅像はある2人の男を持ち上げ、両者の頭を何回も何回もぶつけ合い、そのまま投げ出した。
 すっかりリナの周りには瀕死の男達が倒れていた。それでも彼女たちを回り込む人々はリナの凄さに感心していた。