二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

魔法少女リリカルウィッチーズvol.3

INDEX|4ページ/11ページ|

次のページ前のページ
 

8th MISSION


トリスタン奪還から数日が経った。
セイバーズを中心に依然として部隊全体の士気は高いままで、襲来するネウロイも返り討ちにしていっていた。

「今日の戦闘も大したことなかったな」
「このまま一気にいっちゃおー!」
シャーロットが言うのに被せてルッキーニが浮かれた調子で言う。が、一人難しい顔をしている者がいた。
「坂本さん、どうしたんですか?」
「いや、何でもない。ちょっと考え事をしていただけだ」
「なら良いんですけど…」
芳佳にはそう言ったものの、美緒の中には一つ疑問が浮かんでいた。
いくら何でも、最近のネウロイは手応えが無さすぎる。まるで力を温存しているかのように。
そんなことを思いながら、美緒と出撃した一同は基地へと帰還する。

帰還後、美緒はミーナとバルクホルンとなのは、フェイト、はやてを呼んで会議室に向かった。
「このメンバーに集まってもらった理由は、解ると思う」
「最近のネウロイについて、ですね?」
「ああ」
「少佐はどう考えているんだ?」
バルクホルンが問う。
「私は奴らが力を温存しているのではないかと考えている」
「力を温存か。確かに、ここ最近は小型の集団しか出てこないしな」
「もしかしたらネウロイは、近いうちに私達が首都へ攻めることを見越して…?」
「高町の言う通りだろう。ミーナ、例の写真は?」
「用意してあるわ」
美緒に言われるとミーナは一枚の写真を取り出す。
「これは…?」
「偵察班が撮ってきてくれた写真です」
「っ…このネウロイ…」
はやてが写真の一部を指差す。それを見て真っ先に反応したのは元・六課隊長陣だった。
「これって…!」
「でも、だとしたら…ネウロイの狙いは…!」
「ただの残骸のようだが…何か解るのか?」
バルクホルンが質問する。
「これは聖王のゆりかご。ネウロイは恐らくやけど、これを狙ってる」
「聖王のゆりかご?」
「私達の世界の紀元前何百年も前に造られた、巨大な船の形をした古代の遺失物。衛星軌道上まで上がって、そこから自在に攻撃が出来てしまう恐ろしい兵器」
「一時、ジェイル・スカリエッティっていう科学者が悪用しようとしたんだけど…当事六課だった私達がそれを止めたんだ」
「そんな兵器を、まさかネウロイが狙ってくるなんて信じられへんなぁ」
「なるほど。しかし、これは明らかに運び出そうとしている…。修理して使うつもりか?」
バルクホルンが推察したことを口に出す。
「仮に出来たとしても、動力源となる聖王がいなかったら意味がないんだけどね」
「聖王か…。王とつくとは、さぞ偉い人物なのだろうな」
バルクホルンが言う。
「ううん、そんなことないよ。だって、うちのヴィヴィオがそうだから」
「誰だ、そのヴィヴィオというのは?」
「私の娘だけど…話したことなかったっけ?」
「「……何ーーーっ!?」」
美緒とバルクホルンの声がほぼシンクロした。
「高町、お前…娘がいたのか」
「ということは、なのはさんは結婚しているの?」
「いいえ、ヴィヴィオは私の本当の娘じゃありません。最後のゆりかごの聖王のクローンなんです。もっともヴィヴィオも私も、その事にはもう気にしてませんけどね」
「驚かすな。私より若いのに一児の母など信じられんからな」
「にゃはは…すみません」
苦笑いでなのはは返す。
「仮にそうだとしても、ネウロイが何らかの手でシステムを乗っとる可能性があるわ」
「確かに、未知の存在やからなぁ…」
「だとしたらどうする、ミーナ」
「そうね…やはりあれがネウロイの手に渡る前に決着を着けるしかないわ。幸い、ネウロイの方もあれの扱いに手間取っているようだし」
「まぁ、当然ですね」
「ええ。さて、ひとまず今日の所は解散にしましょう。後は私と八神二佐で具体的な作戦を立てます」
「了解した。頼むぞ、ミーナ」
「お願いね、はやてちゃん」
「任しといて!」
こうしてこの日の会議は終了となった。

「出来たぁ」
食堂では、芳佳らが夕食を作っていた。
「美味そうな匂いだな。もうご飯か?」
食堂に入ってきてそう言ったのはヴィータだった。
「あ、ヴィータさん。はい、もうすぐですよ」
「そっか。なら、皆を呼んでくればいいか?」
「はい、お願いします」
ヴィータはそれを聞いて皆を呼びに行く。芳佳とリーネはその間に盛り付けをする。
程なくして皆が食堂へやってくる。
「おっ、今日はミヤフジが作ったのか」
「久しぶりだな」
「嬉しそうだね、トゥルーデ?」
「な…べ、別にそんなことは…!」
「これ、芳佳ちゃんが作ったの?」
皆が口々に感想を漏らす中、なのはが訊く。
「はい。食堂の皆さんやリーネちゃんにも手伝ってもらいましたけど」
「へぇ…。立派な日本食だね」
「日本食?」
「うん。この間のおはぎといい、やっぱり芳佳ちゃんが住む国は私の出身国に似てるのかも」
「出来たら今度、行ってみたいです」
「うん、歓迎するよ」
そんな話をしていると、
「ヨシカー、おかわりーっ!」
ルッキーニが早速おかわりを申し立ててきた。
「はーい、ちょっと待っててね」
「ミヤフジ、こっちも頼む」
「わかりました、待っててください」
芳佳はお椀を受け取ると、料理を盛る。
「ふふ、大変だね」
「いつものことですから、大丈夫ですよ」
なのはの言葉にそう返して、芳佳はまず、ルッキーニにお椀を渡した 。

それから更に数日が経ったある日、一同は会議室に集められていた。
「今日集まってもらったのは他でもなく、首都奪還に関する作戦を説明するためです」
ミーナの言葉に、一同の間に緊張が走る。
「いよいよか…」
「現在、ネウロイの巣は目立った活動を見せてはいません。それは最近襲来したネウロイの規模からも明らかでしょう。しかし、ネウロイはその影で、ある行動に出ていました」
モニターの映像が切り替わり、この間の写真が表示される。
「あれ…聖王のゆりかごじゃねーか?」
ヴィータが写真を写し出したモニターを見て言う。
「そや。ネウロイはどうやら、聖王のゆりかごを自分らの戦力として利用するつもりみたいなんよ」
「どうしてそんなことを…」
ティアナが訊く。
「明確な目的は分かりません。ですが、ネウロイが何らかの形で聖王のゆりかごを利用しようとしているのは明らかです」
「あの、質問なんですけど良いですか?」
芳佳が手を挙げる。
「宮藤さん、どうぞ」
「聖王のゆりかごって何ですか?」
「それについては八神二佐から聞いた方が早いわ。八神二佐、お願いします」
「了解や」
はやてが説明する。
「……とまぁ、こんな感じでどうやろ?」
「わかりました、ありがとうございます」
「では、続けます。どうやらネウロイも、あれの扱いには手を焼いているようです。ですので、私達は聖王のゆりかごがネウロイの手に渡る前にネウロイの巣を撃破します」
「それが一番だろうな」
聞き終えたシグナムが静かに呟く。
「じゃあ、具体的なプランについて説明していくで。まずは前回同様に坂本少佐となのはちゃん達が率いる航空部隊で敵ネウロイに打撃を与えて牽制、その間にフォワード四人が率いる地上部隊は敵歩兵ネウロイを撃破しつつ進撃、航空部隊と一緒にクラナガンを目指すんや」